▲とうもろこしの輪切りがイラストに！イイダ傘店のハンカチ
LIFESTYLE
【私たちの買い物】第3話：ビビッときたら買う。失敗もあるけど懲りずに学んでいます。（バイヤー石谷編）
編集スタッフ 田中
「なぜ、これを買ったの？」とエピソードを聞けば、何の気なしに買った物にも人柄があらわれる。同じ会社で働く同僚でも知っているようで、知らなかった一面が見られて話が弾むんです。
今回は、私・田中が興味をもったスタッフ3人に、買い物にまつわるエピソードを聞きました。
暮らしにひとさじのチャーミングさが欲しい
3人目の石谷は、入社3年目。当店で販売するアイテムを日々迷いながらも、慎重に吟味するバイヤーです。
彼女の仕入れるアイテムは「スタンダードというよりは、ちょっぴりチャーミング、さらに使い勝手がいい」ものばかり。
プライベートではセオリーに捉われず古着やインポート物など、もの選びにはこだわりがあるように、私・田中の目には映っています。
今はinstagarmを担当し、日々商品やコラムを通して、お客様に当店を楽しんでもらおうというサービス精神の旺盛な彼女。バイヤーならではの買い物を知りたくて、話を聞くことにしました。
夏を楽しめそう！と盛り上がった気持ちを抑えられず
石谷が「買い物の失敗は多い方です……」と見せてくれたのが、写真のボーダーTシャツ。え？ 失敗でもなんでもなさそうと逆に驚いていると、
石谷：
「Tシャツに問題があったわけではなくて、自分との相性があんまりだったみたいなんです。
洋服って着る人とのマッチングも大事じゃないですか。私は完全にそこを間違えたみたいで。
ある日の仕事帰りに立ち寄った店で、青と白の爽やかな色に吸い込まれ、『これを着たら夏っぽくなって、毎日を楽しめそう』と、試着もせずに即購入しました」
写真のように、小さなバッグを持って、白いパンツをあわせて歩けば、ちょっとフレンチっぽいスタイルで楽しめそう！と妄想は膨らんだらしいのです。
ただ、帰宅して着てみると、若干体型が変わったのかサイズが合わずピチピチ……。セール品だから返却も叶わず。想像とは違う鏡の中の自分に、「これじゃ、アニメに出てくる海賊みたい」と思わず笑ってしまったそう。
「今」を楽しむことが、自分らしいから
▲弾丸旅行だったポーランド
仕事で仕入れるアイテムは、あんなに議論して選びとっているのに、自分で着る服は試着もしないで買ってしまうなんて。
このエピソードに逆にほっこりしてきました。
石谷：
「私、このTシャツで確信したんですが、私生活では『今を楽しむ』ことに、かなり力をいれているんです。
例えば、国内海外問わず旅行が好きなんですが、スマートフォンのマップアプリで行ったことのない国や地域をみつけると、瞬時にその土地の情報を調べ上げて、あっという間に飛行機のチケットをとってしまうことも」
それを聞いて、あるエピソードを思い出しました。
以前オフィスで石谷を探していると「今、ケアンズですよ」と他チームのスタッフに言われて仰天したんです。海外旅行にいく気配（つまり引き継ぎのようなこと）、なかったのになあ……と。
▲モロッコで出会った猫
石谷：
「そういえば、ワーキングホリデーでイギリスに滞在していたときも、衝動的なところがありました。
ヨーロッパは国境が隣接していて、国内旅行の気分で海外へいけるので、思いつきで1泊2日のポーランド旅行に行ったことも。当時は今しかない！と、いろんな街へ弾丸旅行にいきました」
プライベートでは失敗続きでも、懲りない自分…
彼女のフットワークの軽さを目の当たりにして、Tシャツを買った理由もわかってきました。
石谷：
「たくさん行動したり、買い物したりする分、自然と失敗も多くあります。
例えば、タイに旅行にいったとき、カゴや木の素材でつくった雑貨など、とくに木製品に夢中になったんです。この木製のグラスも、目に入った瞬間にビビビっときて購入しました。けれど、可愛さのあまり収納場所のことまでは考えが巡らず、帰宅して食器棚にいれようとしたら、ぜんぜんサイズが合わなかったんです（笑）。
こんなふうに、買ったあとで使えないなと思うこともあるけれど、経験を通して収納のしやすさが大事だと分かり、その視点が仕事に生きるんです」
失敗もひっくるめて、バイイングに生かしたい
▲1点ずつ作家さんの手作り。気負わず使える良さがある！と吟味の末に仕入れたKANEAKI SAKAIのマグ
「今」に目を向けられるからこその、瞬発力。それに伴って失敗も多くあるけれど、それでもめげない石谷の買い物が仕事にも生きているようです。
石谷：
「入社して何度かバイイングを経験し、少しずつわかってきたのは『かわいい！ 面白い！』だけじゃだめなんだということ。全然企画が通りませんでした。
大切なのは、暮らしのなかで使うイメージが湧くことや、かわいいだけじゃなく機能性があること。だから、ビビッときたアイテムに出会ったら、まず自分の生活に取り入れてみることも多いです。日常の動作から、そのアイテムの本当の使い勝手に気づけることもあるので」
興味の赴くままの行動力は、裏を返せば、体を張って経験を積んでいる頼もしさのようにも感じます。改めてこれからどんな商品を見つけるのか、ますます楽しみになりました。
スタッフ3名の買い物にまつわるエピソードをお届けしてきました。
買い物って皆がする日常の行為なのに、こんなにも人柄がにじみ出るなんて。何より買い物っていいもんだと思えています。
（おわり）
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