編集スタッフ　青木

子どもの頃に読んだ本のこと、覚えていますか？

タイトルを聞いただけでも、その頃の情景が浮かび、懐かしい気持がブワッと溢れてしまう。そんな本がだれにも一冊はあるのではないでしょうか。

この特集では、当店のスタッフが子供の頃に読んでた懐かしい本と、それにまつわるエピソードをご紹介していきます。

連載第1話に登場するのは「印象的な食べ物が出てくる本」。

綴られているのはスタッフそれぞれのエピソードですが、みなさんのエピソードと重なる部分もあるかもしれません。

 

01. 編集スタッフ田中

『こまったさんのハンバーグ』

スタッフ田中：
「出会いは小学校の低学年だったと思います。学校の図書室で見つけました。図書室のこまったさんが並ぶ棚へ一直線に走っていく自分の姿を、今でもはっきりと思い出せます。当時とても流行っていて、クラスの女の子みんなが大好きなシリーズでした。

印象に残っていたのが、メニュー名を『ステーキ・バラ・カーチューですよ』と言っているシーン。

『カーチューって何？』と疑問に思ったんですが、その時はすぐに忘れて次のページをめくっていました。

今回久しぶりに読み返してみて『カーチュー』の意味がわかり、スッキリ！小さな頃、不思議に感じたことって覚えているものなんですね。

なぜ、ステーキ・バラ・カーチューなのかについては、ぜひ読んでみてくださいね。

それにしても、読んだ後は無性にハンバーグが食べたくなってしまい、こまったこまった。（こまったさんの口ぐせもうつっちゃうんですよね〜。口ぐせ、流行りませんでしたか？）」

 

02. 編集スタッフ岡本

『ぐりとぐら』

岡本：
「学校の図書館でこの本を手に取ったのは、小学2年生ころだったでしょうか。読む前からなぜか『この絵知ってるぞ。でもどんな話だったっけ？』と思いながら表紙をめくっていた気がします。

ときおり出てくる『ぐり　ぐら　ぐり　ぐら』というフレーズがリズミカルに頭の中をめぐって、どんどんと読み進めました。

2ページにまたがって大きく描かれた卵が出てくる場面では、ここからどんな話になるんだろうとワクワクしたのを覚えています。

フライパンから溢れそうなほどにふくらんだ黄色いカステラについては言わずもがな、でしょうか。

とってもおいしそうに見えたのは、ぐりとぐらだけでなく、たくさんの動物が一緒に仲良く食べていたからなのかもしれません。素直に『食べたい……』と思いました。

でも、母に『カステラ食べたい！』と伝えて出てきたのは、四角いシルエットのカステラ。絵本とちがうビジュアルに納得がいかず、困らせた思い出があります。あのカステラは大人になった今でも憧れです。

ずっと大好きなこの本。ぐりとぐらのカステラを再現したメニューがあるカフェへ行ったり、展示会を見に行ったり、時を経た今も、私の心を和ませてくれています」

 

03. 編集スタッフ寿山

『はれときどきぶた』

寿山：
「小学１年生か２年生の頃、図書室で本を読む授業ってありませんでしたか？そのとき手に取ったような記憶があります。

当時の私は主人公と同じく一生けんめい絵日記をつけていたので、母親に日記を盗み見られた少年が怒ったり、仕返ししようとする様子を見て『ああ、その気持ちわかるな〜』と共感しながら読んでいました。

はじめて読んだときは、話に出てくる ”えんぴつの天ぷら” がどんな味なのか、それにブタが降ってくるって、どんな音？どんな匂い？どんな風景？と子どもなりに、イマジネーションを膨らませて、妄想を楽しんだ気がします。

大人になったいま改めて読んでみて心に響いたのは、『日記は人に見せるものじゃない』というフレーズ。

たとえ母親であれ、子どもの日記を見てはいけないという考えに、少しドキッとしました。『子どもの気持ちは子どものもの。子どもの人生も子どものもの』そう言われているようで……じつは真面目な本だったのかな？

あの頃とは読み味がかわっていたのもおもしろかったです」

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懐かしい本と一緒に思い出すのは、その時の自分のことや、教室の空気、日々の小さなエピソード。

細かい内容は忘れていても、フライパンいっぱいにふくらんだ黄色いカステラや、読んだだけでも口の中がパサパサしてくるえんぴつの天ぷらのことは、はっきりと覚えていました。

懐かしさこみ上げてくる本はまだまだありましたが、今日のところは3冊まで。

来週もどうぞおたのしみに〜。

 （つづく）

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もくじ

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