私たちの常連店。

2017年1月12日(木)

【私たちの常連店】第1話:バーなんて、遠い存在だと思っていた20代の頃

編集スタッフ 寿山 編集スタッフ 寿山

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「バーってどんなところだろう?」とワクワクする気持ちと「絶対入る勇気なんてない」と尻込みする気持ちのはざまで、行ったり来たりしていた20代。

ありったけの度胸をたずさえて、重いバーの扉を開けたのはいつのことだったか。社会人になる前後の、恥ずかしいくらい背伸びしていた頃のように記憶しています。

シリーズ「私たちの常連店」では、クラシコムのスタッフがついつい足を運んでしまうお気に入りの店にフォーカス。

第4弾はこれまでと少し趣を変えて、新宿東口のアルタ裏にある老舗バー「イーグル」の魅力に迫ります。

 

「あのとき、扉を開けて本当に良かった」と思える店はありますか?

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生まれ育った九州から上京したばかりの頃、はじめのうちは驚くことばかり。見たことのない高さの建物、食べたことのない料理、経験したことのない人波……。

誰かに話かけられるたびに立ち止まっていた私は、東京の街を100m歩くのに、ずいぶんと時間がかかっていました(笑)

都内で何度か引越しを重ねるなか、ターミナルはいつも「新宿駅」。迷子になる街だと思っていたのに、いつしか愛着が芽生え、今では郷愁さえ感じてしまうから不思議なものです。

そんな新宿で、個人的にもう10年以上通っているのが今回ご紹介するバー「イーグル」。数少ない常連店のひとつです。

 

分け隔てなく、誰もが気軽にお酒を楽しめる場所

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イーグルが開店したのは昭和41年の冬のこと。今年で創業51周年を迎える老舗です。

看板メニューは日本や世界各国のウイスキーと、旬の果物を贅沢に使ったフルーツカクテル。1杯250円〜と誰もが気軽にお酒を楽しめる店でもあります。

バーではめずらしく、コース料理を食べられるのも特徴のひとつ。専属のシェフが腕を奮う料理は、本格的でどれも美味。そのうえリーズナブルで、テーブルチャージもありません。

20代前半の頃の私でも、たまにであれば通えた懐の深さも大きな魅力と感じています。

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友人や家族との想い出がつまった、大切な場所

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社会人になって、初めて母とお酒を飲む機会ができたときに訪れたのもこの店。

カクテルなんて全然わからなくて、九州弁であれこれ相談していたら、バーテンダーが優しくざくろのカクテルを勧めてくれました。その一杯の美味しかったこと!

会話が弾んでいるときはそっとしておいてくれて、お酒や料理がなくなった頃合いにすっとメニューを届けてくれる。

故郷では経験したことのないサービスに、母も私もすっかり心を打たれてしまいました。

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その後も、恋人のいないクリスマスに女友達と励まし合うように乾杯したり、親友から結婚の報告を受けて涙したり、記念すべき義妹の30歳の誕生日を祝ったり。

いつの間にか、私の人生と切っても切り離せない、とても大切な場所になっていました。

新宿にはたくさんお店があるけれど、気が付けばイーグルへと続く階段を降りている自分がいます。

 

 “おひとりさま” でも楽しめる、心地よい空間

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30代になると、ひとりでカウンターにも座れるようになりました。

好きなお酒を楽しみながら、もっぱら本を読むことが多いのですが、ときには隣のお客さんと意気投合して会話が弾みます。

“おひとりさま” って、ちょっと大人の仲間入りができた気分になるものですが、夫には心配されることも。

そんな夫も、イーグルなら大丈夫と安心して送り出してくれます。

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「イーグルなら大丈夫」と思えるのは、どうしてだろう?

確かに、これまで誰を連れて行こうと、ひとりで訪れようと、一度として嫌な気持ちになったことがありません。

この居心地のよさに、どんな秘密がひそんでいるのか知るために、「イーグル」最高顧問の市原弘志さんにお話を伺いました。

 

「 “また来たい” と思って頂ける店でありたい、ただそれだけです」

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現在「イーグル」の最高顧問を務める市原さんは、ご自身も第一線で活躍されていたバーテンダー。

銀座のオーセンティックバーで経験を積んだあと、縁あって開店して間もないイーグルで働くことに。それから50年もの間、店の核心を守り続けてきました。

市原さん:
「このビルが建つ前、ここには茅葺きの古民家が建っていました。社員の住まいに風呂はなく、開店前の掃除を済ませてから皆で銭湯へ行って汗を流し、店に戻ってまかないを食べる。そんな時代でした」

オーナーはもともと料理人で、その父親は一流ホテルで長年コックを務めていたそう。彼がホテルで体得したマナーやサービス、精神論を、市原さんはじめ社員にみっちり教え込んでくれたといいます。

その半数以上が、いまだ現役でバーに立っているのだとか。では当時の教えを、どう店づくりに生かしてこられたのでしょう?

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市原さん:
「新しくスタッフが入ると、まずは『愛する家族や友人だと思って、お客さまに接しなさい』と教えています。

具体的にどういうことかというと、お客さまをよく見て、気持ちを察して、本当に望んでいることは何か、必死に考えるということでしょうか。

それが出来ていれば本気で褒めるし、そうでなければ本気で叱ります」

空腹なのか満腹なのか、お酒に強いのか弱いのか、一体どんなペースが心地よいと感じるのか、気付かれないように見守っているのだそう(その観察力たるや、まるで実験でもしている科学者のようです)

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市原さん:
「お客さまに心から喜んでいただいて、また来たいと思ってもらえたら。ただそれだけです」

なぜここに10年以上通い続けたのか、自分でも意識していなかった理由が、少しずつ見えてきた気がします。

このあたりでちょっとひと休み。続きは後編で。次回は私が心惹かれるイーグルの魅力を、より具体的に紐解いていきます。

 (つづく)

サントリーラウンジ「イーグル」
アクセス:JRまたは地下鉄丸の内線新宿駅東口から徒歩2分。
住所:東京都新宿区新宿3-24-11 セキネビルB1F、B2F
定休日:年中無休
営業時間:月~土 17:30~翌0:40、日・祝 17:30~翌0:00

【写真】キッチンミノル(2枚目のみ、クラシコム撮影)


▽過去にご紹介した「私たちの常連店」はこちらから

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