【おすすめの本】あの人はなぜ素敵なんだろう?おしゃれを人生から紐解く一冊。
編集スタッフ 津田
写真 小野田陽一
「おしゃれ」と「生き方」は切り離せないもの。
以前コンディションを整える日々の習慣や年末年始の旅のおしゃれにご登場いただいた、文筆家・編集者の小川奈緒さんが新刊を上梓されました。
『おしゃれと人生。』(筑摩書房)は、小川さんが50代から80代までの女性10名を、おしゃれを通して、考え方や生き方まで取材したルポルタージュです。
10名のなかには服飾デザイナーやモデルといったファッションを仕事にされている方もいれば、エッセイストや料理研究家などもいらっしゃいますが、いずれも小川さんご自身が「おしゃれだな、素敵だな」と思われ、「こんな大人を目指したい」と目標にしている方たちばかりだとか。
取材を通じてその魅力を紐解いていくなかで、「おしゃれ」と「生き方」は切っても切り離せない関係だと分かったそうです。
小川さん:
その人自身を表すような服を纏う、暮らし方や生き方が見えるおしゃれができる、そういう大人は素敵だなと思います。誰しもが自分を素敵に見せようとおしゃれに気を配りますが、あくまで服は「自分」を表すためのもの。おしゃれの話から「自身のあり方」の話に自然とつながっていく10名の姿から、読者の方々にも何かヒントを見つけてもらえればと思います。
30代のおしゃれに迷う私も、ぐっと読み込んだ一冊。
今年31歳になった私・津田は、20代のときに着ていた服が「いまの自分」に似合わなくなったと感じるように。毎日の洋服選びに「迷い」や「悩み」を感じ始めていたところだったので、気づきをもらえたらと本書を手に取りました。
そこで印象的だったのがこちらの3つ。
– 手強い服は自分の方へ引き寄せるために、一日か二日は着て昼寝をする(本書p.19-20より抜粋)
– 今日、家を出たら何が起こるか誰にも分からない。だから「心のお守り」として見えない部分で手を抜かない(本書p.46-47より抜粋)
– 自分に似合うものを頑張って見つける努力の先に、真のおしゃれがあると信じている(p.83より抜粋)
それぞれの方の「服との向き合い方」がとにかく新鮮で面白く、同時にこの価値観が生まれた背景にある人生の積み重ねにも思いを馳せてしまいました。
私が感じている「30代で何を着たらいいか分からない」という迷いも、ひょっとすると自分らしいおしゃれに辿り着くためのターニングポイントになるかもしれない。
すこし先を歩くおしゃれな大人たちの背中を追うなかで、今のモヤモヤがきっと未来につながるだろうと、小さな糸口を感じられる一冊でした。新たな気持ちで新年を迎えたい今の季節にオススメの本です。
本書にご登場される方:
平松洋子さん エッセイスト
吉谷桂子さん ガーデンデザイナー
ウー・ウェンさん 料理研究家
角野栄子さん 児童文学作家
有元葉子さん 料理研究家
ひびのこづえさん コスチューム・アーティスト
横尾光子さん 服飾デザイナー・カフェ店主
中島デコさん マクロビオティック料理研究家
若山嘉代子さん グラフィックデザイナー
我妻マリさん ファッションモデル
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