【スタッフコラム】「私にはわからない」をやめるのは今?

お客様係 中川

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10年越しに気づく、祖父の想い

先日、荷物を整理していた時に大学入学の時に祖父からプレゼントされた万年筆とボールペンがでてきました。

当時はまだ10代で、筆記用具はしばしば教室に忘れてしまうようなそそっかしい学生。

そんな私には100円ほどで買える文房具の方が身の丈に合っていて、祖父からの贈り物は私にはまだ早い高尚なものに感じていました。

そして「いつかちゃんと使える時が来たら使おう」と仕舞い込んでしまっていたのです。

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10年近く経ち、当時より大人になってもう一度手にとって見てみると、それはとても魅力的で実用的で、「なぜ今まで使わなかったんだろう?」と不思議に思うほどうれしい贈り物でした。

身の回りのものにいつもこだわりを持っていた祖父は、私にもいつかちゃんとした文房具を使える大人になってほしいという願いを込めて贈ってくれたのかもしれません。

10年越しにやっと祖父の想いを受け止められた気がしています。

「自分にはわからない」は思い込み?

万年筆と同じように、最近新たに魅力に気づいたものが他にもあります。

それは歌舞伎などの舞台や公演を観劇すること。

これまでは父や母に誘われても、「二人で行ってきて~!」と送り出すことばかり。これまた、「私には良さが分からないだろう」と思い込んでいたのです。

ですが先日「一回行ってみたら?音声ガイドを借りることもできるし、きっと楽しめるよ!」と母がチケットを取ってくれました。

せっかくなら行ってみよう!と国立劇場へ向かったのですが、4時間以上の上演時間、ちゃんと物語を理解しながら楽しめるのだろうか?という不安がやっぱりありました。

でも、母に勧められた音声ガイドを借りたのが大正解。

片耳にイヤホンをつけながら観劇でき、難しい言い回しや複雑な展開を解説してもらえます。場面ごとに手に汗を握ったり涙が出たり、すっかりその世界に入りこみあっという間に終演でした。

「私には分からない」と、無意識のうちに壁をつくっている物事って、実は結構あるのかもしれません。

でも時がたてば、見え方や感じ方は変わってくるということを、久しぶりに手に取った万年筆やはじめて観劇した歌舞伎から教えてもらったような気がします。

私にとって今まで気づかなった、気づこうとしてこなかった物事のよさを再発見する時期なのかもしれません。


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