【今日も明日もおしゃれ】第3話:アクセもメイクも香りも。50代の気分に合わせた選びかた
ライター 藤沢あかり
年齢や暮らし、環境。暮らしの変化を、おしゃれで楽しみに変えているイラストレーターの堀川波さんをたずねている連載です。
1話目では、髪色や体型の変化を楽しむおしゃれについて、2話目では、行動が変えたおしゃれについてのお話。今回は、50代を迎えたいまの気分に合わせた、アクセサリーやメイクなどの小物の選びかたについてお聞きしました。
1〜2話をよむ
小物をアップデートする小さなアイデア
黒に木やレザーの素材を合わせた組み合わせがいまの気分だという堀川さん。2話目で見せていただいたお気に入りの靴も、この色合わせでした。
堀川さん:
「このバッグは籐とファーの組み合わせが好きで10年くらい前に買ったもの。もとは茶色のレザーでしたが、たくさん使い込んで傷や色あせも気になってきたので、いまは黒に塗り替えて使っています。絵の具のように塗るだけなので簡単。レザー専用塗料は、ホームセンターに行くと種類も色もたくさん見つかりますよ」
ほどよくトレンドを取り入れたメイク
メイクは、定番のお気に入りとトレンドとをミックスさせながら、いろいろと新しいものを試しているそうです。普段使いのアイテムは、お手製の刺し子ポーチにまとめています。
堀川さん:
「ここ数年のベースメイクは、BBクリームのような薄づきの下地タイプばかりで、もうこの先、ファンデーションは塗らないだろうと思っていたんです。でも、はじめて流行のクッションファンデーションを使ってみたら、すごく良くてびっくり! 薄づきでツヤも出て、軽いつけ心地。試してみるものですね。いまは『NARS』のものを使っています」
カラーメイクは、チークとリップの両方に使えるもので赤みをさし、アイメイクは控えめに、というのが最近の気分なのだとか。
堀川さん:
「顔色がパッと華やぐので、チークと眉マスカラは欠かしません。以前は眉をブリーチしていましたが、美容師さんにマスカラを勧められ、このスタイルに落ち着きました」
気分が明るくなる赤は、指先にも。この日も、赤みブラウンのネイルが黒いワンピースに華を添えていました。
堀川さん:
「ネイルは大好きで、娘と兼用することも。赤いカラーが定番ですが、赤といっても、パキッとした赤、黄味がかった赤、深いボルドーのような赤……いろいろあります。試しながら、自分の肌に合う色を探すのがとても楽しいです」
パレットで混ぜ合わせて好みの色を作ったり、派手な色は爪の先端だけにちょんちょんと塗って楽しんだり。ネイルを画材のように、自由に楽しんでいるそうです。
時間を経て、再び戻ってきた香りの楽しみ
40代も半ばを過ぎたころから、おしゃれの仕上げに香りも取り入れるようになりました。
堀川さん:
「子育てでしばらく遠ざかっていましたが、子どもたちの成長とともに戻ってきました。ユニセックスな香りが好きですね。Dipyqueのオーデサンスは、遊びに来た娘の友達がいい香りで、『なに使ってるの?』って教えてもらいました。息子が香りを選んでプレゼントしてくれた、OSAJIのオードトワレも気に入っています」
自宅で仕事をする日も、シュッとひと吹きして気分転換しているそう。美しいガラスボトルが並ぶ様子も、なんだか気持ちが華やぎます。
堀川さん:
「でも、つけかたには要注意です。以前、車に乗る直前につけて、車内に充満して大慌てしたことがありました。それからは、お出かけの直前につけるのは控えています」
物語をまとうような、手仕事のアクセサリー
籐編みの作家としても、著書をもつ堀川さん。ハンドメイドのアクセサリーをつけるようになったのも、ここ数年の変化だと教えてくれました。
堀川さん:
「自分で編んだ籐素材のほか、真鍮素材もよく使います。バングルは、教室に通い自分で真鍮を切り出し叩いて仕上げました。ガラスリングは『SIRI SIRI』というブランドで、これも職人さんの手仕事です。手仕事のアクセサリーは、あまり流行に左右されないので長く使い続けられるのがいいですね」
▲フェルト地にビーズ刺繍をしたブレスレット。これも堀川さんの手作り。
堀川さん:
「昔ながらの手仕事は、編み目や刺繍の模様一つひとつに意味や思いが込められています。農家の人が冬になると、畑仕事の閑散期につくっていたような、生活のなかで生まれる手仕事にすごく惹かれるんです。値段の高い安いではなく、ストーリーがあるものを選べたらと思っています」
▲娘さんの成人記念にお揃いでオーダーしたリングは、名前にちなんだ「月」と堀川さんの「波」のモチーフをセットで。お守りのようにいつも身につけています。
47歳でスタートして見えた、新しい景色
イラストやエッセイの仕事をメインにしてきた堀川さんが、籐編みをはじめとした手工芸作家として本格的に活動をはじめたのは、とあるスクールがきっかけでした。
堀川さん:
「ずっと、ものづくりをする職人に憧れていました。あるとき、大好きなジュエリーブランドが若き職人を育てるスクールを始めることをSNSで知り、『47歳、若くないけれどいいですか?』と、問い合わせてみたんです。無事に通えることになり、そこでさまざまな職人の方たちに会いに行く機会をいただきました。そのひとりが籐編みの先生です」
気になったら、えいっと飛び込んでみる。それは靴ひとつ、ネイルひとつを選ぶことも同じです。堀川さんの軽やかさこそが、おしゃれも暮らしも、どんどん変わりながら楽しむ原動力になっているのかもしれません。
堀川さん:
「子育てが落ち着き、これからは自分で楽しいことを見つけたり、始めたりする時間です。オンラインショップも、子育てが落ち着いてから仲良くなった近所のお友達とはじめたんです。新しいことを始めるのはワクワクしますよね。
息子の反抗期や、更年期の体の変化。次々に新しい課題はやってきますが、それも楽しみながら、そのつど変化を楽しんでいけたらと思っています」
鏡を見たときの「あ、いいな」を大切に
ワンピースの袖から腕が見える分量も、髪色の微妙な変化も、ネイルの微妙な赤の違いも、きっと自分しかわからない気づきだと堀川さんは話していました。確かにそうかもしれません。
でも、「ふと鏡に映った自分を『あ、いいな』って思える、それが気分を上げてくれるんです」、とも。
おしゃれの話は、どこか難しいイメージがありました。着たい服を着ればいい、したい髪型をすればいい。それなのに、ついまわりの目が気になったり、勝手に年齢でくくって正解を探してしまったり。おしゃれを楽しむ前に、「おしゃれに見せたい」という、あらぬ自意識が邪魔をしていたのかもしれません。でも、大切なのは自分がどう感じるか。
今日からは「あ、いいな」に素直に耳をすませたら、もっと肩の力を抜いておしゃれを楽しめそうです。
【写真】滝沢育絵
もくじ
堀川波
1971年大阪生まれ。イラストレーター、手工芸作家。等身大の暮らしや気づきをイラストやエッセイで綴るかたわら、各地に郷土玩具や手仕事を伝える活動も。『48歳からの毎日を楽しくするおしゃれ』(エクスナレッジ)、『かわいい背守り刺繍』『籐で作るアクセサリーと小物』(ともに誠文堂新光社)など、著書も多数。Instagram:@horikawa._.nami
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