【バイヤーのコラム】自分の道、ちゃんと進んでいます。と伝えたい
バイヤー 森下
3月上旬のある平日、いつも通り出勤しようと駅の改札を出ると、いつもより辺りが賑やかでした。
塾の名前が書かれた旗を持つグループがところどころにいて、参考書を持つ学生と、ホッカイロを渡しながら緊張した面持ちで学生を見送る大人たちがちらほら。
「あ〜そうか、今日は大学の受験日なのかな? この空気感、懐かしいな。みんながんばれ〜!」
そんなことを思いながら歩いていると、なんだか聞き覚えのある少し低めの女性の声が。
え?と思わず振り返ると、なんとグループの中に10年前に私がお世話になった塾の先生がいたのです。
あまりにも突然な出来事だったのと、応援の邪魔をしてはいけないという気持ちから、声はかけられませんでしたが、オフィスについてもしばらくドキドキしている自分がいました。
あのころの私から元気をもらう
「これがあなたが作った道。大丈夫、あなたはどこに行っても最善が尽くせる人だから。これからいろんな道が開けると思うよ。」
私が見事に受験に失敗し、希望していなかった大学への進学が決まった時、あまりに悔しくて、情けなくて、やるせなくて、道端でわんわん泣きながら先生に電話した時に言われた言葉。
通知ひとつで人生が変わると思っていた当時の私にとっては、その言葉が前に進む決め手になりました。
あれから10年、大した功績みたいなものは残していないけれど、ただ純粋にたくさんの人と出会い、学んで、私らしいと思える人生を送っています。
そう思えるのはあの先生の言葉があったからだなと、改札で先生の姿を見て改めて気づいたのです。
ここ最近、仕事もプライベートもやることがたくさんあって、ゆっくり立ち止まることができなかった私に、この偶然の再会は必然だったんじゃないか。そんな風にも思えてきました。
ひょんなことから、初心に戻れてなんだか清々しい気持ちになれたのです。
次はぜひ先生に直接伝えたい。
「私、自分の道、ちゃんと進んでいます」と。
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