【間取り図鑑】第4話:「ちょっと不便」と思ったときがチャンス。生活感を減らす整理収納アイデア
ライター 大野麻里
見ているだけでワクワクと、新たな暮らしへの妄想が広がる、間取り図。
特集「間取り図鑑」は、そんな不思議な力を持つ間取り図と実際のインテリアを重ねて、暮らしを紐解くシリーズです。
お話を伺ったのは、貼箱専門店「BOX&NEEDLE」でウェブショップを担当している村田湖弓(むらたこゆみ)さん。
最終話の4話では、村田さんが心地よく暮らすために実践している、インテリア&収納のアイデアをご紹介します。
ご主人とふたりで住む、ご自宅の間取りはこちらです。
(広さ:46平米、間取り:2LDK)
配線を隠すだけで、こんなにすっきり!
村田さんのご自宅を見まわすと、配線コードが表に出ていないことに気づきました。こうすることで生活感が薄くなり、部屋もすっきりとして見えます。
実はこれ、夫婦共にとてもこだわっていることだそうで……。
村田さん:
「DIYは私の担当、配線は夫の担当。いかに配線を隠すかが私たちの目標です(笑)
本当はすべての配線を壁の中に埋め込めたらいいのですが、賃貸なので叶いません。コードをできるだけ隠せるように、いろいろと工夫をしています」
その配線へのこだわりが最も感じられたのが、テレビまわり。
テレビ、HDDレコーダー、スピーカー、インターネット関連機器、Apple TV……と複数の機器のコードがシェルフの隅の1カ所にまとめられ、目隠しの扉が付けられています(この扉も村田さん作!)。
村田さん:
「長いコードはできるだけ家具の裏を沿わせ、存在感が出ないようにしています。
こうしておくと掃除もしやすいですよ。掃除機をかけたり雑巾がけしたりするときに、コードがないといちいちストレスになりません」
コードレスのアイテムで、過ごし方はもっと自由に
配線は「隠す」だけでなく「なくす」、というのもアイデアのひとつ。
持ち運びできるタブレットや、Bluetoothでつなげるスピーカーなど、コードレス製品を選ぶことも多いのだとか。
村田さん:
「実はいまの家具の配置だと、ダイニングテーブルの席からはテレビが見えません。けれどもテレビをもう1台置いてしまうと、場所もとるしコードも邪魔になるし。
そんな経緯から、ダイニングでは、テレビをiPadで見ています。iPad専用のワイヤレス・テレビチューナーをつなげばどこでも見られるので、テレビを軸にしたインテリアの配置というのは必要なくなりました」
ときにはiPadカバーのマグネットをキッチンの吊り棚に貼り付けて、家事をしながらスポーツ中継や海外ドラマを観ることも。便利なガジェットは積極的に採用するのが、村田家のルールだそうです。
給湯ボタンもケーブルも、壁かけパネルに隠して
▲かわいらしい壁かけパネルの裏には、生活感の出やすい給湯ボタンやコードが隠れている
勤務している「BOX & NEEDLE」の商品も、ご自宅のインテリアに取り入れている村田さん。色鮮やかな紙のパネルは、ベーシックな家具のなかに飾ると、部屋のアクセントになっています。
村田さん:
「コードや給湯ボタンを隠す目的で、BOX & NEEDLEの壁掛けパネルを使っています。見せたくないものはこうやって目隠しすることで、見た目もだいぶ変わりますよね。
色の組み合わせってすごく難しくて、センスに自信もないんです。だから白い壁に、BOX & NEEDLEの小さな色がちょこんと加わるくらいが私にはちょうどいいと思っています」
村田さん:
「私、インテリアよりも整理収納が好きなのかもしれません。ちょっと不便だったり使いにくかったり、そういう賃貸ならではの悩みを見つけると、どう解決しようって燃えるんですよ(笑)
実家に住んでいた頃は部屋が汚かったんです。自分の部屋では寝たり着替えたりするくらいで、あまり部屋について考えることもありませんでした。
夫と暮らすようになってから、家全体を考えるようになって。効率よく動きたいし、動線のよい間取りで暮らしたい。そんな想いが、いまの住まいにつながっているのかもしれません」
4話でお送りした、村田さん宅の間取り図鑑。いかがでしたか?
DIYをはじめとした村田さんの行動力には、感心することばかり。何度も言葉にされていた「ちょっと不便と思ったときが、変えるチャンス」というフレーズが、とても心に残りました。
「賃貸だから何もできない」と、インテリアをあきらめてしまうのはもったいないこと。いま暮らしている間取りを受け入れて、自分なりに快適に住めるよう工夫していきたいと思います。
(おわり)
【写真】有賀傑
もくじ
村田湖弓(むらたこゆみ)
生まれ育った北海道・札幌でエディトリアルデザイナーとして働いたのち、同郷の夫と上京。夫婦の趣味はプロレス観戦。現在は東京・二子玉川にある貼箱専門店「BOX & NEEDLE」でウェブショップを担当。店舗では講師による貼箱のワークショップも開催している。http://boxandneedle.com/
ライター 大野麻里(おおの まり)
編集者、ライター。美術大学卒業後、出版社勤務を経て2006年よりフリーランス。雑誌や書籍、広告、ウェブなどで企画・編集・執筆を手がける。ジャンルは住まいやインテリア、ライフスタイルなどの暮らしまわり、旅行、デザイン関係などが中心。現在、夫とふたり暮らし。
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