【きげんのいい人】後編:今日も気分よくいたいから。凛とした気持ちをつくるものを持ち歩いてます。

【きげんのいい人】後編:今日も気分よくいたいから。凛とした気持ちをつくるものを持ち歩いてます。

ライター 長谷川未緒

新しいことが始まる4月は、楽しみなことが多いいっぽうで、ちょっとした揺らぎも感じやすい季節。そんなときは、自分で自分の機嫌を取って、元気に過ごしたいものです。

そこで、アパレルブランド「JöICEADDED(ジョイスアディッド)」の運営・デザイナーを務める郡司杏(ぐんじ・あん)さんの仕事場を訪ね、ご機嫌をつくるアイテムを拝見しています。

前編では、家の中や仕事場で良い気分を保つのに役立っているものをお聞きしました。後編では、出かけるときにエネルギーをもらえるお気に入りのものを伺います。


自分には自分が見えないからこそ

いつも笑顔で機嫌が良さそうな郡司さんでも、ときには気分の波に飲みこまれることもあるそう。そんなときは、モノの力も借りて、気持ちを立て直しています。

郡司さん:
「家でも外でも、自分の好きなものを使うことが、気分を上げるのに役立っています。

外で使うものは、身だしなみを整えるものが多いかもしれません。仕事の用事やプライベートのおでかけはもちろん、家と仕事場を往復するだけの時間も、きちんとするように心がけているんです。

自分のことは自分で見えないので、鏡や窓ガラスに映ったときなどに、『こんな顔していたんだ』と驚くこともあって。装うことを楽しみながら、自分が好きな自分でいたいと思っています」

おでかけ時のお気に入りを5つ、教えてもらいました。


凛とした雰囲気を作るジュエリー

郡司さん:
「家を出る時には、ピアス、ネックレス、リングは必ずつけます。

すごく疲れた顔をしているときも、つやっとしたピアスやネックレスがあれば、大丈夫な感じがするんです。リングは自分にも見えるので、パワーをもらえますよね。

若い頃はゴールドも好きでしたが、最近はシルバーが気分。プリミティブな印象がありつつ、シャープさもプラスされたものが好きです」

▲黒紐のネックレスは〈JöICEADDED(ジョイスアディッド)〉、太いシルバーのリングと奥の大きなシルバーピアスが〈neutral(ニュートラル)〉。ほかはインディアンジュエリーなど。

つけるジュエリーは、スタメンはあるけれど、毎日少しずつ変えているそう。オブジェのようなフォルムが魅力的な〈neutral(ニュートラル)〉がお気に入り。


気合いを入れるリップとバーム

化粧が崩れたり、ヘアが乱れたりしたときに、さっと立て直す必需品。

郡司さん:
「リップは明るい赤ではなく、ブラウンを感じる落ち着いた赤が好きです。強い自分でいられる気がするんです。いちばんよく使っているのは〈uneven(アニヴェン)〉で、薄づきですが、重ね塗りするとしっかり発色し、潤いもあります。

髪型はずっとショートヘアで、出先で乱れてきたらバームでばちっと整えます。〈amritara(アムリターラ)〉はスキン用ですが、ポーチに入れておき、髪や乾燥した手先にも塗っています」


身軽に出かけられる
ルメールのMINI CROISSANT KEYRING

フランスのブランド〈LEMAIRE(ルメール)〉の定番商品「クロワッサン」と同デザインのキーリングは、ミニバッグ代わりに使っているそう。

郡司さん:
「バッグの中でリップなどの小物が見つけられずに、イラっとしたり慌てたりすることが多かったんです。気に入るデザインのポーチがあったらほしいな、とずっと思っていたときに、ようやく見つけました。

リップのほかにちいさい櫛と、小銭もじゃらじゃら入れています(笑)。子どもが生まれてから、小銭ってこんなに使うんだ、と。

子どもを連れて出かけるときは、子どもの荷物が多すぎるので、自分の荷物はどんどん減らして、最終的にはこれと携帯だけ、ということもありますね。キーリングですがミニバッグのように使っていて、これを手に入れてから、とても気が楽になりました」


瞬間を切り取るためのトイカメラ

高校生の頃からカメラが好きで、使い切りフィルムカメラの「写ルンです」でよく遊んだそう。

大人になってからも、おもちゃのような小型カメラをよく使っています。

郡司さん:
「ふとした瞬間に気になったものをよく撮っています。ビルの端っことか、ペンキのはげたドアとか、ハッとするんですよね。

落ち込んでいても、うつくしいものに気づくきっかけになりますし、自分はいまこういうものに興味があるんだな、とバロメータ的な役割も。

フィルムカメラは現像したあと見返すのもたのしいですし、シーズンコレクションのイメージコラージュに使うこともあります」


心に寄り添うコーディネート

徒歩圏内にある家と仕事場の往復しかしない日でも、部屋着のような格好ではなく、装いにはひと工夫。なるべく毎日違うコーディネートをするようにしているそう。

郡司さん:
「ファッションが好きでこういう仕事をしていますし、装うことでモチベーションが上がるタイプなので、大事にしています。

自分のブランドのほか、古着や知り合いが作る服も着ますよ。

コーディネートは、その日の気分と気候で決めています。今日は雨だから明るい色を着ようとか、今日ちょっと疲れているから、肌に負担のない素材のものを着ようとか。

すごく落ち込んでいるから気分を上げようという日もあれば、無理に上げようとしないで、自分のトーンのままの服の色を選び、ダークトーンでちょっと落ち着かせようとか、心に寄り添っています」

好きな服を着て、行きたい場所へ

外へ出るときの郡司さんは、凛とした雰囲気や強さを大事にしているご様子。

郡司さん:
「強くいたいんですね。毎日が自分との戦いですから(笑)。

カジュアルな服を着て、いつでもどこにでも行ける自分が好き。ジュエリーやリップの力も借りながら、いつまでもそういう自分でいられたらいいな、と思っています」

良い日も、そうでない日も、モノの力を借りてご機嫌に。

揺らぐ気持ちに寄りそいながら、がんばりすぎずに好きな自分でいることが、毎日を健やかに過ごすヒントのようです。

(おわり)


【写真】メグミ


もくじ

郡司 杏

2011年にスタイルデパートメントにて「PULETTE」を立ち上げ、2018年に活動を休止。2021年に独立し、自身の会社にて「JöICEADDED(ジョイスアディッド)」を設立。

Instagram:@gunjian, @joiceadded

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