【インテリア特集】第2話:オープン棚&キャビネットで、わくわくのキッチン空間を。
ライター 嶌陽子
うつわから鍋、調味料まで。お気に入りは “見せる収納” に。
インテリア連載vol.14は、料理研究家、口尾麻美さんのお宅にお邪魔しています。
旅好きの口尾さんが、世界各地で集めたアイテムが彩る空間。
自らデザインしたキッチンを紹介した第1話に続き、第2話にもたくさんのうつわや道具を収納するキッチン棚やキャビネットが登場。
そして数あるアイテムの中から、特に気に入っているという個性的な道具や器を紹介していきます。
※登場するアイテムは、全て私物です。過去に購入したものを紹介しているので、現在手に入らないものもございます。どうぞご理解、ご了承いただけると幸いです。
第2話
個性派アイテムを引き立てる、
オープン棚とキャビネット
大胆に取り入れたのは、シックなダークグレー
大きなワンルームの中央あたりにある梁 (はり)。構造上、どうしても取れなかったという部分です。落ち着いたダークグレー色に塗られていました。
口尾さん:
「これは専門業者に好みの色を伝え、調色してもらったペンキを夫と2人で塗ったんです」
たてかけてある黒いオープンシェルフは、「フライングタイガー」で購入。こちらもシックな雰囲気です。
▲オープンシェルルには小さなグラスやカップを収納。
口尾さんのキッチンに並ぶアイテムは、彩りも賑やかな個性派アイテムばかり。それでも落ち着いた雰囲気が漂うのは、こうした黒やグレーが効果的に使われているからかもしれません。
ガチャ柱のオープン棚には、とっておきの道具を。
梁のまわりにも、キッチンスペースが続いていました。
冷蔵庫やトースターなどの横、部屋の隅にあったのが、ガチャ柱を壁につけ、板を渡したオープン棚。
入居して数年経ってから、工務店に依頼して作ってもらったそう。ここも、ひとつひとつのアイテムをじっくり眺めたくなるような、ギャラリーのようなスペースです。
口尾さん:
「ここには、1枚だけしか持っていないうつわを重ねて置いたり、旅先で見つけた道具を置いたり。“見せる収納”を特に意識しています」
鍋類の段、小さめのボウルの段、調味料の段、大きめのプレートの段といったように、形や素材、大きさでざっくりと分けているため、全体がバランスよく、とてもきれいに見えます。
▲世界各地で見つけてきた調味料や食材。パッケージがかわいいものをあえて飾って。
▲一番上の段は鍋類。2段式のものは、モロッコのクスクス用蒸し器。
食事をしに来る友人や、毎月開かれる料理教室の参加者など、来客の多い口尾さんの家。
皆、旅のエッセンスが詰まった口尾さんの料理だけでなく、この異国情緒あふれる空間をまるごと楽しんでいるのではないでしょうか。
料理は、ただ食べるための作業でなく、文化そのもの。口尾さんが1点ずつ自分の目で見つけてきて、大切にしている各国の道具を見ていると、そんなことがあらためて胸に浮かんできました。
旅先で集めた、お気に入りのうつわと道具
それにしても、口尾さんのキッチンを見ていると、「これは何ですか?」「これはどこのものですか?」と聞きたくなるものばかり。
旅先で面白い調理道具やうつわを見つけると、使うか使わないかは関係なく、つい買ってしまうといいます。
そこで、コツコツと集めてきた世界中のアイテムのうち、特に気に入っているというものを一部見せてもらいました。
リトアニアの陶器のうつわ
口尾さんが好きで、度々訪れている東欧・リトアニアのうつわ。伝統的な形や模様をモチーフに作られた現代のものだそうです。
口尾さん:
「もともと、土器みたいなうつわが好きなんです。描かれている模様は、植物などを表していて、それぞれに意味があるんだそうですよ」
ガラス製のティーセット
ダイニングテーブルの上に置かれていたお茶セット。トレーやミントティーグラスはモロッコ製。
魚の形をしたプレートはポルトガルのもの。ふだんはお菓子などをのせて使っているそうです。
南仏ブランド「Atelier 16-27」のうつわ
口尾さんが好きで少しずつ集めている、「Atelier 16-27」のハンドメイド食器。カラフルな色は重ねるだけで絵になります。
口尾さん:
「日本のお店で買ったこともありますし、フランスのマルセイユのお店で見つけて買ったことも。取り皿にしたり、ボウルにはお味噌汁を入れたりと、ふだん使いしています。」
世界各地で集めたクマのハチミツ容器
オープン棚に大小さまざまなクマのハチミツ入れが並んでいます。
口尾さん:
「クマ好きで、旅先で見つけるとつい買ってきてしまうんです。ハチミツを使い終わった後は、雑穀やスパイスを入れています」
中国とベトナムの土鍋
左が中国、右はベトナムのもの。小ぶりなので、夫婦2人暮らしの口尾さんは重宝しています。
口尾さん:
「2人分のお味噌汁やスープを作るのにちょうどいいサイズ。土鍋だと、ほっこりしておいしい気がするんですよね」
様々な土地から、縁あって口尾さんの家に連れてこられた道具やうつわ。
どれもが個性的なのに、口尾さんというひとりの人間の目を通して選んだものだからか、どこか統一感があるのが印象的でした。
2話にわたってたっぷりとお届けした口尾さんのキッチン。
次回は、素材や色使いが落ち着ける、ダイニングとリビングをお届けします。
どうぞお楽しみに。
【写真】馬場わかな
もくじ
口尾 麻美
料理家・フォトエッセイスト。世界を旅して、それぞれの国の家庭料理を学んだり、ストリートフードを食べたり。そこからインスピレーションを受けた料理を本、雑誌、料理教室などで提案。著書に『トルコのパンと粉ものとスープ』(誠文堂新光社)など。http://je-suis-amazigh.blogspot.jp/
ライター 嶌陽子(しま ようこ)
編集者、ライター。大学卒業後、フリーランスでの映像翻訳や国際NGO職員を経た後、2007年から出版社での編集業務に携わる。2013年からフリーランスで活動を始め、現在は暮らしまわりの記事や人物インタビューなどを手がける。執筆媒体は『クロワッサン』(マガジンハウス)、『天然生活』(地球丸)など。プライベートでは1児の母として奮闘中。
▽口尾麻美さんの本はこちらから!
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