【訪ねたい部屋】第1話:決めることをこわがらない。家族のための古民家移住計画

古民家をリノベーションして暮らすご自宅インテリアをお届けします。築43年の古民家を2階に住みながら、3カ月かけて改修し居心地の良い空間に再生させました。ボタニカルブランド「The Landscapers」の塙麻衣子(はなわまいこ)さんの鎌倉山にあるお家を訪ねています。

ライター 大野麻里

「その人らしさ」を感じるインテリアは、いつだって魅力的です。

家具はもちろん、生活を彩る小さな雑貨まで。そのひとつ一つを選ぶことで、その人の部屋がつくられています。

特集「訪ねたい部屋」は、気になる方の住まいにお邪魔して、その人らしさとインテリアの関係性を紐解くシリーズです。

今回は、ボタニカルブランド「The Landscapers」の代表、塙麻衣子(はなわまいこ)さんの自宅を訪ねました。

訪れたのは、鎌倉市の南西部にある鎌倉山。

この周辺は昭和初期に別荘地として開拓された地で、桜並木のゆるやかな山道を車で上がっていくと、その両脇には大きな邸宅が建ち並んでいました。

塙さんの自宅があるのは、そんな鎌倉山の高台に位置するエリア。古民家を改装した家と事前に聞いていましたが、どこから入るのだろう? と家の入り口を探していたところ、迎えに来た塙さんが細い小道を案内してくださいました。

目の前に現れたのは、自然に包まれた緑豊かな庭。一瞬で、その隠れ家のような雰囲気に気持ちが高まります。聞けばこの敷地、210坪もあるそうです。

 

冷やかしの内見で即決した、築43年の古い家

塙さんが夫と二人の子どもと、家族4人でこの家に住みはじめたのが2014年。それまでは川崎市の分譲マンションに住んでいました。

塙さん:
「子どもが大きくなってきて手狭になったのと、庭のある環境で暮らしたいという思いから、家を住み替えたいなぁとは思っていて。でも上の子が小学校に入学、下の子はようやく希望の認可保育園に入れたばかりの時期で、家の近くで探していました。

この家は、夫がインターネットで偶然見つけた物件。鎌倉周辺には知り合いもいないし、考えてもいなかったエリアでした。興味半分で内見をすることになって、実際に見た瞬間、夫婦で目を合わせて『ここだね』って。会話もあまりなく、即決の雰囲気になったんです(笑)。その一週間後には契約をしていました」

購入を決めたのは、築43年の古民家。外装や水回りの老朽化がひどく、日本庭園風だった庭は草木が伸びて荒れ放題。けれども設計や住宅プランナーの仕事をしてきた塙さんは、“ポテンシャルの高い物件” だと感じたそうです。

すぐにそれまで住んでいたマンションを売却し、この家を購入。キッチンなし風呂なしの状態で2階に住みながら、3カ月かけてリノベーションし、すっかり見違えるような空間を完成させました。

塙さん:
「内見したのが5月だったので、小学校に入学したばかりの子どもには親の都合で申し訳ないことをしました。子どもたちの生活環境が変わることには心配もありましたが、いまはすっかりこの土地に馴染んで、毎日楽しそうに過ごしています」

 

子どもが産まれて考えた、これからの生き方と暮らし方

塙さん:
「以前はリノベーションを専門に設計事務所で働いていましたが、産後は勤務時間の変化と共に、なかなか思い描いていたようには働けなくなってしまって。そんな日々に悶々としていました」

これから先の未来が見えなくなってしまった……。そう感じた塙さんが出した答えが、「庭師に弟子入りすること」だったそう。この話の流れに、話を聞いていた私たちは一同びっくり。出産したばかりで、なぜ……?

塙さん:
「何か専門職につきたかったんです。それなら、ものづくりの現場に降りてみようと思って。安直なんですが、私が住んでいた川崎市宮前区は造園屋が多くある土地だったので、近所で庭の仕事をやってみようと思いました。片道1時間の通勤時間がなくなることも魅力的でした。

設計の仕事をしていたとき、一番わからなかったのが植物でした。いつも専門の業者さんに丸投げだったから。それなら自分の過去のプライドに縛られず、ゼロから学ぶことができるんじゃないかと……」

当時32歳。下の子が生まれた直後だった塙さんは、ベビーカーを押しながら、近所の造園会社を訪ね、門を叩きました。

塙さん:
「仕事させてくださいって。そりゃ断られますよね(笑)。
でもその社長がすごくいい方で『何か困ったらまたおいで』と言ってくださって。3日後に『困ってるのでまた来ました』と訪ねたら、人は足りてないからまぁやってみたらいいよという感じで採用されました。たぶん、どうせ続かないと思われていたのでしょう」

こうして未知の造園業に飛び込んだ塙さん。この転職が、今後の生き方や、住まいに対する考え方を180度変えるきっかけになるとは、このときはまだ知る由もなかったことでした。

塙さん:
「庭師の仕事は
朝だいたい7時ごろに出勤して、日没とともに作業は終わり。夜になる事はありません。職場も近く、子どもと一緒にいる時間も増えました。

毎日決まった時間にお茶をして、お昼ご飯を食べて、日が暮れたら帰る。春夏秋冬の季節があって、仕事中に雨が降ったり雪が降ったり。体力的には大変だけど、なんて人間的な仕事なんだろうって感動して、そこからどっぷりはまって続けていきました」

鎌倉山に引っ越してきたのは、庭師として働くようになって4年半が経ったときのこと。造園業に携わることで、より木や植物を身近に感じるようなった塙さんが、緑に囲まれたこの家に惹かれたのは、ごく自然な流れだったのかもしれません。

2話では、家の購入の決め手となった玄関や、古民家再生に伴って欠かせなかった庭づくりについてうかがいます

(つづく)

【写真】ニシウラエイコ


もくじ

 

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塙麻衣子

インテリア会社「イデー」にて施工部に在籍。退社後、デベロッパーと設計事務所を経て、庭師に弟子入り。2014年、鎌倉山への移住を機に、植物とプロダクトを組み合わせたボタニカルブランド「The Landscapers」を立ち上げる。2016年には旗艦店「AROUND」をオープン。現在は、店舗や個人住宅のガーデニングやグリーンコーディネートも手がける。夫と二人の子どもと4人暮らし。

ライター 大野麻里

編集者、ライター。美術大学卒業後、出版社勤務を経て2006年よりフリーランス。雑誌や書籍、広告、ウェブなどで企画・編集・執筆を手がける。ジャンルは住まいやインテリア、ライフスタイルなどの暮らしまわり、旅行、デザイン関係などが中心。


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