【パン屋のまかない】第1話:毎日頑張るスタッフへ、「ありがとう」の気持ちを込めて(チクテベーカリー)
編集スタッフ 奥村
あのパン屋さんの「まかない」を、のぞいてみたい。
いつ行っても、サービスや商品がちょうどいい。そんなお店ってありませんか?
パン好きのわたし奥村は、たとえば行きつけのパン屋さんにそう感じます。
いつもおいしいパンが並び、気持ちよいサービスがととのう。その居心地の秘訣とは何なのでしょう。
「同じ釜の飯を食う」という言葉があるように、きっとそこで働く人たちの日々のごはんに、ヒントが隠されているのでは?
そんな想像からスタートした連載「パン屋のまかない」。気になるあのパン屋さんの魅力を、お店の「まかない」から探ってみます。
シンプルなパンが魅力の、チクテベーカリー
今回おじゃましたのは、東京・南大沢の「チクテベーカリー」。
団地の一角にあり、近所に住むお子さんからお年寄りまで、幅広いお客さんに愛されるお店です。
看板商品は、噛めば噛むほど味がするハード系のパン。粉と塩と水、それに、開店から15年以上継ぎ続けている自家製酵母。シンプルな材料でできたパンは、まるでごはんのように、毎日の食事にしっくり合うんです。
▲看板商品のカンパーニュは、全5種を用意
▲店名の頭文字「C」の形をした「チクテバゲット」は人気商品
今回は、そんなチクテベーカリーの皆さんの、まかない時間に潜入しました。
今日のまかない、見せてください!
まかないを作るのは、店主の北村千里(きたむら ちさと)さん。忙しい営業の裏で、不定期に、スタッフさんへ手料理をふるまっています。
自宅で仕込みを済ませておき、厨房でささっと仕上げられる「焼くだけ、煮るだけ、混ぜるだけ」の料理が、北村さんのまかないルールなんだそう。
スパイス入りのミートボールと、たっぷりの葉野菜、ゆで海老と春雨を和えて……
出来上がった今日のメニューは、暑い日の定番という「パクチーとミントとミートボールのサラダ」。ナンプラーの効いた、エスニック風味です。
北村さん:
「お店のパンにも使っている、農家さんから仕入れる旬の野菜がおいしくって。だから、まかないの主役は野菜です。
でも、パン屋は体力仕事。それだけじゃお腹いっぱいにならないから、ミートボールや春雨も入れてボリュームたっぷりにしました」
おすすめの食べ方はなんでしょう?
北村さんのおすすめは、レーズン入りの食パンをトーストして、サラダをのせて食べること。(レーズンの甘みとミートボールの塩気がマッチして、おいしそう!)
一口かじり、嬉しそうな笑顔を浮かべるスタッフさん。厨房での真剣な顔つきとはうってかわって、まかないを前にゆるんだ表情が、なんだかとても印象的です。
好きなメニューはありますか?と尋ねたら、「この間作ってもらった、とうもろこしのポタージュ! あ、でも冬のグラタンも捨てがたいし、オムレツも大好きで……」と、おいしそうな答えがあとをたちませんでした。
お昼休みは、つかの間の息抜きに
平日もひっきりなしにお客さまが訪れる、チクテベーカリーの日中は大忙し。
だから、交代でとるお昼の時間だけが、つかの間の息抜きに。まかないのある日にはなおさら、スタッフさんもお昼を楽しみにしているそうです。
北村さん:
「『今日の料理はあのパンに合ったね〜』とか、『あのレシピ、知りたい!』とか、後から感想を共有し合うこともあります。
このサラダがレーズンの食パンに合うって気づいたときは、その場にいた皆で思わず興奮してしまったんですよ」
まかないで知ったおいしい組み合わせは、お客さまにパンを提案するときのヒントにもなるのだとか。
「ありがとう」の気持ちを込めて
そんな北村さんに、まかないを作る理由を聞いてみました。
北村さん:
「慌ただしい仕事場だからこそ、おいしいまかないで、少しでもほっとしてもらいたくて。
一人暮らしのスタッフも多いので、栄養のあるものをとって、元気になってもらえるように、と思って作っています」
忙しさの中で、なかなか口にして伝えられる機会はないけれど。
まかないからは、いつも頑張ってくれているスタッフさんへの、北村さんのささやかな『ありがとう』の気持ちが見えるようでした。
まかない現場におじゃまして
いつ訪れても、おいしいパンと、心地いい空間が待っている。
なにげなく感じていた「チクテベーカリー」の居心地の裏には、まかないを食べて今日も頑張る、スタッフさんたちの姿がありました。
その背景を知ったら、わたしも、いつものパンをもっともっと大切に味わいたくなりました。
(つづく)
CICOUTE BAKERY(チクテベーカリー)
住所:東京都八王子市南大沢3-9-5-101
TEL:042-675-3585
定休日:月火
営業時間:10:30〜18:00
【写真】平本泰淳
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