【開発秘話】大人にこそ着てほしい! 「引田かおりさんとつくったフリルカラーのワンピース」ができるまで
商品プランナー 斉木
こんにちは。商品プランナーの斉木です。
上を見れば葉桜に新緑、うつむけば可憐な野花が揺れ、まさに春爛漫。今日は、そんないまの季節にぴったりのワンピースが登場です。
当店の読みものや動画にも幾度となくご登場いただいている、「gallery fève(ギャラリー フェブ)」とパン屋「ダンディゾン」のオーナー・引田かおりさんと一緒につくったコラボアイテム。キュンとくる可愛さと、大人の上質さをぎゅっと詰めたフリルカラーのワンピースです。
今回は、昨年の7月に始まったこの企画が、どんなふうに今日を迎えたのかをすこしだけご紹介させてください。
引田さんと洋服をつくりたいと思ったワケ
さまざまな読み物で引田さんを見かけるたびに、なんてセンスのある方なんだろう……と思っていました。実は引田さんは私の母と同い年。人生の先輩であり、その審美眼にもスタイルのある暮らしぶりにも憧れています。
そして、そんな憧れの対象なのに、とてもチャーミングで、見ているこちらまで笑顔になるような方だなぁと感じていました。
私がそう感じていた要因のひとつに、引田さんの洋服選びがあるような気がするのです。明るい色の洋服や愛らしい小物を、いつも上品にまとわれている。
わたしもこんなふうに装いをたのしみたい。引田さんのように、まわりの空気まで朗らかにするようなワンピースを作ってみたいと思ったのです。
そんな想いをご本人にお伝えすると「ぜひ! 」とふたつ返事で引き受けてくださったのが、昨年の夏のことでした。
大人こそ、“可愛い洋服” のチカラを借りていい
さて、どんな洋服を作りましょう?と投げかけたとき、引田さんから真っ先に返ってきたのが「大人を可愛く見せるワンピースにしたい」という言葉でした。
引田さん:
「年齢を重ねるほどに、キュンとくる可愛いディテールのある洋服に惹かれるようになりました。
若い頃は甘すぎるかしらと思っていたフリルのついた服も、今の方がてらいなく、ちょうどいい塩梅で着られる。洋服の力を素直に借りられるようになりました。
可愛い!と思う服を着ていると元気が出るでしょう。そのいい空気は、それを見た人にもきっと伝わるような気がするんですよね」
今回のワンピースに入れた一番の “キュンポイント” は、首元のフリル。キリッとしたストライプ柄だからこそ、このフリルが映えます。とはいえ甘すぎないよう、生地を裁ち切り仕様にしたり、フリルの角度を最後まで調整したりと、細かなこだわりも。
もうひとつのキュンポイントが「身幅たっぷりのシルエット」。生地をぜいたくに使っているので、着る方の体型によってドレープが寄る位置が変わり、不思議と身長や体型を選ばずスッキリ見えるんです。
みんながひと目で恋に落ちた、上質な光沢とやさしいストライプ
今回の企画、最大の難関は「生地選び」でした。
引田さんがこだわったポイントは
・ひと目で「いい素材」と感じられる上質さ
・インナーの色をアレコレ気にせずまとえること
・アイロンいらずで着られること
この3拍子を揃えるために、100種類以上(!)の素材を集め、引田さん邸のダイニングを生産先の営業さん・デザイナーさん、パタンナーさん、私の5人で囲みます。素材のひとつひとつを電球に向けて透け感を確認したり、握ってシワになりやすいかチェックしたり……。
余談ですが、引田さんの “いいものをつくる” という情熱のブレなさを感じたのも、この場面でした。私がちょっとでも妥協しそうなそぶりを見せると、「それじゃいいものは作れないから」とキッパリと伝えてくださり、そのたびチーム全員が気持ちひとつに企画と向き合うことができたのです。
そんななか、その場に集った全員が「コレだ!!!」と満場一致で恋に落ちたのがトルコ産のストライプ生地です。
まるでシルクのような上質な光沢感と、洗いざらしで着られる細かなワッシャー加工(自然なシワ感が出ます)、自宅で気軽にお手入れできるセルロース・ポリエステル混という扱いやすさ。動くたびにこの生地がゆらゆら揺れたら、きっとすごく素敵になる……!と誰もが確信を持ったのです。
色展開をするかどうか最後まで悩んだのですが、最終的には一目惚れした「アイボリー」に絞りました。こんなところにも、引田さんの潔さが表れているなぁと思います。
おまけ:製作風景をすこしだけ
最後に、そんなワンピースの開発中の風景をすこしだけお届けします。
昨年の9月ごろ、本番の生地でサンプルを作る前に、「トワル」と呼ばれる仮生地でデザインを検討していたときの一コマ。丈をもうちょっと短くする? 身幅はこのくらいでいい? そんな現場での声をササッと反映してくださるパタンナーさん。
3月某日、商品ページ撮影の日。「このワンピースがふわりと風をはらむ瞬間を捉えたい!」という編集スタッフのリクエストを受け、どんなふうに動いてもらったらいいか自身で試着しながら考えてくださったカメラマンさん。
現場にはスタイリングの助っ人(と引田さんの笑顔を引き出す係!)として長女・舞さんも駆けつけてくださり、終始和気あいあいとした雰囲気で撮影しました。そんな朗らかな雰囲気が商品ページからも感じられると思います。
着ている自分も、そしてそれをみた周りも、自然に笑みがこぼれるような景色をつくれたらと願いを込めてつくったワンピース。
ぜひ、歩くたびに風をはらんでふわっと揺れる気持ちよさを、感じていただけたらうれしいです。
model:引田かおり
photo & movie:濱津和貴(8〜10枚目以外)
hair & makeup:成田祥子
撮影協力:4ひきのねこ
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