【新連載|私にちょうどいい美容】第1話:マンネリ、悪くない。
美容ライター 長田杏奈
みなさま、こんにちは。ライターの長田杏奈(おさだ あんな)です。
普段は、雑誌やwebに美容にまつわる記事を書く仕事をしています。この連載では、美容と聞くと何か構えてしまったり遠いものに感じてしまったりする友達に話しかけるつもりで書いてみたいと思います。
毎日を心地よくするために気分に合ったお花を飾り、ささやかな献立を好きなお皿に盛りつける。私にとっては、好きな色のリップを塗ったり、スキンケアをするのも、そんな暮らしを彩る習慣の延長線上にあるもの。
コンプレックスや年齢、流行に振り回されて、右往左往しなくてすむように。自分の気持ちが納得できて、自分の感覚できれいを感じることができたなら、それが「私にちょうどいい美容」。日々に寄り添う、普段づかいの美容についてのお話です。
第1話:毎日の美容は一汁一菜
「どうしたらマンネリから抜け出せますか?」。
これは、長年美容ライターとして仕事をするなかで、何度も繰り返し出てきたフレーズです。そのたびに、どうしたら同じメイク同じケアを脱することができるのかを記事にし、もはや脱・マンネリをネタにすること自体が、なんだかマンネリに思えていたときのこと。
あるヘアメイクさんの、「マンネリ、いいと思います。だって、自分に何が似合うのか、定番を知っているということじゃないですか」という言葉にハッとしました。20年近く取材をして、マンネリについてそんな風に語った方は初めて。私は、すっかり感じ入り、その後マンネリに再会するたびに「マンネリ、悪くない。言い換えれば、ベーシックだからね」と見直すようになったのです。
「10年前と同じマンネリメイクの私」も、「ベーシックをもっている私」と捉えなおすと、なんだか良い感じに思えてきませんか?
忙しい毎日を過ごす中で、美容から遠ざかる理由はいくらでもあります。
でも、ふとしたきっかけで、改めてメイクやスキンケアに親しみたいという気持ちが芽生えてきたとき。その気持ちを育てる支えになってくれるのが、まず普段使いのベーシックなスキンケアやメイクの基礎を築くこと。
どんなに頭がぼーっとしていても、急いでいて気ぜわしくても、考えずに手が動く「普段づかいの美容」の型を見つけることは、毎日の迷い無さや安心につながります。
例えば、毎日の食卓を考えたときに、いきなり手に入りにくい食材を使った有名シェフのレシピを真似たり、おせちを作ったりはしないように。日々の美容は、お味噌汁とご飯と旬のおかずのような、ほっとする「一汁一菜」を気楽に続けるのがちょうどいいと思うのです。
水分が主体のお味噌汁は、スキンケアに例えることができます。ポイントは「汚れを落とし、水分と油分をバランスよく与え、日焼けを防ぐ」という3つ。
肌が弱っているときに、頑張りたい一心で魔法の一発逆転を狙って高価なスペシャルケアに頼ったり手をかけたりしすぎると、かえってグラついてしまいます。肌と生活スタイル、そして好みと予算にあったベーシックなケアをコツコツ続けることが、結局は揺るぎない肌の屋台骨を育むのです。そして、出汁・味噌・具の組み合わせが無限であるように、ベーシックなケアこそ奥が深い。クレンジング、洗顔、化粧水(または水)、乳液・クリーム・オイルのどれかに、日焼け止め。ショートカットできる時短アイテムの手を借りてもかまいません。何を選ぶとしても、このベーシックにこそ、心を注いでほしいのです。
さらに一汁一菜で例えるなら、ふっくらと炊きあがったご飯がベースメイク、旬のおかずがポイントメイクというイメージです。
一汁一菜美容は、自分とかけ離れた誰かに大変身するためのものではありません。
年齢にあらがうのではなく、変化や波をマイルドにやさしくなじませる。万人のストライクゾーンに入る美人を目指すのではなく、自分の尊さや個性を再確認して、自分と仲良くなる。日々の疲れをそっとほぐし、心地よい姿で暮らす。
マンネリと紙一重の「ベーシック」な美容こそ、私たちの毎日にやさしく寄り添い励ましてくれるもの。
日々をよりよくするものとして、自分にちょうどいい一汁一菜の美容をこれから一緒に探していきましょう。
(つづく)
【写真】安川結子
長田 杏奈(おさだ あんな)
美容ライターとして「MAQUIA」、「BAILA」、「SPUR」など多くの女性誌で記事を執筆。プライベートでは息子 (11歳)と娘(8歳)を育てる。モットーは「美容は自尊心の筋トレ」。趣味は美容、園芸、セレブウォッチ、女子プロレス観戦、禅、北欧ミステリー。Instagram:@osadanna
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