【ベランダライフ】前編:洗濯物を干すだけじゃ勿体ない?「隣の部屋」みたいなベランダ作り。
マンションのベランダに、IKEA(イケア)のウッドデッキを敷くプチDIYをしてみませんか?それまでは物干しをかけるためだけの場所だったはずが、テーブルを出して外ごはんをしたり、ハーブなどの菜園をする楽しみにつながるかもしれません。今回は、実際にウッドタイルやガーデニングをベランダで試している方のお家へお邪魔しました!
編集スタッフ 二本柳
写真 鈴木静華
今年こそ始めたい、快適ベランダライフ。
家の一部であって、家の中ではない。
もしかすると大袈裟な言い方になるかもしれませんが、ベランダは「家」という日常のなかにある、なにより身近な “非日常” の空間かもしれません。
広々したバルコニーで屋外の食事をしたり、庭付きの戸建てでガーデニングを楽しんだり。それと同じように、アパートやマンションの「ベランダ」にも、心地よい過ごし方を求めていいのではないだろうか?忙しない日々から逃れるための、癒しの空間として捉えてもいいのでは……?
私は生まれ育った郊外の田舎から、数年前に市街地のマンションへ越してきました。そこで一番ギャップを感じたのが、窓の外に見える景色だったんです。
田舎ではリビングの先にある緑の景色にふっと癒される瞬間があり、木にとまる鳥の鳴き声が聞こえ、それはちょっとした非日常の時間でした。その一方で、今見えるのは無機質なコンクリートのベランダ。
このベランダをどうにか生かして、窓の外をぼんやり眺めたくなるような素敵な空間を作れないだろうか。
そんな思いとともに、今回の特集をスタートしたいと思います。
「ベランダライフ」を楽しんでいる人を訪ねよう!
よし、我が家のベランダを今より心地よい場所にしよう。
そう思って辺りを見渡してみると、ベランダを上手に生かしている人は意外とたくさんいらっしゃるではありませんか。
そのなかでも「ウッドタイル」を敷き詰めたり「家庭菜園」を楽しんだりと、私にも手の届きそうな憧れのベランダライフを実現している方を発見しました。
3歳半になる息子さんを育てながら、ご自宅や神楽坂で料理教室Cocochiを主宰する河井 美歩(かわい みほ)さんです。
今回の特集ではこちらのご自宅にお邪魔して、河井さん流・ベランダの楽しみ方をお聞きすることにしました。
前編と後編に分けて、河井さんがどのようにこのスペースを活用しているのか?また、快適な空間はどのように作れるのか?といったことをお届けします。
ベランダライフ
(前編)
庭を持つのは難しくても・・・。
徳島県出身の河井さんが関東で暮らし始めたのは約10年前。現在の茨城県つくば市のマンションに越してきたのはつい1年前のことです。
河井さん:
「私自身、田舎暮らしが長かったため『家を持つなら戸建て・庭付き』という意識がどこかにあったんですね。でも実際に越して来たのはマンションで、外の景色にちょっぴり寂しさも感じていました。
だからせめてベランダをもっと明るくしたいな……と思って、ホームセンターに行ったのが始まりです」
「でも正直に言うと、いざ整えようと思うと最初はちょっと面倒くさいですし、お金も少しかかります。だから今週末は!と思い切って、いっぺんに作ってしまうことをオススメします。
ベースさえ出来てしまえば、本当に快適な空間になりますよ」
ベランダは「隣の部屋」みたいな存在。
お子さんを保育園へ送り迎えし、家事を済ませる一方で料理教室を主宰。その日々は休む間もないほどバタバタと忙しいそうです。
そんな河井さんが唯一「自分のための時間」と感じられるのが、ベランダで過ごす朝のひととき。
河井さん:
「ここに越して来てから朝型生活なんです。毎朝5:00に起きて、子供や夫が起きてくるまでの2時間がとっても大切。デスクワークやお弁当の支度などを終えた後、ベランダで珈琲を飲みながらホッと一息つく瞬間は平和で幸せなひとときです」
「ここから街を眺めていると『ああ、これがまさしく関東平野だな…』って、しみじみ感動しちゃうんですよね。それまでは長いこと徳島と京都、山に囲まれて生活していたから、今でも山のない景色が新鮮で。
そう考えてみると、私にとってベランダはリビングの先にある『隣の部屋』みたいな感覚なのかもしれません。
だから洗濯物を干す以外にもふとした瞬間に出たり入ったり。ドアを開けて部屋に入る、ということと、窓を開けてベランダに出る、ということが同じ行為なんです」
ベランダでは20種類以上のハーブや野菜を収穫。
料理家でもある河井さんは、ベランダで家庭菜園も楽しんでいます。現在育てるハーブや野菜は20種類以上とのこと。
ホームセンターで購入したプランターや種を植えて、気軽に家庭菜園をたのしんでいるようです。
河井さん:
「特にハーブは、野菜と違って『ほんの少しだけあったら嬉しい』という場面が多いですよね。とはいえスーパーにはあまり種類も置いていないし、一袋買っても余らせてしまいがち。なのでベランダ栽培にぴったりです。
しかもハーブはとても強いので、本当に育てやすい。私は10種類以上をベランダに常備していて、料理やシロップ作りなど毎日のように使っていますよ」
パセリやミントは付け合わせ用のソースに。ローズマリーをのせて焼き上げたフォカッチャは香りが良く、絶品。
よく育つミントは贅沢に収穫して、砂糖水と一緒に煮た自家製ミントシロップに。タイムは炎症をおさえる効能があるため、蜂蜜に漬け込んでおくと冬場の喉のケアにもなるそう。
アボカドのディップもディルを添えるだけで、華やかな味わいに。
ベランダでの家庭菜園は、「子供が日常的に土いじりをする機会にもなっていて、そこも良い」と河井さん。
自分で水をあげたり収穫したものを食卓に運んで食べるという体験。それは、子供たちにとっても、もちろん私たち大人にとってもかけがえのないことですよね。
そんな体験は、なにも畑を持たなくとも、ベランダを活用すれば身近にできることなのでした。
庭のある暮らしに憧れて、ベランダを心地の良い空間にした河井さん。
「隣の部屋みたいな感覚」と語る河井さんにとって、ベランダを整えることは部屋をひとつ増やすようなもの。そして、そこで関東平野の景色を眺めながらホッと一息つく習慣は、忙しない毎日にちょっとした “非日常” の時間をもたらしているようでした。
つづく後編では、より具体的なベランダの活用法として、IKEAのウッドタイルを使ったプチDIYや外ごはんの楽しみ方などをお聞きします。
(つづく)
もくじ
河井美歩(料理家)
徳島生まれ。大学卒業後は大手料理教室で10年間勤務の後、2009年から茨城県つくば市と東京・神楽坂で自然食教室Cocochiを主宰。「レシピ検索では見つけられないような料理」、そして「ヘルシーで身体に優しいけれど、家族も喜ぶような料理」を基本としたレシピを日々考案している。
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