編集スタッフ 糸井

毎日やってくるご飯の時間が、ほんの少しでも気分の上がるものになったら嬉しいもの。そのなかでも器というものは、手軽に、でも大きな力を持って日常を彩ってくれるアイテムだと思うのです。

器の力を存分にかりて、毎日の暮らしを少し上向きなものにできたら……。

そんな思いから、この特集では私達の食卓にいつの間にか「定番」として染み付いた北欧の器をご紹介します。

1話目では、ワンプレートで使いたい、24cm前後の平皿シリーズです。

 

ジュエリーなガラスの器

ジュエリーのような外見の、2種類のお皿。

左は、フィンランド語で「露の雫」という意味を持つ、iittala（イッタラ）のカステヘルミ。1964年にデザインされ、愛され続けている人気シリーズです。

大小の雫がたくさん並んだデザインは、何ものせていなくても、のせていても眺めがいいです（イッタラ社は、ガラス吹き職人ピーター・マグナス・アブラハムによりガラスメーカーとして創業した、1881年から続くフィンランドの老舗ブランドになります）。

直径は24.8cmと大きめ、主菜やパスタ1人分を綺麗に盛りつけることができるサイズですよ。

右のお皿は、デンマークにあるDANSK社のつくる、「バブルコンフェティ」。その名の通り、あわのようなドット柄が特徴で、これはすべてハンドペイントで施されているもの。繊細な宝石が散りばめられたような見た目と、重みのあるフラットな佇まいは、食卓にあるだけできらびやか。当店の人気定番アイテムです。

ダンスク社は「デンマーク風」という意味から「DANSK」と名付けられ、1954年に設立。現代的で機能性に富むダンスクの製品は、デンマーク王室やルーブル美術館などのコレクションにも加えられているもの。

透明のカステヘルミも、カラフルなバブルコンフェティも、シンプルに済ませる朝食のレパートリーを彩るのにおすすめです。

たとえば、食パン１枚でも◎。大人買いしたケーキを2、3種盛り付けるときも気分の上がる眺めに。

 

どんな料理もうけとめる、カラーマッチングな器

イッタラ社の不朽の名作・ティーマ。カイ・フランクのデザインにより1952年に生み出されて以来、世界中で愛されつづけているシリーズです。

ピンクにグレーに、イエロー。やわらかなカラーリングがかわいらしくも、料理にはどうかな？ と思うところですが、使い始めると、食事の大半をカバーしてくれるもの。

気負わず使えるほどよい厚みと、立ち上がったリムは、どんな料理でも受け止めてくれます。

▲後ろのロゴマークも何気なく可愛らしいもの

大きい26cmのプレートは、「何かと便利」なサイズ。主役のおかずをどん！と盛り付けてテーブルへ出したり、ワンプレートとして使ったり。トースト、フルーツ、ソーセージなどの朝食メニューにも。

電子レンジやオーブンも使えるのも嬉しいです。

 

毎日使っても飽きない柄の器

こちらの柄物の器は、3つともARABIA社（アラビア）のもの。

左は、フィンランドを舞台にした、映画『かもめ食堂』のワンシーンで登場したプレート、アラビア社・Avec（アベック）シリーズの器。柄はありつつも、毎日つかって飽きのこないシンプルさがポイント。

中央は、TUOKIO（トゥオキオ）シリーズ。｢TUOKIO」とは、｢つかの間の時、瞬間｣という意味。

筆で手描きしたような粒模様は、その一粒一粒が藍色のグラデーションのようになっています。

そして右が、ARABIAブランドの代表格、パラティッシのブラック。フィンランド語で「楽園」という意味を持つparatiisi（パラティッシ）は、魅惑的なフルーツの絵柄が食器全体に贅沢に描かれ、絵筆のタッチもすてきで眺めていたくなる、そんな美しいシリーズです。

大胆な絵柄には目を奪われますが、食器としてのフォルムは至ってシンプル。どっしりと厚みのある造りでとても丈夫。

そのアラビア社は、1873年、フィンランド・ヘルシンキ郊外の「アラビア」地区に創業して以来、すぐれたデザイン性・芸術性を保ちながらも、使い勝手に配慮した実用的な陶器を発表し続けるブランドです。

どれもパンをいくつかのせ、ワンプレート化できるくらいの包容力のある大きさで。朝はトーストや目玉焼き、昼はパスタをこんもりと、夜にはソテーしたお肉やお魚を。

どんなお料理も受け止めてくれる、ほどよいサイズ感と素敵なデザインが魅力ですよ。

（つづく）

【写真】上原朋也

▼今回ご紹介した器はこちらから

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もくじ

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