【スタッフコラム】貝ひもの甘辛煮には、敵わない。

編集スタッフ 田中

三姉妹の末っ子として生まれ、気づけば先に「事例」があって、問題と模範解答(?)を照らし合わせながら歩みを進める、そんな境遇にあったように思います。

一人暮らしをはじめ、さらに夫婦生活をはじめ、生活様式が変わるたびに、「事例」が減ってきて。姉の夫婦生活をくまなく見に行く、なんてことはかないませんから。

行き当たりばったり、自己流、といえば聞こえがいいでしょうか。のらりくらり、暮らしています。

たとえば料理は。ふたりになると、自分の好きなものだけじゃなく、作る料理のレパートリーも増えてきました。挑戦の幅、といった感じで「レパートリーのひとつ」と呼べる日はまだ先のようですが。

ふたりとも好きでよく作るのは、餃子。この冬は、水餃子にハマり、冷凍ストックしておいたそれを茹でてランチにすることもしばしば。(私があまりに「餃子、餃子」と口にするので夫は呆れ顔です……)

さて、お義母さんという存在に出会ってからも早数年が経ちました。

数ヶ月に一度、野菜や米を送ってくれるのですが、その中におまけとばかりに添えられていて、圧倒的な存在感を放つかけがえのないものがあります。

それこそが、貝ひもの煮たもの。近所にある『角上魚類』という鮮魚専門店で仕入れてきた貝ひもを甘辛く煮付けるのだそう。

夫は、それが家にある間は「これも食べよう!」といの一番に食卓へ並べます。その嬉しそうなこと。白いご飯が、すすむ、すすむ。ついでに、お酒も進みます(笑)

その顔を見るたびに「こりゃ敵わないな〜」と思うのです。

これは不思議な感覚ですが、敵わないものがあって、嬉しいんです。顔の浮かぶ料理、それは憧れるような、とっても嬉しいことだと思います。

食べるほうが好きな私も、ぶきっちょながら、料理をすることも好きになってきたのは、この顔を見ているからかもしれません。

直近届いたのは野沢菜漬け。自分で育てた野沢菜を漬けてみたのだそう。生姜の刻んだものや、昆布の刻んだものが一緒に漬けられていて、これまた癖になるごはんのお供です。

お義母さんもまだまだ挑戦中のよう。私もあとに続かせていただきます。


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