【ノルウェー日記】一年でいちばん、ノルウェーが盛りあがる日とは?
ライター 桒原さやか
街中がお祭りムードな一日。
5月17日はノルウェーの憲法記念日でした。
この日が近づくにつれて、ノルウェーの人たちは準備に大忙し。街中がこのイベントに向けて動きはじめるのです。
「独立宣言をした日でもあるから、私たちにとって本当に大切な日なの」
「街中が人であふれるの。きっとビックリするわ!」
みんな誇らしげに話してくれます。
わたしもはじめてこの日を経験することもあって、ずっと楽しみにしていました。
国旗が大好きなノルウェー人たち。
この時期はなんでも「赤・白・青」の、国旗色に染まるのです。
国旗を飾るのはもちろんのこと、家の中を赤や青のキャンドルで飾ったり。赤い洋服を着たり。
そして、当日の朝は三色のケーキを食べる習慣もあるほど。(イチゴ(赤)、ブルーベリー(青)、ホイップクリーム(白))
はじめは国旗だらけでちょっと違和感……と思っていましたが、だんだん私もこのデザインが好きになってきました。
ここまで徹底していると、これを楽しむっきゃないと思えてきます。
わたしは食卓用に花束を買いました。もちろん赤、青、白の三色です。
まるで中世の世界に迷い込んだみたい……。
当日の朝、ワクワクしながら街に向かいました。
まずビックリしたのは、民族衣装を着ている人の多さ!
こんなにたくさんの人が正装していると、まるで中世の世界に迷い込んだみたい。街の雰囲気がガラリと変わります。
ノルウェーの人たちはこの衣装をとっても大切にしていて、おばぁちゃんから受け継いだり、自分用にしつらえたり。
美しい髪の色と民族衣装がよくあっていて、みんな本当に素敵でした。
かけ声は「ヒップ、ヒップ、フーラ!」
この日のメインイベントは、街のパレード。
幼稚園や学校、地元の企業などにわかれて、グループで街をひたすらねり歩くのです。
そしてあちこちから聞こえてくるのが、このかけ声。
「Hipp, hipp, hurra!(ヒップヒップフーラ!)」
これはノルウェー語で「バンザイ」を意味します。
子供たちからおじいちゃんやおばあちゃんまで、ニコニコ笑顔で国旗を振りつつ街を進んでいきます。
悪さをしても許される?高校生のパレード。
わたしがいちばん楽しみにしていたのは、Russ(ルス)という高校生のパレード。
ノルウェーの高校生たちは卒業前の1ヶ月だけ、「何をしても許される」というルールがあるのです。
街中で大騒ぎしたり、髪をピンクに染めたり。ここぞとばかりに悪さをする高校生たちを、わたしも街で何度も見かけました。
そして悪さが許される最後の日が、5月17日。高校生たちの集大成!なんですね。
爆音の音楽をかけて、歌ったり、踊ったり。ド派手な高校生たちのパレードが通り過ぎていきます。
この時期の出来事は、大人になってからもずっと語り継がれるのだとか。
なんでも許されるこの時期に、思いっきり悪さをする高校生たち。
わたしにはとっても健全で、キラキラして見えました。
ノルウェーの深〜い愛を感じる日でした。
ノルウェーの人たちがいかに自分の国に誇りを持っていて、大好きなのかが、ひしひしと伝わって来る一日でした。
みんなが思いっきりこの日を楽しんでいて、堂々と国旗を振っている姿が頭にのこっています。
いや〜、いいものを見せてもらいました。
帰りのバスの中でこの日の出来事を思い出しつつ、清々しい気持ちで家に帰ったのでした。
ライター 桑原さやか
『北欧、暮らしの道具店』で、お客さま係として6年間働いていた元スタッフ。旅が好きで、冬の旅行で訪れたノルウェーの北極圏にある町、トロムソに一目惚れ。スウェーデン人の夫と共に、2016年6月より移住をはじめている。
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