【店長コラム】なりたい私と、なりたかった私。
店長 佐藤
「なりたい私と、なりたかった私」。
これはちょうど1ヶ月後の6月18日(金)、全国劇場で公開を予定している映画『青葉家のテーブル』のコピーです。
ドラマ版『青葉家のテーブル』を好きでいてくれる方にも喜んでもらえる映画となり、かつドラマ版を知らない方が映画を初めて見ても「これは好きな世界だ」となってくれる物語とはどんなものだろうか。
いや、そんないいとこ取りみたいなことはできないかもしれない。
いやいや、でもできることならばそこをちゃんと目指そう。
そんな精神的にも行ったり来たり、行きつ戻りつの紆余曲折を繰り返しながら、映画のためだけの物語や脚本を準備し始めたのは2019年夏のことでした。
そこから長い時間を経て、ぜひたくさんの人に観て欲しいと心から思える映画が無事に完成しましたが、最後まで決まっていなかったのが映画のコピーでした。
いくつかの案に絞り込んだうえで、ポスターのデザインを入稿しなければいけないギリギリ前日まで迷い、最終的にこれでいこう!となったのが「なりたい私と、なりたかった私」というもの。
今思えば、この映画の全てを表しているようにも感じられます。この言葉にしてよかったなぁと。
今まさに「なりたい私」について模索したり葛藤したりしているかもしれない若い世代の方たちに。
そして若さは通り越え年齢を重ねたからとて「なりたい私」についての模索が終わることはなくそれは一定続くものであること。そして、年齢を重ねて「なりたかった私」を振り返ることだってあるということ。
でもそんな時に「なりたい私」についての第三のチャーミングな選択肢が見つかったり、「なりたかった私」に対して穏やかな肯定を持つことができたなら……。
この映画で描かれたのはこのようなテーマだったのだと思いますし、どちらの世代に対しても、そしてどの登場人物に対しても、個人的にも共感するところがあります。
映画が無事にこのまま公開まで至ってくれたとして、観てくれた方たちがどのような感想を持たれるのか。ドキドキしつつも(これは本当に)でもとても楽しみにしています。
大きなスクリーンで観るとより楽しめる美術のポイント
ラジオ「チャポンと行こう!」では話したことがあるのですが、このコラムを読んでくれた方だけにお伝えしてみようかなと思うのが映画のテーマカラーです。
上の写真は西田尚美さん演じる主人公・春子の長年疎遠になっていた旧友の知世(市川実和子さん)が営む中華店「満福」の風景です。
この「満福」の壁面を一面ミントグリーンにしようと美術さんと決め、映画全体にわたって美術だけではなく衣装やフードスタイリングにおいてもミントグリーンが散りばめられていくことになりました。
春子と知世はいろんな事情から長年疎遠にはなっていましたが、若い頃、きっと同じような好みやカルチャー、センスを共有してきた仲でもあるはず。
そんな想像を脚本から膨らませつつ、二人が再会する前のシーンから「青葉家のインテリア」と「知世が営む店や家」に美術上のいくつもの共通点をしのばせています。
映画のために書き下ろされた物語と一緒に、こんな北欧、暮らしの道具店作品ならではの色彩やセット、テーマカラーにもご注目いただけたらうれしいです。
このコラムを書きながら映画の公開が「ちょうどきっかり1ヶ月後に迫っているんだ」と改めてジリジリと実感が湧きはじめました。
制作サイドからついつい伝えたいことをいっぱい書いてしまいそうになるんですが、伝えるんじゃなくて、映画を観てくださった方に結果として「伝わる」ように。
そしてこのまま無事に劇場公開に至れるように。正直、祈るような気持ちでいます。
ぜひ公開初日。そして公開から近日中にたくさんの方に劇場に足を運んでもらえたらうれしいです。
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【写真】高木美祐
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