【45歳のじゆう帖】習いごとのよさ
ビューティライターAYANA
習いごとをはじめた息子
小学一年生の息子がこの夏、スイミングに行きはじめました。はじめての習いごとです。
彼の保育園時代に私はそれなりに悩んでいました。
周りのお友達は何かしらの習いごとをしていて(スイミング、英語、サッカー、バレエ等)、うちも何か通わせたほうがいいのだろうか?という焦りのようなものもありましたし、親としては、息子に熱中できることや好きなことをみつけて欲しい、という気持ちもありました。
仕事でお付き合いのある方に以前相談したら「私のときは子どもの適性を知るために、とにかく片っ端から見学に連れていき、色々な習いごとに触れさせて様子を見たよ」と仰っていました。
その親心とバイタリティに感服しつつ、息子の意思も尊重したいと思い、ふとしたときに「水泳習ってみない?」とか「お友達は色々やっているけど、あなたは何かやってみたくない?」と訊いていたのですが、彼の答えはいつも「別に何も習いたくない」でした。
そう言われてしまうと、無理強いするのも悪いし、でも、何もやったことのない状況で「これがやりたい」という意思を持つのも難しいよなぁ(だからこういう答えになるのかも)……など、頭はいつもグルグル。仕事が忙しいのを言い訳に、なんとなく先延ばしにしている自分がいました。
そういえば、去年一度「空手はどうかな?」と思い立ったものの、道場が閉鎖……なんてこともありましたっけ。
今回のスイミングは、たまたま近所のジムでジュニアクラスが開講するタイミングに出くわし「とりあえず一回だけ」と誘って連れて行ったら、割と楽しそうにやっていたから。
それでも「入会は大丈夫」と言っていたのですが、「ちゃんと時間をかけて泳ぐことを教えてもらう機会はなかなかないんだよ」と説明したら、納得してくれたのか、はじめてみることになりました。
始めてみると見えてくる景色
まだほんの数回ですが、見学をしていると、最初の段階では水に顔をつけるのも恐る恐るだったのが、今やビート板を使ってバタ足をすることができるようになっていて、その習得の速度には目を見張るものがあります。
息子にはもともと「失敗することが許せない」「うまくいかないくらいならやらなくていい」といった、自信のなさを見せる側面がありましたが、最近は「練習することで少しずつできるようになっていく」ということを、経験を通して会得している感じがします。
あきらめずにトライすることや、今日は気分がこれ以上乗らないからやめるね、と区切りをつけたりすることがずいぶん上手になりました。
彼のなかに少しずつ成功体験のようなものが蓄積されていっているからだと思います。きっと小学校での色々な経験にも学んでいるのでしょう。
そう考えると、今が彼にとってスイミングをはじめるいい頃合いだったのかもしれません。
先生や仲間から色々なことを教わって、自分が変化していくさまを楽しんでもらえたらと願っています。そして、習いごとの醍醐味って、適正を知る、技を会得するなどすべてを含めて「自分の変容を味わうこと」なのではないかと改めて勉強になった思いです。
自分が変容していくさまを楽しむこと
私自身は、習いごとをうまく活かせない人間だったなと思います。
水泳もピアノもすぐやめてしまいましたし、社会人になってからは、メイクアップアーティストの養成学校、WEBデザインの学校、ライター講座、アロマテラピー講座、アーユルヴェーダのクラス……結構色々なものに行ったけれど、行くことが目的となって、そこで自分がどう変容していけているか、ということを振り返ったりしていませんでした。
どこか「ここに行けば自動的にスキルが身につく(だってお金を払っているんだし)」と思っていた節があり、またすぐに結果を求めるため、思い通りに会得できないときはやる気を削がれたり、講座に対して不満を抱いたりしていました。実に情けないことです。
今思えばすべてのことはうっすらと仕事に役立っていて、だから「行かなければよかった」と後悔するものはないのですが、純粋にその内容をじっくりと味わったり、うまく行かないときに「じゃあこうしてみればいいんじゃないか?」とトライしたりすれば、もっと世界が広がっただろうになと思ってしまいます。
その反省を息子に対する接しかたに活かしながら、これから私自身がはじめる習いごとがあれば、そのときはぜひ思い切り、自分の少しずつ変容するさまを心ゆくまで味わいたいと思います。
【写真】本多康司
AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram:@tw0lipswithfang http://www.ayana.tokyo/
AYANAさんに参加してもらい開発した
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メイクアップシリーズ
AYANAさんも立ち会って制作した
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