【特集|フィットする暮らしのつくり方】第3話:真面目だからこそ、“決めない” ことで暮らしにゆとりを。
編集スタッフ 二本柳
(聞き手・文:スタッフ二本柳、撮影:鈴木静華)
料理家・飛田和緒さんのご自宅を訪ねて、おいしい常備菜が生まれる暮らしの様子をお届けしています。
飛田さんは、ご自身のことを「自分の生活を見せつつ料理をしている」と話す料理家さん。
そんな飛田さんの暮らしって、どんなものなのでしょう。
第3話の本日は、自然豊かな神奈川県・葉山での生活についてお話を伺ってきました。
“決めない” ことで暮らしにゆとりを。
東京から葉山への引っ越し。
飛田さんのご自宅は、海と山に囲まれた気持ちのいい葉山の高台にあります。
取材に伺ったこの日は、太陽の光がさんさんと降り注ぐ穏やかな海景色。
飛田さんが10年ほど前に東京から葉山へ移り住んだ理由も、この海の風景が大好きだったからでした。
飛田さん:
「葉山での生活は東京にいた頃と180度変わって、4時、5時起床の完全朝型になりました。夜は真っ暗になってしまうから寝るしかないんですよね(笑)
でも夜型だったときって何だかダラダラしてしまって、結局効率は上がっていなかったんじゃないかなあと思うんです。葉山に来てから体調がとてもいいんですよ」
(立ち仕事が多いので、時々近所のヨガ教室へ)
もちろん普段の食卓に使う食材も、地元の直売所で購入します。
「でもね、都会のスーパーと違ってそこに並ぶものに約束事はないんです」と飛田さん。
前日に嵐が来れば、何も売ってないなんてこともあるのだとか。
限られたものの中で工夫する。
直売所に行ってみるまで何が売っているか分からないから、予め献立を決められない。
これって、料理家さんとしては少し面倒なことなのでは?と思ってしまいますが、「だからこそ、レシピを発展させられる」と飛田さんは話します。
飛田さん:
「 “そこにあるもの” と限られたなかで色々と料理を作ると、レシピが広がるような気がします。だから自分なりのレシピを増やしたいと思ったら、献立を決め込まない方がいいかもしれないですね」
(お手製のシロップや果実酒)
不便なりに工夫するからこそ、アイデアも可能性も広がってくる。
これはお料理に限らず、私たちの普段の生活にも共通することなのかもしれません。
何不自由ない東京生活から、近所にスーパーすら見かけない、現在の家に越してきた飛田さん。
「ここは何もないところがいいんです」と、限られたなかだからこそ工夫が生まれる今の生活を大満喫していました。
決めないから、イライラしない。
(飛田さんは猫好き)
海辺の街・葉山での生活は、飛田さんの性格にとてもフィットしているようです。
その1番の理由は “決まりがない” ということ。
時間の流れがどこかやわらかい葉山での暮らしでは、東京に住んでいた頃よりも「こうでなければ」という決め事がなくなったのだと言います。
「葉山に来てからは、あまり決まり事というものに縛られなくなりました」
こう話す飛田さんは、仕事と暮らしのオンオフにも明確な線を引きません。
「後から考えると、無心に草むしりをしていた時間や娘の送り迎えがオンオフの切り替えになっていたのかな?と思い返すこともあるけれど、最初から『こうしよう!』と習慣を決めたりってことは苦手なんです。
最初にルールを決めちゃうと、それをできていない自分が嫌になってストレスになってしまうんですよねえ」
そんな自分を「不真面目で… 」と笑う飛田さんですが、実は根っこの部分がとても真面目だからこその “ルールを決めない” という決断なのかもしれませんね。
真面目ゆえに、決めたことをできていない自分に罪悪感を覚えてしまう。
私にもちょっと身に覚えのあるような、この歯がゆさは、飛田さんの場合「決めない」という無理のない結論で、気持ちよく解消されていました。
飛田さん:
「葉山にすんなりと溶け込むことができたのは、この『決めない』ということが受け入れられる環境だったからかもしれません。
母親である私にとって心地のいい環境だから、子供ものびのびと育ってくれているような気がするんですよね」
飛田さんの無理がない気持ちのいい生活は、おいしいレシピと、愛娘の成長を支えるための大切な基盤となっているようです。
★飛田和緒さんの著書の一部はこちらです。 ↓↓↓
常備菜 飛田 和緒 主婦と生活社 2011-10-07
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主菜 飛田和緒 主婦と生活社 2013-05-31
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野菜のおかず 飛田 和緒 学研パブリッシング 2015-04-21
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ひだパン: 飛田和緒さんの「食パン」ごはん 飛田 和緒 東京書籍 2015-03-06
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