【スタッフコラム】このネイルに恋してる。
商品プランナー 斉木
毎回公開を心待ちにしている、イラストレーター・よしいちひろさんの連載「あると、うれしい」第10回にこんな一文があった。
「こんなに手が美しく見えるネイルは出会ったことがなかった。重ねても肌の部分よりネイルが主張しすぎることが決してなく、おぼろげな色をたたえた艶が指先にやどる」
ここを読んだ瞬間、「ですよね、よしいさん!!!!」と、頭の中で彼女の両手をガッチリと握って、ブンブン振っているような気持ちになった(まだお会いしたことはないのですが)。
よしいさんが紹介していたのは、uka(ウカ)のcolor base coat zero。
彼女が紹介している色とは違うけれど、私はこのベースコートの8/0に、塗ったその日から恋をしている。
ボトルの窓から覗く色はほとんど黒に近いグレーで、買うときはちょっとドキドキした。なぜだろう、他の色を買うときよりも、なんだか悪いことをしているような気持ちになったのだ。
でも、試しに塗ってみてびっくり。黒というよりも、ごくごく淡いグレーの膜をまとうような印象。黒のネイルに持っていた「悪い感」が、いい意味でない。
ukaのネイルを塗るのは初めてだったのだけど、薄く塗ってもムラになりにくいし、すぐ乾く。ていねいに爪を磨いたときのような、自然なツヤが生まれるのもうれしかった。薄づきなので四度塗り(!)なんていうのもできるらしい。
▲一度塗りするとこんな感じ。ほとんど色がつかないので、剥がれても目立たないのがズボラにはうれしい
このネイルのすごいところは、それだけじゃない。他のネイルの上に重ねて、ちょっとした「色変」ができるのだ。(テレビ番組で、大盛り料理を食べるときに「飽きてきたので味変(あじへん)します!」というあの感じ)
夏になると登場回数の増える黄色のネイルがある。明るくて健康な感じが、太陽によく似合う。でも、同じ色を秋に塗ると、なんだかテンションが高すぎて、途端に居心地が悪くなる。この黄色は私の中で「夏の黄色」であって、「秋の黄色」ではない。我ながらなにワガママなことを言っているんだ、と思うけれど、気分とチグハグなネイルを塗った日は、やることなすこと失敗しそうな気がしてくる。
そんなとき、このネイルを上からさっと重ねれば、「夏の黄色」が「秋の黄色」に一瞬で変わる。もう一回重ねれば、「冬の黄色」にもなりそうだ。
自分に対して可愛すぎるような気がしてお蔵入りしていたピンクのネイルも、これを機に登場回数が一気に増えた。グレーをひと塗りしたちょっとくすんだピンクは、大好きな色になった。
これひとつでもいい色。重ねれば、もっといい色。
一日の終わりに家事をぜんぶ終わらせて、椅子の上に丸くなって爪を塗る。そんな時間がますます捗る今日この頃なのだった。
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