不便は便利?
健やかな暮らしの根っこにあるもの。
私たちが大好きな「あの人」のいまの生き方に迫る、ドキュメンタリー番組『うんともすんとも日和』、第59弾をお届けします。
今回は、荒物問屋「松野屋」を営む、松野弘(ひろし)さんときぬ子さん夫妻にご登場いただきました!
栃木のほうき、トタンの米びつ、竹のかご……。日本や世界各地の作り手を自らの足で訪ね、「ベストでもベターでもない『ナイス』なもの」を探し続けてきたお二人。
そんな松野さん夫妻がそれぞれがノートに書いた「ちゃっちゃと動く」「飽きない商い」という言葉の意味とは。



当店でも人気の松野屋の「ほうき」。
しかし、扱い始めた当時は「掃除機の時代に、なぜ今さら?」と驚かれることの方が多かったといいます。
弘さん:
「夜遅く帰ってきても、ほうきなら音を気にせずチャチャっと掃ける。不便だと思い込んでいたほうきが、実は今のライフスタイルには便利だったんです。
世の中は便利を売っているけれど、うちは不便さを売っているなって」
誰もやっていないことを、小さく面白がって。 忘れ去られた石を拾い上げ、池にポンと投げて波紋を広げていく。
そんな遊び心こそが、松野屋に流れている豊かで明るい空気を作っているのだなと感じました。

一方、きぬ子さんは結婚当初、問屋街の暮らしに少し驚いたといいます。
牛乳屋の実家で、夜明け前から慌ただしく働く両親を見て育ったきぬ子さんにとって、松野家の「朝起きて神棚を拝み、皆で揃って朝食を食べる」という規則正しいサイクルは、新鮮だったといいます。
きぬ子さん:
「根っこにある日々の暮らしが一番重要で、その上に仕事がある。義母のその考え方が、今の松野屋の商品ラインナップのベースにもなっている気がするんです」
介護やコロナ禍など、自分たちの努力だけではどうにもならない不安に飲み込まれそうになったとき、きぬ子さんがたびたび思い出したのは、生前の義母がよく口にしていた「まあ、お茶でも飲みましょう」という言葉でした。


きぬ子さん:
「どんな時でも、日常に引きずり込まれない強さが大事だなって思うんです。『何があってもお腹はすくでしょう?』って」
突っ走ってしまいそうな時こそ、淡々とお茶を飲む。そんな時間を大切にする松野さん夫婦の一日に密着しました。ぜひ本編でご覧ください。

オリジナルドキュメンタリー、いかがでしたか?
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松野きぬ子・弘
東京の下町で、昔ながらの味わいのある日用品を扱う「暮らしの道具 松野屋」を営んでいる。弘さんはブルーグラスのミュージシャン、きぬ子さんは手芸作家としても活躍中。著書に『あらもの図鑑』(新潮社)、 『松野家の荒物生活』(小学館)など。www.matsunoya.jp
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