【店長コラム】家での自分の姿に、変化がほしい。
店長 佐藤
2020年。なぜだか色もの、柄ものが気になります。
インテリアをつくる要素にもこれまで色は多少はあっても、柄(がら)は器以外ではほとんどありませんでした。
リビングダイニングのアクセントカラーでさえも、意識的に色数をコントロールしてきたように思います。
洋服もまた同様で、派手な色や柄のものはほぼ持っておらず、黒やグレー、ブラウン、ネイビーといった定番色の服がクローゼットを開けるとずらり並んでいます。
それが本当に自然に。
お店に出かけてもネットショッピングをしていても、色のあるもの、柄のあるもの、しかも今までの自分だったら選ばなかったような大きめの柄のあるものに引き寄せられるようになってきました。
今年は世界じゅうが大きな変化を経験し、暮らし方・働き方を含めた生き方そのものを問い直したり見つめ直したりしている人がきっと多いはず。
もれなくわたし自身もその一人ですから、意識せずとも目に留まるもの・引き寄せられるものの質が変わってきているということは、生活に求めるものやそれを通して得たい心の動きも変わってきているのだろうと思います。
新しいエプロンを身につけ、鏡の中にいた「その人」
そんな自分の変化に気づかされたのが、とあるショップで出会ったエプロンに心を持っていかれて、我慢できず2種類とも衝動買いした日のことでした。
まだ夏の暑い日だったので、家に帰ってからいつもの動きやすい黒のTシャツと黒の麻のパンツ(全身真っ黒スタイル)に着替え、買ったばかりの派手めな柄のエプロンをつけて全身鏡の前に。
鏡のなかにはこれまでの家にいる時の自分とは、全然違う自分の姿が立っていました。
いつもだったら真っ黒スタイルの上に、見えるか見えないかくらいの細いストライプが入ったシンプルデザインのエプロンをつけて家事をしていたので。
鏡のなかに立っている「その人」は、どこか誇らしげにエプロンの腰紐をおへその前でキュキュっと蝶々結びにする仕草をしていました。
思わず「ねえねえ!これ買ったんだけどさ。今日のお母さんどうかな?」と小学4年生の息子に見せに行きました。(息子は「うん、まあ、いいんじゃない。お母さんにしては派手だね〜」という冷静な返答。照れ隠しと信じます、笑)
家で過ごす時間が圧倒的に増えた2020年。
とは言っても、家のなかですることが大きく変わったわけではないのです。
だからこそ、「すること」は変わらないからこそ、「そこに居る自分の姿」に少しでも変化球を欲していたことに気づきました。
休日の午前中に「溜まった家事をやっつけるぞ」というとき。平日の仕事終わりで夕飯の準備のためにキッチンに立つとき。
どちらのシーンにもそれなりの億劫さがありますが、このエプロンをつけ、スピーカーから音楽を流すと、陽気な自分が顔を出してくれます。
色や柄が持つ影響力を思い知っています。
ならば部屋にも柄のあるものを置こう、と
インテリアについてもこれまでは部屋に絵柄のあるものを置くことに抵抗があり、カーテンも無地、クッションカバーなどもできるだけシンプルデザインなものを選んできました。
でもそこに「居る」自分の姿に変化球を求めるのと同じように、自分が「眺める先にあるもの」にも変化球を求めるようになりました。
我が家に新たに追加された「色」と「柄」のあるインテリアアイテム。
それが当店のオリジナルブランドでつくったテキスタイル『DROP』を使ったファブリックパネルです。
25cm角の小ぶりなファブリックパネルで、布地の質感も活かされたつくりだからこそ、壁にかけずとも棚の上にポンと立てかけておくだけでも新鮮な存在感を発揮してくれています。
同じくオリジナルでつくったブルーの花器との相性が抜群で、このコラムを書いている今日はフランネルフラワーを生け、ブルーコーディネートの気持ちでパネルの近くに飾っています。
このブルーなコーナーに窓の外から挿し込む光が当たると、本当に美しい……。
ダイニングテーブルで食事をするとき、リビングの隅にある一人掛けチェアで寛ぐとき。この『DROP』のパネルを眺めては、心のどこかがユラユラと気持ちよさそうに揺らぐのを感じます。
身につけるもの。暮らしのなかに置くもの。
外的な影響を受けて、内的な何かが変化していくその瞬間瞬間を。自分で自分を。できることならば敏感に捉えたい。
そしてその捉えた感覚をお店づくりや商品づくりにまっすぐに活かしていけたらと願います。
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