【今夜はオールナイト映画祭】第2話:映画を観て旅気分。おうちで楽しむロードムービー3作品

編集スタッフ 野村

映画を観るのが大好きです。時間があれば、1日に2つ、3つと観てしまうことも。

映画館はもちろん、サブスクリプションサービスやレンタルできる作品など、観られる映画の選択肢は数多くある分、いつも何を観ようか迷ってしまいます。

そこで今回は、映画をオールナイトで楽しむイベント上映会を行っている映画館・京都みなみ会館の吉田由利香(よしだ ゆりか)さんに、おうちで楽しめる「オールナイト映画祭」の作品を選んでもらいました。

2話目となる今回は、「ロードムービー」をテーマに3つの作品を選んでいただきました。

1話目はこちら

 


夜中にクスクス笑って観るのにぴったり
北欧のコメディ・ロードムービー

「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」(1989年 / 78分 / フィンランド・スウェーデン合作)

Story
メンバー全員が長く鋭いリーゼントにサングラス、それにとんがりブーツというスタイルがトレードマークのバンド「レニングラード・カウボーイズ」。シベリアの片田舎で活動し、成功を夢見ているが、彼らの音楽は全く受けず、ライブ会場はいつもガラガラ。ここでは芽が出ないと悟ったマネージャーは、メンバーを率いてアメリカへ向かう。

吉田さん:
「フィンランドを代表する監督アキ・カウリスマキのコメディ・ロードムービーです。せっかくなので、北欧にまつわる作品から観ていただけたらなと思って選びました。

とぼけた物語展開や演出で、夜中にくすくす笑いながら観るのにぴったりな映画です」

吉田さん:
「マネージャーの突拍子のない提案を鵜呑みにしちゃう、とっても純朴なバンドメンバーたちの姿や、アメリカに渡ってどんどんロックロールの影響を受けて演奏が変化していく様子がおかしくて。

道中にもいろんなとぼけた展開があるのですが、このシュールなおとぼけ感がこの映画の魅力で、カウリスマキ監督作品の入りにもおすすめな映画です。

ネット配信されていなくて、視聴方法はDVDを見つけてという形にはなりますが、レンタルショップに意外と置いてある作品なので、見つけられたらぜひ観てみてほしいです。

北欧の映画って、こうしたとぼけたコメディ要素がふんだんに盛り込まれたものがたくさんあるので他にも探してみるのも面白いかもしれません」

『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ / モーゼに会う』
販売元:アップリンク
現在、廃盤

 


空想的なストーリーと映像で旅気分
ウェス・アンダーソン監督の名作を

「ダージリン急行」(2007年 / 91分 / アメリカ)

Story
父の死がきっかけで疎遠になっていたホイットマン3兄弟。長男フランシスの呼びかけで、次男ピーター、三男ジャックの3人が揃い、インド横断の列車旅行に出る。しかし、そんな彼らには予想外の出来事が待ち受けていて……。

吉田さん:
「2本目には、ウェス・アンダーソン監督の名作『ダージリン急行』を選んでみました。

いろんなところで度々紹介される作品なので、観たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、やっぱり何度観ても名作です。私自身も初めて観たウェス・アンダーソン監督の映画は『ダージリン急行』で、本当に良い映画だなぁと感じられる作品です。

突飛なストーリーの中で、ギクシャクしていた3兄弟がだんだんと仲良くなっていく様子や、空想的なきらきらとしたインドの映像で、目も心も楽しませてくれる映画だと思います」

『ダージリン急行』
ブルーレイ発売中/デジタル配信中
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC.
発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン

 


14歳の少年二人が、ひと夏の旅に
きらきらして、甘酸っぱいロードムービー

「グッバイ、サマー」(2015年 / 104分 / フランス)

Story
14歳。子供でもない、大人でもない狭間の時期。女の子のような容姿だとクラスメイトから馬鹿にされ、多くの悩みを抱えている画家志望の少年、ダニエル。ダニエルのクラスに、目立ちたがり屋で変わり者の転校生テオがやってくる。周囲から浮いた存在同士、意気投合したダニエルとテオは、息苦しい毎日から脱出するため、ある計画を思いつく。それはスクラップを集めて、自分たちで作った「夢の車」で夏休みに旅に出ることだった。

吉田さん:
「『エターナル・サンシャイン』(2004年)で有名なミシェル・ゴンドリーが監督した映画です。

この作品は監督自身の自伝的な映画とも言われていて。14歳の少年たちのきらめきを、しっかりと写し取った作品なんです」

吉田さん:
「14歳の夏休みに、アイデンティティの揺らぎの中を生きる男の子2人が、自作の車で旅に出て、道中いろんなことがあって、一皮むけて帰ってくる。

ただそれだけの映画だけど、きらきらしてて、甘酸っぱくて、本当に最高のロードムービーなんですよね。

この作品を最後に観て朝を迎えられると、観終わった後、すごく爽やかな気持ちになれると思います」

『グッバイ、サマー』
DVD&Blu-ray好評発売中
価格:DVD 1,320円(税込)/ Blu-ray 1,980円(税込)
発売元:ハピネットファントム・スタジオ
販売元:ハピネット・メディアマーケティング
(C)PARTIZAN FILMS – STUDIOCANAL 2015

 

オールナイト上映後の朝が清々しいんです

▲リニューアルオープン以前の旧みなみ会館。この建物でたくさんのオールナイト上映が行われました

吉田さん:
「オールナイト上映会って、やっぱり眠くて、実は私もよく寝ちゃっていました。でも、3作品観終わった後の朝の清々しさがたまらなくて。なんだか、『私はこの夜を達成したぞー!』っていう感覚に包まれるというか(笑)

特に映画館で一緒に観たお客さんは、“みんなでこの夜を達成した”っていう仲間感が出るんですよね。その感じもお客さんに喜ばれていたんだと思いますし、そういうお客さんの姿を見るのも好きで」

吉田さん:
「今の時期は、残念ながらオールナイト上映が難しいので、落ち着いたらまた映画館でのオールナイト上映会を企画できたらと考えています。

映画館は、見知らぬ人たちと一緒に集まって、ひとつのスクリーンを見てワハハって笑ったり、涙したりすることができる、あたたかさを感じられる場所です。

みなみ会館もそんな場所として、ずっと愛される場にしていければと思っています」

***

2話にわたって、吉田さんに6つの映画をご紹介いただきました。

クスッと楽しい気持ちにさせてくれるものもあれば、心を打たれるようなメッセージが込められた作品もあって、オールナイトで観てみるのはもちろん、1作品ずつ観るのも良しな、バラエティ豊かなラインナップです。

夜ふかしがOKな夜には、ぜひおうちでオールナイト映画祭を楽しんでみてください。

(おわり)

【写真】京都みなみ会館(9〜10枚目)


もくじ

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吉田由利香(京都みなみ会館・館長)

京都市生まれ。高校時代、映画研究部に入部し、映画の世界に魅力を感じる。京都造形芸術大学の映像芸術コースに進学し、大学卒業後に京都みなみ会館に就職。2013年には入社2年にして館長に就任。オールナイト上映会など数々のイベント上映も手がけ、2019年には、老朽化を理由に一時休館していた同館をリニューアルオープンさせた。


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