【スタッフコラム】年始の目標が決められなくて。
編集スタッフ 田中
▲初日の出は見に行きました。
毎年1月になると、抱負だとか目標を聞かれる場面や自分から言わなきゃというときが訪れます。
もともと人より抜きん出たい競争心が低いし、克服したい、2倍速で仕事ができるようになりたい、なんて気持ちが少なめです。(おいおい)
目標が見つからなくとも、こういう思いを持って過ごしたい……とか、それくらいの軸みたいなものはあったらいいなあ。そう考えながらこのコラムを書きはじめて、思い出したことがありました。
いつもの美容院で感じていたこと
かれこれ同じ美容院に7年ほど通っています。私の担当は店長で、ベテラン美容師。当初アシスタントスタッフだった方は独り立ちし、今はまた新たなアシスタントの方がシャンプーしたり、ドライヤーをかけたりしてくれます。
その彼はまだまだ半人前のようで店長から叱られることも。(お客の前なのでソフトな指導を目にするくらいです)
すると、めげずに「次は、ドライヤーかけるのもっとうまくやりますね!」と言ってくれる。実際次回はほんの少し乾かし方が変わり、気持ちがいいんです。
どんどん成長するアシスタントさんたちに励まされ、さっぱりした心持ちになれる一方で、私は変わり映えしないなあ……とモヤついていました。
その仕事ぶりに胸がスカッとした日
ある日のこと。私のオーダーはカットとパーマでした。パーマはいつも3人掛かりで下準備。いつものアシスタントさんが他の仕事の手が離れずにいたら、スッと別の方がサポートし始めました。
どことなく年若く見えるし、修行中のアシスタントさんかな? そんなことを思いつつ私との会話にも自然と入ってきてお喋りが弾みます。そうこうするうちに「あ、僕はスタイリストです」と言うではないですか。(スタイリストは、お客様の指名がとれてカットを単独で行えるそう)
「今ちょうど予約が途切れたし、こっちが忙しそうだし、久しぶりに店長を手伝おうと思って」と喋りつつ手はテキパキと動いています。
けれど店長は「でも僕のサポート久しぶりだからか、指示したのと違うロットを巻いてるじゃん。間違えてるよ、そこ!(笑)」と、手厳しい一言。
「あれれ、すいません! やり直しますね。ここは違うのかあ、えへへ」なんて言いながら、下準備がある程度完了すると会話のきりがいいところで自分の仕事に戻っていきました。
その光景に、胸の奥でつかえていた何かにスカッと空気が通った気がしました。
先輩だからアシスタント業務はやらないとか、後輩だからすぐ手伝いにいかなくちゃとか、そういうしがらみを感じず、ただ素直にサッと手を伸ばせるってすごい。しかも、途中で手伝ったのに間違えるという、私なら萎縮して平謝りしてしまうところをフラットな感じでスイ〜ッとやり取りして。
そこには信頼感しか漂っていなくて、ああ、この美容院に通っていてよかったと思った瞬間でした。
じわりじわりと円を広げるように、成長したい
昨年は仕事面でもプライベート面でも、とにかく手探りで目の前にあることを片付けていたら時が過ぎていたというのが実際。何か思いをもって、という姿勢を取っている余裕がなかったのです。
そのせいなのか年末で燃料が途切れて、今年はどうしよう?と燃え尽きていたのかも。このエピソードを思い出したら、うっすらと見えてきたものがありました。
きっと、私には大切にしたいことの基準があって、そこを無視せずにできる冒険ならしてみたいのかも。
目の前にあることを、どれくらい面白がれるか? ちょっとだけはみ出して楽しんでみようか?
その成長は右肩上がりにではないかもしれないけど、じわりじわりと円を広げて、螺旋状にゆっくりと上げていけたら。
▲2021年のカレンダーは週めくりに。
あとは誰かが「ああ、なんとかうまくいった」とホッとする姿を見るのが好きなので、その一助になるような動きができるならしたい。それはもちろん自分を投げ出してまでではなく。必要かどうかを相手に確認するよりも前にサッと手が伸びるなら伸ばせればいい。
パーマがまだ少し残った髪を眺めていたら蘇ったエピソード。これをきっかけに心に火を灯せたようです。今年は何かをやり遂げる!という目標を立てずに、この思いを持って歩いてみようと思った年始でした。
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