【44歳のじゆう帖】いま、私が尊敬する人の話
ビューティライターAYANA
それは、BTSのJINという人
昨年後半から突如BTSが大好きになってしまいました。BTSとは2013年にデビューした7名のK-POPグループ。彼らにはあまりにもあまりにも魅力が多く、それについて説明するとこのエッセイ100本分くらいになってしまうので今回は割愛します。
今日はBTSのなかで特に私が毎日愛を叫んでいるJINという人について書きます。
といっても、JINの魅力も語り始めるとこのエッセイ1000本分くらいに(以下略)なので、特に彼がずっと言っている「自分を愛することが大切」ということに絞って考えてみたいと思います。
JINは大学生のとき事務所にスカウトされてBTSに参加しました。練習生として他に集ったメンバーはラップやダンス、曲作りの才能に長けている人ばかり。JINはそれまで俳優を志していたため歌や踊りは未経験で、しかもメンバー最年長。
そこからスキルを磨くために壮絶な努力をしています(壮絶な努力はメンバー全員が毎日していくわけで、そこに追いつかなければならないのですからさらに過酷です)。
「デビューしてみたら必要なのは努力ではなく才能でした。この事実に僕のプライドは大きく傷つきました」という彼の発言や、ツアー先のホテルでも朝までダンスの練習をしているというメンバーの証言、「多分僕は空に触れることはできない、それでも手を伸ばしていたい」と歌うJINのソロ曲(Awake/2016)などなどに触れると、彼の葛藤を垣間見るようでとても切ない気持ちになってしまいます。
しかし彼は表ではそんな苦労をまったく見せず、いつもゆったりとしていて、くだらないギャグでみんなを笑わせ(あるいは失笑させ)、長男としてメンバーたちを思いやり、そして!自分があまりにハンサムであることをアピールします。
彼には「ワールドワイドハンサム」というあだ名があるのですが、それはJIN本人が言い出したこと。他にも「朝起きて鏡を見ると “あ〜ソクジン(JINの本名)、こんなにかっこよくてどうするんだ” と自分に語りかける」「街を歩いていて自分よりかっこいい人は鏡しかいない」などの名言を残していて、JINには自惚れが激しいポジティブな人という印象があります。
ですが不思議なことに、彼からはエゴイスティックなナルシシズムを一切感じません。
「自分を愛する」ことの難しさと強さ
「自分が一生懸命努力したことは自分が知っていればいい」。これはJINの名言のひとつです。彼が壮絶な努力を語りたがらない理由がここにあるわけですが、彼からエゴを感じないこともまた、ここに起因しているのではないかと思います。
JINはよく私たちファンに「自分のことを愛してください」と言います。彼の「朝起きて鏡を見たとき、なんてかっこいいんだろうと思う」という発言には続きがあって、「みなさんもやってみてください」なんです。
そこには「僕はハンサムですが、みんなもきれいです」というメッセージがあります。自分のくだらないギャグで誰も笑わなかったとしても、JIN本人はしっかりウケています。つまりJINは、自分がハンサムであることへの同意や、自分のギャグに対して笑うことを他者に強要しません。それはきっと、自分がその価値をわかっていて、自分にとっては当然のことだという前提があるから。
自分を好きになるとか、自分を肯定することの大切さというのは、この令和の時代にあってみんなわかっています。
でも私たちはやっぱりどこかで誰かから肯定されたい。いいね、すごいね、頑張ってるねと言われたい。自分で自分を褒めてもどこか虚しいのではないか?と不安になってしまう。そういった不安定な気持ちは、自分を本当に愛することができればとても小さくなっていくのだろうと、彼を見ていると思います。
「私たちはみんな、自分が正しいということを世の中にアピールしようとしてしまう」と言っていたのはディーパック・チョプラだったと思いますが、正しい、美しい、上手、そういったものを他者と比べた優位性で見てしまうと、必ず自分ひとりの話では済まなくなってしまいます。
私たちはひとりひとり違っていて、ひとりひとりが天才で、個々に努力することができて、それによってもっと自分を好きになれる。言葉にすると当たり前のようですが、それを腹落ちさせるのはなかなか難しいものです。JINは、それをしっかりと為し得ている人なのです。
うまくいかなかったときは自分を責めるのではなく「いいんだよ。これは次にうまくやるための失敗なんだ」と捉え、うまくいけば「こんなにうまくやるなんて、あなたは最高だ!」と褒める。このやり方で自分を愛してください、とJINは言います。そこに他者の評価や称賛が入る余地はありません。
できないのは恥ずかしいことではない、だから安心して努力しよう。壮絶な練習生時代を経てきた彼だからこそ、この言葉には本当に説得力があります。彼はBTSのバラエティ番組「RUN! BTS」や、数々のドキュメンタリーでもこの姿勢を、身をもって見せてくれます。
JINはとても恥ずかしがり屋で、ちょっとみんなから注目されるとすぐに耳が赤くなってしまいます。きっと自分を「ワールドワイドハンサム」と言うことも、最初は(今でも?)すごく恥ずかしかったのではないかと私は想像します。
またファンから「結婚してください」と言われると、他のメンバーは「じゃあ婚姻届を持ってこなくちゃ」などとアイドル対応ができるのに、JINは「話にならないことを言わないでください」と突然塩対応になります。嘘がつけない人なんだな、と思わず笑ってしまいます。
知るほどに、彼の生き方は私の人生の大きな指針のひとつとなりました。もちろん会ったこともなければ話したこともなく、彼のことは知らないに等しいのですが、それでもこうしていい影響をもらえることにはありがたさしかないのです。
【写真】本多康司
AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram:@tw0lipswithfang http://www.ayana.tokyo/
AYANAさんに参加してもらい開発した
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