【スタッフのお宅訪問】第3話:リノベも旅の途中。余白を楽しむリビングスペース
編集スタッフ 石川
全3話でお届けしている、スタッフ野村のお宅訪問特集。
2話目では、日々暮らしながらベストな使い方を模索しているという、ダイニングキッチンやパントリーについて聞きました。
3話目では、リビングやワークスペースと、収納の工夫について聞いていきます。
▲野村宅の間取り。今回は、リビングスペース(間取り図右)を見ていきます。
余白を残した「リビング」は、どう飾ろうか吟味中
▲当店のプレイリストの作成も担当している音楽好きな野村。レコードたちは夫の趣味だそう。レコード棚/IKEA
リビングスペースには、装飾や小物は少なめ。まだまだ余白がたくさん残っている空間になっています。
野村:
「本当は、『ここはこう飾ってみたい』という構想が最初からあるんです。ただ、やっぱり好みに合うものをすぐに見つけるのは難しくて。
初めから作り付けにせず、壁にはあとからネジや釘などを打ち付けられるよう木の下地だけ貼ってもらっているんです。
今はレコード棚の周りに、飾り棚をつけたいなと考えているところです」
野村:
「それに、ソファの横の壁にはライトをつけたいなともずっと考えていて。
先日やっと、気になっていた作家さんのものを購入したのですが、届くまで半年かかるとのこと。TVの周りも、これからどう味付けしていこうかなと検討中です」
夫婦の過ごし方を考えて作った、ワークスペース
リビングスペースのさらに奥には、2畳ほどのワークスペースがあります。
野村:
「施工の段階で、今後はこれから夫婦ともに自宅で仕事をする機会が多くなりそうとわかっていたので、あらかじめ設けることにしました。
二人で並んで座れるほどの幅はないので、普段はこちらとダイニングテーブルとで分かれて仕事。日によって場所を交代しています。
ワークスペースを設けた分、隣り合うベッドルームに窓がなくなってしまったので、間の採光口は、通気口も兼ねて開けられる形にしました」
野村:
「将来的には、ワークスペースとリビングの間に壁を作って部屋をつくることもできそう。
いずれライフスタイルが変わったときも使い方をフレキシブルに変えられるスペースを持たせたことで、暮らしを長い目で見られる気がしています」
シンプルをつくるために散りばめた「ちょこっと収納と専用コンセント」
モノが少なく、すっきりと整った野村宅のリビング。どんな工夫がシンプルな空間づくりを叶えているのでしょうか?
野村:
「部屋の角にあたる部分をデッドスペースにせず、細かく収納棚を設けたことが活きているのかもしれません。
細々としたものはなるべくこの『ちょこっと収納』にしまうようにしていますが、生活の導線上にあるので、モノを出しっぱなしにせず済んでいます」
野村:
「もうひとつ、ちょこっと収納同様にさりげなくこだわったのが『コンセントの位置』です。我が家はあまり広くない分、目を引く家電は収納しながら使えるようにしたくて。
例えば、掃除機をしまったまま充電できるようにクローゼットの中につけたり、Wi-Fiのルーターも隠せるよう、初めから棚の中に専用のコンセントを作ったりしました。
自分の生活の導線や、暮らし方のクセに合わせてつけてあるので、ほかのスペースがすっきりするだけでなく、暮らしのなかの小さなストレスもぐんと減りました」
▲寝室の角のスペースに設けられた棚の中にも、アイロン用のコンセントが。
仮の状態から脱出して、「選ぶ」一歩を踏み出したところ
野村:
「これまで賃貸で部屋づくりをしているときは、我が家の場合はインテリア選びも “仮” という気持ちを持っていた気がします。『間取りが変わったら使えなくなるのでは』と思うと、これが欲しい!と思ったものよりも大きく妥協したものを選んでしまっていて。
けれど今は、これから長く使えるものを、という心づもりで、より気長に選べるようになりました。
もともと、何かを選ぶ時には『これだけ調べたんだから、他に選択肢はないだろう』と思えるくらい調べたいタイプなのですが、そんな風に検討する時間も、今はさらに楽しめています」
▲ダイニングテーブルは壁の幅に合わせ、益子の「仁平古家具店」にセミオーダーしたもの。ダイニングチェアは今も探しているところだそう。
家づくりは、どうやら旅の途中らしい?
野村:
「家を購入してリノベーションするとなると、住まいの環境はしばらく動かしがたいものになってしまうから、最初から全部決めてしまうことへの怖さももちろんありました。
とはいえ、完璧を目指すとなると予算もどんどん上がっていってしまう、という現実的な壁にも突き当たって、結局は早い段階で、100点満点は諦めることにしました。
でも、『満点じゃなくていい』と考えるようになったら、むしろ気が楽になって。
譲れないところだけしっかりこだわった上で、それ以外のところは直感で選ぶ、と線引きをしたから、家づくりにまつわるたくさんの『決める』という行為も、苦にならずに進められました」
野村:
「なくてもなんとかなる装飾などは設計の段階ではなるべくつけず、後から自分で取り付けられるようにしたことも、良かったなぁと感じています。
インテリアを決めるタイミングに余裕をもたせたことで、『今決めなくては』と焦らず、心のゆとりをもってこれからの暮らしに向き合えている気がするんです」
野村:
「もちろん、家づくりのなかで、失敗したなという部分もあります。パントリーや下駄箱の棚板の枚数が、想定より余ったり足りなかったりだとか。
でも、致命的というわけではないから、暮らしていくうちにきっとなじんでいくはず。
だから今は、このまっさらな家とともに、同じスタートラインに立った気持ちです。お互いにこれからどう良くしていこうか?と話し合いながら、新しい旅路をゆっくりと歩いていけたらいいなと思っています」
野村の自宅で過ごしていると、自然と心がラクになる気がしていました。それは野村が、家づくりも旅の途中と考えて、楽しんでいるからだったのかもしれません。
いざ家や部屋のことを決めようと思い立っても、膨大な選択肢に心がざわついてしまうことが多かった私。けれど、野村の家づくりを見ていくうちに、そんな住まいに関する心の構えがふっとゆるまっていったのでした。
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なにも飾っていないままの壁や、空いたままになっている棚がずっと気になっていたけれど、いいと思える飾り方や使い方が見つかるまでは、まだこのままでいいのかも。
そんな風に、余白さえもおおらかに楽しめば、住み慣れた我が家のことももっと好きになれそうな気がしてきました。
今回登場した、スタッフ野村が選曲したプレイリストはこちら
*SpotifyやApple Musicはインターネットを使った音楽ストリーミングサービスです。アプリのダウンロードは無料で、PCやタブレットやスマホから利用できます。
(おわり)
【写真】木村文平
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