編集スタッフ　岡本

今日も1日おつかれさまでした。

皆さんこんばんは。日曜日の20時、いかがお過ごしでしょうか？

週末でリフレッシュされた方や、明日からの一週間に備えて気持ちを整えている方、思い思いの時間が流れていることと思います。

そんな誰もがほっと一息つきたい時間に「おつかれさま」の気持ちを込めて、「エッセイラジオ」をお届けします。

思うようにいかなかった昼間の出来事や、いつも心の端に引っかかっている悩み事など。生活していると日々色々とありますが、このラジオを聴いているその時間だけは、一旦それらを手放して、ゆったりと声に身を任せていただけたら幸いです。

今夜のエッセイの書き手は、雑貨店「hal」店主・後藤由紀子さん。読み手は、当店スタッフの岡本です。

ではさっそく、今夜のエッセイの世界へ、どうぞいってらっしゃいませ。

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全然丁寧ではありません

後藤 由紀子

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お弁当の本を出版した2015年の翌年
これまでになかった勢いで
書籍のオファーをいただいた。

雑貨屋を営んでいることもあってか
さぞかし丁寧に暮らしているのでは、
と思われることも多く、口をそろえて
「丁寧に暮らすをテーマに」とのこと。

お話を伺ううちに、
どんどん恥ずかしくなり、変な汗が出てきた。
わたしは全然、丁寧に暮らしていないのだ。
なんでも70点くらいなのに、
それ以上に見せることには抵抗があった。

長年やっていると、
たくさん壁にぶち当たるたびに
自分のだめさ加減を痛感しているので
嘘があってはいけないと、
思いの丈をお話しさせていただいた。

私は梅仕事もしないし味噌も作らない。
疲れた日にはお肉屋さんで
率先してコロッケを買って帰ります、と
話し出したら止まらなくなってしまった。

基本、自虐ネタは得意なので
次から次へと出てくる始末。
ちまちました仕事は好きで
内職するには向いているタイプ。
オタク気質も持ち合わせており、
梅仕事も始めればきっと
手塩にかけるだろうと予想がつくけれど
今は近所の産直で、
手作りの梅干しと味噌を
買うことができる環境に甘えている。

また近所には
個人経営のお肉屋さんがあって
応援のためにも、
いつもそこで買うようにしている。

子供の頃からコロッケが好きで
「まーちんコロッケ」の
あだ名を持つ夫のために
お肉やサラダと一緒にコロッケを買って帰ると
お米を炊きながらお味噌汁を作れば
晩ごはんになるので
自分も楽ちん、家族もごきげん
という手はずになっている。

結婚当初はもう少しちゃんとやっていた。
歳を重ねると
だんだん人間ずうずうしくなるもので
「たまには、いっか」と
自分に甘くて困りもの。

そんな中でも家族4人で食卓を囲むことだけは
大事に思って続けてきた。
豪華だったり特別な献立はないけれど、
それが我が家の味となった。

今現在、子供たちも大学生になり
バイトだったりお友達と出かけたりで
時間差でごはんということが
週に何回かあるので
毎回4人揃ってのごはんを食べられた期間は
ほんの一時だったなー、
ちゃんと団らんしておいてよかったなーと思う。

もうひとつ
改めて良かったなーと思うことがある。

その後テーマを練り直してくださった
担当さん7人とは書籍を作ることができた。
よくぞ練り直してくださった！と
感謝の気持ちでいっぱいである。

いかがでしたか？

ほんの数分ではありますが、心の緊張がほどけたり、すうっと眠りに入るきっかけとなれたなら、これほど嬉しいことはありません。

次回の配信も、どうぞ楽しみにしていてくださいね。

エッセイラジオを通して、このささやかなエールが届きますように。それでは、おやすみなさい。

 

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