【朝の過ごし方】毎日のごはんやおしゃべりを楽しく、家族の絆をはぐくむ朝じかん(畑中美亜子さん)
編集スタッフ 寿山
都心から田舎暮らしへ。家族のコミュニケーションを大切にする朝習慣
1日を気持ちよくスタートさせるための朝の習慣を、さまざまな立場の方に伺う連載「朝の過ごし方」。
今回ご登場いただくのは、小学生になる2人の娘を育てるかたわら、米作りやカフェ「草so」を営む畑中美亜子(はたなか みあこ)さんの朝じかんです。
2003年に東京・青山に器の店「うつわや草so」をオープンしたのち、2010年に千葉県鴨川市へと移住した畑中さん。
東京で生まれ育ったものの、結婚と出産を経て、漠然と憧れていた田舎暮らしを実現して丸7年。
のどかな田畑に囲まれた環境で暮らすなか、昨年からは本格的に米作りにも挑戦されています。
畑中さん:
「自宅の前にある棚田で米作りをされていた農家の方が亡くなって、後継ぎもなく、1年間放置されて荒れていく田んぼを目の当たりにしたんです。
美しい景色が失われていく……そんな折に縁があって、その棚田を借りることになり、夫と本格的に米作りをはじめました」
田舎暮らしはのんびりしているようで、農作業やイベント出店の準備や仕込み、デスクワークなど、案外忙しい日々だと話す畑中さんの朝習慣をお届けします。
朝の時間割
5:30 起床。白湯を飲み、夫とヨーグルトを食べる
6:00 朝食の準備。洗濯開始
6:30 子どもたちを起こす
7:00 家族全員で朝食
7:30 子どもを見送る
8:00 洗濯物を干す、掃除など家事を済ませる
9:00 農作業、仕込み、デスクワークなど
05:30
起きぬけにストレッチをして白湯を飲み、
ヨーグルトを食べる
▲写真右は郡司庸久さんの土瓶、左は小沼寛さんの湯のみ
目が覚めて起き上がる前に、その日の予定を頭の中で整理しながら、ストレッチをするという畑中さん。
畑中さん:
「忙しいと、気持ちばかり焦ってしまう性格なので、なるべく朝一番に頭のなかで仕事や家事の優先順位を決めるようにしています。
そうすることで、有意義に時間を過ごせる気がして。
それから起き上がり、まずは白湯を飲みます。土瓶で沸かしたお湯は、やわらかくておいしいんです」
白湯を飲んだ後は、目を覚ますためにヨーグルトに自家製のグラノーラとジャムをかけて食べるといいます。
畑中さん:
「この時間、まだ子どもたちは眠っていて。夫とふたりでヨーグルトを食べながら、その日の予定や子どものことなど何気ない会話を交わします。短いけれど、貴重な時間です」
07:00
心と体の栄養になるように、食事は楽しく
畑中さん:
「朝はバタバタとしてしまいがちですが、娘たちには何かしら食事の準備を手伝ってもらうようにしています。
庭の畑で野菜を収穫してもらったり、簡単なおかずを作ってもらったり。あまり余裕がないときは、ご飯や味噌汁を器によそって配膳するだけでもいいんです」
食事の準備に関わることで、「本当に美味しい食事とは何か」と、考え続けるきっかけになればと畑中さんは話します。
そんな畑中家の朝ごはんは、白ごはんとみそ汁に漬物や卵焼きなどを添えた、和の献立が中心。なかでも毎朝欠かせないのが、手作りの梅干しなんだそう。
お弁当にも重宝しているといいます。
畑中さん:
「朝ごはんに限らず、家での食事はなるべく家族が揃ってから『いただきます』をするようにしていて。
食事は楽しく食べてこそ、体にも心にも栄養になるのかなと思っています」
07:30
「いってらっしゃい」は笑顔で
見えなくなるまで手を振って見送る
畑中さん:
「学校へ送り出すときは、お互いに笑顔で『いってらっしゃい』『いってきます』の挨拶を交わします。
子どもたちは寝起きが悪く、不機嫌なこともありますが、嫌な気持ちで1日をスタートしてほしくないので。
それから見えなくなるまで、手を振って見送るのが習慣です」
日々の食事や会話を丁寧に。地域の人たちと繋がる移住先での暮らし
移住して暮らしのサイクルが大きく変わったと感じることはないものの、自然の美しさは日々感じているそう。
畑中さん:
「ここで暮らすようになって、自然の音や夜の静けさ、月や星の変化、夕日の美しさなど、何気ない日常に感動する場面が増えました。
それから町内会やお祭りなど、地域の人たちとの交流も増えて、前より人との繋がりを大切にするようになった気がします。
移住者同士の交流もありますし、何よりこの地域をみんなで守り、次世代に繋いでいくという意識が年々強くなっています」
▲愛犬のよつばちゃん
どんなときも、家族で囲む食卓や地域の人たちとのコミュニケーションを大切にしている畑中さん。食事と会話、どちらもわたしたちの暮らしの一部ではありますが、忙しいと無意識にないがしろにしてしまうこともあります。
心と体をはぐくむ「食べること」「話すこと」を、もっと大切にしよう。
シンプルで、大切な暮らしの基本を見つめ直すきっかけをいただいたような気がしました。
【写真】畑中美亜子
こちらの特集も合わせてご覧ください。
畑中美亜子
2003年東京・青山に器の店「うつわや草so」をオープン。2010年に千葉県鴨川市に移住し、同年10月に「うつわや+カフェ草so」を開店し、2016年からは本格的に米作りを開始。カフェの営業は不定期で、イベントへの出店やワークショップを中心に活動している。
http://so-kurashi.cocolog-nifty.com/
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