【35歳ヨーロッパひとり旅】第4話:オランダ最後の夜、見たこともない「魚」料理にチャレンジする気になったワケ
編集スタッフ 田中
店員さんと会話ができた。たったそれだけで自信がついたオランダ最後の夜
はじめてヨーロッパを旅した、わたし・田中のひとり旅をイラストと共にお届けしている不定期連載です。
ついにオランダ滞在最後の夜を迎えたとき、「オランダにゆかりのある物を食べてない!」と、気づいたわたし。
アムステルダムは都会なので世界各国の料理が食べられることでも有名な街。とくにアジア料理店は評判がいいので、おいしいエスニックご飯にありついていました。
けれど最後くらいは…….!と見つけたのが、アムステルダム市立美術館のカフェレストラン。宿からも近く、おしゃれで、ひとりでも入りやすい雰囲気だったので、勇気を出して入ってみました。
クチコミサイトで、魚料理がおいしいと書かれていたのは調査済み。さっそくメニューを見てみると「本日の魚料理」とあるだけで、詳しい説明がありません。
またまた勇気をだして、ウエイターを呼んで聞いてみました。すると、聞いたことのない魚の名前を教えてくれました。
わたし:
「すいません、もう一度魚の名前を教えてください」
ウエイター:
「◎◎◎◎のリゾットだよ」
わたし:
「???」( このやりとりが何度か続きました)
わたし:
「うーん、どうしてもわからない…….。あ、スマホのここに名前を打ってみて!」
ウエイター:
「(ポチポチ)はい!どうぞ!」
何度トライしても聞き取れず、正体がわからないままなのは嫌だな〜と思ったため、スマートフォンの翻訳アプリを取り出して、入力してもらったのです。
入力された言葉を、颯爽とWEB検索にかけると、出てきた魚の画像に、またもやビックリ。
わたし:
「……(おお、結構こわい顔した魚だっ。どうしよう)」
ウエイター:
「おいしいと思うよ〜!」
ここまでやり取りをしたのに、注文しないのは申し訳ないという思いと、聞いたこともない名前の魚を食べてみたいという好奇心にかられてオーダーすることに。
その魚は、淡白だけど、やさしい味わいの白身魚でした。雨の夜で冷えた体には、温かい魚のリゾットがちょうどよくて。さすがチーズ大国なだけに、一緒に注文したサラダにトッピングされたチーズもおいしかった!
なんだか、お腹も心もとっても満足していました。
オランダ2日目で美術館内で迷子になったときのことを思うと、何かが変わっている気がします。おみやげを買ったり、地元の人がいくスーパーを探検したり。街を歩いているうちに、ちょっとだけ自信がついたのでしょうか。わからないことを現地の人に聞く。これができるようになっていたんです。
行く前は、ひとり旅だからサクサクと見たい場所をみてまわるんだと思っていました。だけど、見知らぬ人とコミュニケーションをとる日がこようとは。自分でも驚きでした。ささいなことだったけれど、結構うれしかったんです。
オランダ最後の夜。感慨にふけりながら、眠りにつきました。
ちなみに、検索履歴をうっかり消してしまい、旅から半年以上たった今も、未だにこわい顔の魚の正体はわからぬままです…….。
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