【スタッフコラム】その道は、一本じゃなくても
商品プランナー 緑川
先日、長い付き合いの友人から転職の相談の電話がきました。
ずっとやってきた専門分野の仕事をやめて、全く別の新しい仕事にチャレンジしてみたいという内容。
10年以上携わってきた仕事を変えることは、本人にとってとても勇気のいることだと思います。それでも私は、彼女の決意に心の底から応援したいと思いました。
私自身も昨年、10年勤めた会社を思い切って辞め、クラシコムに転職したということ。そして、大学時代の恩師に言われた言葉のおかげで今のような仕事に就くことができているということを思い出したからです。
私は今、主にオリジナルアパレルの企画開発をしていて、前職でもアパレルメーカーでものづくりに関わる仕事をしていました。ところが大学では、福祉を専攻。福祉からアパレル?と驚かれることも結構あります。
ボランティア活動をきっかけに福祉のことに興味を持ち、福祉を学べる学校に進学しました。日々知識と関心を深めながら学んでいたけれど、もともと裁縫が好きだった私は、就活を進めていく中でものづくりに関わる仕事に就きたいと思うようになっていきました。
福祉系、アパレル系どちらの道に進むべきか……人生究極の2択!ぐらいの気持ちで悩んでしまって。
そんな時、1年の時からお世話になっていた恩師から「卒業生、みんなが福祉の世界に行ったら意味がないよ。ここで学んだことを、いろんな業界でも生かして欲しい。」という言葉をもらったんです。そして今の道へいく決心をすることができました。
福祉以外の仕事に就いたら、今までのことが全部無駄になっちゃう気がしてしまったんですよね。でもそうではなかった。
社会に出ていく上で大切な、人との接し方や人を敬う心は大学の4年間で丁寧に染み付いたように思います。そして直接的に今の仕事に結びついているなと思ったことがふたつ。
ひとつ目はどの授業でも大事にしていた「相手の立場になって考え動くこと」。それは、どんな商品を作ったらたくさんの方に喜んでいただけるか、お客様の立場に寄り添ったものづくりをしたいという姿勢に。
もうひとつは、試験や課題のほとんどがレポートだったため、何度も何度も「自分の意見を文字に起こしてきたこと」。それは今、商品を企画をする上で対峙するなぜ?どうして?というモヤモヤに対して、自分の考えをしっかりまとめて言語化するということにつながっている気がします。
* * *
結局友人とは話がつきず、真夜中まで大盛り上がり。
全く未知の道へ進んでも、これまでに経験してきたことが無駄になることはない。むしろまっすぐ一本道よりも、たくさんの道(でこぼこ道やくねくね道!)を歩んできた方が、きっと魅力的な未来が待っているんじゃないかな。そしてその方があとから振り返ってみたとき、なんとも楽しいはずだよね!
これから先の人生、私自身もまだまだいろんなことに挑戦していきたいと思いました。
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