【Fikaにお邪魔しました】第1話:築70年以上のアパートが建ちならぶ、ストックホルム郊外へ
ライター 大迫美樹
北欧の暮らしって、一体どんなもの?
本日より新シリーズ『Fikaにお邪魔しました』が始まります。
この連載では、ストックホルムのさまざまな方のご自宅に伺い、スウェーデンの人々が大好きなFikaを通して、日々の暮らしぶりやインテリアをお届けしていく予定です。
「北欧、暮らしの道具店」が開業10周年を迎えるにあたり、原点に戻ってみようと思って…というお話をいただいたのが最初のきっかけでした。
店名につけた「北欧」や「暮らし」という言葉。その言葉どおりに「実際スウェーデンに住む人が、どのように暮らしているのかをぜひお伝えしたい!」と、編集スタッフ 津田さんからの熱いご要望があり、今回この企画が実現することに。
シリーズ第1回目は、リネア(Linnea)さんとエリック(Erik)さん夫妻と息子さん、猫1匹が一緒に暮らすご自宅を訪れました。
グリーンがあふれる気持ちのいい部屋には、参考になるインテリアのヒントや暮らしの工夫がいっぱい。そんなおふたりの暮らしを全4話にわたってご紹介していきます。
この連載をとおして、リアルなスウェディッシュライフを少しでも感じていただけたらうれしいです。
築70年以上のアパートが建ち並ぶ、ストックホルム郊外を訪れました
ストックホルムの中心地から地下鉄で南へ約20分。おふたりが暮らすエリア、ミッドソンマルクランセン(Midsommarkransen)に到着します。
駅前を少し離れると自然に囲まれた閑静な住宅地が広がり、ときには鹿やウサギを見かけることもできるのだとか。
小さな子どものいる家族に人気のエリアということもあり、ベビーカーを押す夫婦や子供たちの姿も多く見かけます。
そんなのどかなストックホルム郊外にリネアさんとエリックさん夫妻のアパートはありました。
▲こちらがアパート。建物の前ではBBQをしたりピクニックもできる広いガーデンが
▲アパートの螺旋階段がクラシカルで素敵。階段の途中には共同のバルコニーも
▲いよいよお宅に到着!
このアパートは、1939年に建てられたそう。このエリアの建物の多くは1940年代に建てられたものだと、エリックさんは話してくれます。
その理由は、すぐ近くにスウェーデンを代表するメーカー、エリクソン(Eriksson)の本社があり、当時の労働者の住まいとして、たくさんのアパートが建てられたのだとか。
こじんまりとした、似たようなクリーム色のアパートが建ち並ぶ景色はなんともかわいらしく、自然の多さもプラスして、この街のおだやかな雰囲気を作っていたように感じます。
アパート建物の中の螺旋階段を最上階の4階まであがると、玄関には息子のボーくん(Boくん)が。取材陣のことを待っていてくれました。
Fikaにお邪魔します!
リネアさん(右)は、フリーランスでグラフィックデザイナーとしてカタログや雑誌のデザインなど、幅広く活躍されています。エリックさん(左)は、スウェーデンの国営放送局に勤務。
「空いた時間があればFikaばかりしているのよ」とのこと。
そんなFika好きなおふたりは、学生時代からの15年にわたるお付き合いだそう。お互いバンドをやっていて音楽を通じて出会ったふたりは、スウェーデンの南部出身。ストックホルムには3年前に一緒に引っ越してきました。
先月8月には、地元で結婚式をあげたばかり。おふたりの雰囲気がどことなく似ているのも、ともに過ごしてきた時間が長いからでしょうか。
このアパートを購入し、引っ越してきたのがちょうど1年半前。息子さんが生まれる直前だったそうです。
出産前後の忙しい合間をぬって、少しでも居心地がいい空間にするために工夫をこらしたという部屋。今回はそんなおうち全体をちょこっとだけお見せします。
まずはお宅を、見せてください
▲所々に飾られたグリーンが印象的なリビングルーム
部屋の間取りは、玄関を入って右に寝室、左にはバスルーム、奥にはリビングがあり、その隣にキッチン&ダイニングスペースとなっています。
部屋の広さは51平米と決して広くはないものの、機能的な間取りや全体的に白で統一された家具のおかげで、圧迫感もなく広々とした印象をうけます。
窓が多く、明るく開放感があるのも一因かもしれません。まだ小さい息子さんと3人で暮らすには、ちょうどいい広さに感じました。
▲パステルグリーンの壁が映えるキッチン&ダイニング
▲シンプルで清潔感あふれるベッドルーム。ベッドでくつろぐのは、愛猫のスノーレ(Snöret)
▲玄関に置かれたチェストはリネアさんのおばあちゃんから譲り受けたもの
▲サボテンの置物と小さなベースは、リネアさんのお気に入りの陶芸家エメリエ・トルナドットソン。ここにもさりげなくグリーンがあしらわれています
息子さんが生まれる前に唯一できたリノベーションが、玄関とリビングの壁の塗り替えでした。
おうちに入ると優しい気持ちにさせてくれる玄関のパステルピンクの壁。ベージュ色のリビングの壁も、部屋全体を柔らかい印象にしてくれます。
壁の色を変えるだけでも、ほかの部屋との印象がガラリと変わりますね。
リネアさん:
「息子が生まれたら、またゆっくりと部屋をリノベすればいいと思っていたのですが、生まれたら生まれたらで、育児に追われてまったくそんな時間も取れないことに気がつきました(笑)」
リノベーションは、次のプロジェクトのひとつだとか。
▲アパートの階段にある窓から見える景色。グリーンがいっぱいで癒されます
インテリアの決定権は、どちらかというとリネアさんにある、とエリックさん談。
美しいデザイン、かわいいものを集めるのが大好きなリネアさん。彼らの自宅は、そんな彼女のセンスが垣間見える、心地の良い空間となっていました。
次回は、リネアさんのお気に入りを並べた、落ち着きのあるリビングルームをお届けします。どうぞお楽しみに。
(つづく)
【Photo】Markus Karlsson Frost
もくじ
Linnea & Erik Paulsson Neppelberg
リネア & エリック・ポールソン・ネッペルベリー。ストックホルム郊外のアパートで、1歳の息子さんと愛猫と一緒に暮らす。リネアさんはフリーのグラフィックデザイナー、エリックさんはスウェーデンの国営放送局勤務。リネアさんは年に1~2回発行の雑誌「Pet people」を主宰。
http://www.petpeople.se
http://www.linneapaulsson.se
ライター 大迫美樹
コーディネーター、ライター、通訳者など。大学卒業後、アパレル会社や広告制作会社勤務を経て、2007年にスウェーデンのストックホルムへ移住。現在はフリーランスで、雑誌や広告、TV、日本企業の仕事を中心にコーディネート全般、執筆を手がける。またスウェーデンのライフスタイルを届けるウェブサイト「KOKEMOMO Sweden」も運営中。インスタグラムアカウントは @mikikosmic
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