【マイナス3度のインテリア】第1話:涼しさは「色の引き算」で決まる?マイナス3度の作り方
編集スタッフ 奥村
めざすは、「マイナス3度」のインテリア!
家のドアを開けると、むっとした熱気……毎年、夏を痛感するのは、そんな帰宅の瞬間です。
夏の家時間には悩みがつきもの。蒸し暑くて、居心地が悪い。けれど冷房を使うと冷えすぎて、体調を崩してしまうことも。
インテリアも夏仕様に衣替えできたなら、もっと快適に過ごせるのでは?
今回は、インテリアスタイリストの大谷優依(おおたに ゆい)さんに、夏の部屋を涼しく整える方法を教わりました。
めざすは、体感「マイナス3度」のインテリア。そのコツを、全3話でご紹介します。
涼しさのキーワードは、「色の引き算」?
取材に伺ったのは6月。初夏の強い日差しを感じながら、大谷さんのお宅へお邪魔しました。
ドアを開けるとそこは、まさに「涼」というワードがぴったりの爽やかな空間。けれど、大谷さんからは意外な言葉が。
「特に、涼しさを意識して部屋を整えているわけではなくて。わが家は通年、この状態なんですよ」
では、どんなことに意識して部屋作りをしているのでしょうか?
大谷さん:
「私は青色が好きなので、ふだんからインテリアに取り入れるのも寒色系のアイテム。
また、それとぶつからない落ち着いた色味や、木製の家具、リネンのファブリックなど、調和を意識したアイテムを選んでいます。
基本の色を中心に部屋の雰囲気が統一されたことで、涼しげな印象が生まれたのかもしれません」
▲寝具や壁のポスター、リビングに飾られた本など、目につくアイテムの多くは寒色系。
▲納戸の目隠しにした「Found MUJI×ミナペルホネン」の布やカーテンも、ブルーグレーで統一。
仕事でもプライベートでも、大谷さんがインテリアをしつらえる際に意識するのは「色揃え」。
好きなカラーやテイストを軸におき、そこから浮いたものは、取り除く。そんな引き算を実践しているそうです。
置くだけで涼やかな「かご」と「ガラス」
統一感のあるインテリアで特に目を引くアイテムが、部屋のあちこちに置かれた「かご」。
日本だけでなく、アジアの国々で作られた民芸品を好んで集めているそうです。中には、タイの「もち米容器」や、インドネシアの「ピーナッツかご」などのユニークなものも。
また、仕事で小物として使用するガラスの瓶や食器類も、普段は部屋に並べてインテリアの一部にしています。
左手前のピンクと白のグラスは、「リサラーソン」のヴィンテージ品だそう。
大谷さん:
「かごもガラス容器も、そのものの佇まいが涼しげですよね。だから入れ物としての用途がなくても飾っているんです」
どちらも身近なアイテムだからこそ、早速取り入れてみたくなります。
気分を変えたい時は、「花」で色遊び
ブルーを基調に落ち着いたトーンで統一された大谷家。けれど、夏は華やかな色味を取り入れて、気分を上げたくなることもあるのでは?
大谷さん:
「部屋に差し色が欲しくなったら、私は植物で取り入れています。
例えば、赤色がアクセントのグミの木。インテリアに赤を取り入れるのって、なかなか勇気がいりますよね。
花なら長く残らないから、気軽に取り入れられて、気分転換にもなるのでおすすめです」
今のインテリアに取り入れたい色があるけれど、調和するか心配なときにも、まずは花で試してみると良いかもしれません。
物が多くても、涼しい空間は作れる?
仕事柄、スタイリング小物を豊富に揃えているため、部屋に物が多いのが悩みという大谷さん。けれどご自宅は、物の多さに反して、すっきりとして涼しさを感じました。
それは、「引き算」により生まれた部屋の統一感が理由。
物の多い少ないではなく、テイストや色がさまざまに混在していることによるごちゃごちゃ感が、暑苦しさにつながっていたのだとわかります。
物を減らさなくても、しつらえの意識を変えれば涼しさは作れる。そう思うと、ちょっと勇気がもらえますね。
次回からはエリアごとに、具体的なしつらえのポイントを教えて頂きます。
(つづく)
【写真】有賀傑
もくじ
大谷優依(インテリアスタイリスト)
デザイン会社勤務を経て、スタイリストに。インテリアやテーブルコーディネートなど、ライフスタイル全般のスタイリングを手がける。雑誌・広告などで幅広く活躍中。
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