【じゆうなカーテン】前編:気分転換しよう。ミシンや縫製いらずの「お手軽カーテン」で模様替え

編集スタッフ 糸井

模様替えをした日は、気分がなんだか高揚します。そしてあたらしい季節が始まるタイミングは、ちょっと気分を変えたいなと部屋を見回すことも多くって。

なかでも気になっていたのが、「カーテン」。大きな面積を占める窓際を一新したら、きっとイメージはぐんと変わる気がしたんです。

でも買い替えるのは、大抵引っ越すタイミングなど(お金や手間も大変なイメージもありますし)。それをもっと気軽に、いつでもカーテンを変えることができたら、もっと模様替えが楽しくなる気がしています。

この特集「じゆうなカーテン」では、インテリアコーディネーターの小林夕里子(こばやし・ゆりこ)さんに、カーテンをじゆうに楽しむ方法を教えていただきました。

前編は、基本のシンプルな白いカーテンを仕立てる方法をご紹介。簡単にすてきに仕上げるためのコツがいくつかあるようです。

 

カーテンをじゆうに楽しむようになってから

小林さん:
「カーテンに興味を持ったのは中学生ぐらいから。ちょうど自分の部屋を持ったのがきっかけです。

その時はカーテンって、ちょっと気分が変わったからといって簡単に付け替えることができないものと思っていて。だったらいっそシンプルに『私の部屋はブラインドがいい! 』と選んだのがはじまりでしたね。

海外のようにもっと天井が高い部屋であれば、大胆なドレープも映えるし、あえて床にカーテンが垂れるほどの長さにしても素敵だと思うのですが、日本の住宅の構造上、それはむずかしいものもあって。

でも今はこんな風に自分で手軽に仕立てて、気分に合わせてイメチェンできるのも楽しそうだなと思っています」

 

STEP.1
生地選びのコツ

私自身カーテンづくりに憧れて、試しにネットで白い布を買ってみたことも。しかし出来上がりはイメージとは程遠い「のっぺり」とした見た目に……。そもそも、生地選びにコツはあるのでしょうか?

小林さん:
「布屋さんに行くと、たくさんの白い布があるのですが、おすすめの素材は、コットンかリネン。特にリネンは、自然とドレープが生まれやすいです。

厚みなどで迷ったときは、一度光に透かしてみると織りの表情がわかり、イメージが湧きやすいですよ」

小林さん:
「今回選んだ布は、麻80%、コットン20%のもの。これぐらいの透け感であれば、夜に電気をつけていても外から見えません」

 

STEP. 1
まずはカーテンの縦幅から

小林さん:
「縦幅は、リビングなどによくある大きな『掃き出し窓』であれば、ランナー下から床までの長さを測り、そこから1cmほど短くしたものを。

少し小さめの『腰窓』などは、窓枠に対して10〜15cmほど長く仕立てるのがおすすめ。光や冬の冷気を防げますよ」

▲小林さん宅の寝室にある腰窓。枠に対して長めに仕立てています。

小林さん:
「具体的な縦幅が決まったら、上部にだけプラス5cmの余白を設け、マチをつくります。このマチがあることによってドレープができやすくなります(カーテンは、ドレープが生まれると表情が出て、より美しい見た目になるんです)。

やり方は簡単。上部5cmほどをアイロンでプレスして、型をつくるだけ。

縫ったりしなくてもこれで十分パリッと仕上がり、立体的なドレープが生まれてきますよ」

 

STEP. 2
横幅を決めたら、ハサミでカット

小林さん:
「横幅は、窓枠に対して1.2倍の長さが目安。横幅ぴったりにすると、光が漏れてしまうのと、ドレープが出来る余裕がないことでカーテンの表情がのっぺりとしてしまうんです。こういった無地の白いものは、特にそう見えやすいので、横幅のゆとりが大切です。

あとは寸法通りに仕立てていきます。布屋さんで買うときに寸法通りに切ってもらってもいいのですが、私は少し大きめに買って帰り、自分で切り直して、より綺麗なラインに整えています。

裁ちばさみがなければキッチンバサミなどでも大丈夫です。片方を軽くピンと引っ張りながら切ると、うまく切ることができます」

 

STEP. 3
カーテンクリップをつけたら完成!

▲青い糸は「セルビッチ」と呼ばれるほつれ止め

小林さん:
「カーテンクリップは、100均などで気軽に手に入ります。

クリップをつける間隔(ピッチ)のコツとしては、ピッチが短くなるようにたくさんクリップをつけると、その分ひだの山がたくさん出て、立体的に。

反対にクリップを少なめにすると、布がストンと落ち、よりラフに仕上がるイメージですね。今回は少なめに、15cm間隔目安でつけています。

ちなみに、布の端は特に縫製せず、あえて切りっぱなしにして、ラフに仕上げても素敵ですよ。洗濯するときも私はこのまま洗っています。もし気になる場合は、元々生地の端がほつれ止めされているタイプを買うのがおすすめです」

 

+α
小林さんの自由アレンジ

小林さん宅の寝室にある腰窓のカーテンも、自作したものだそう。両サイドにある黒いラインも、オリジナルで描いたのだとか。

小林さん:
「たまたま椅子を黒く塗るときの水性ペンキが余っていたので、両端をペンキで塗って、ラフに線を描いてみようと思って。とはいえ、ペンキがしっかり付きすぎると線が強くなるので、かすれ気味に描いてみました。

これだけで立体感が出てきて、気に入っています。洗濯しても色落ちがなく、気にせずに洗っていますね」

そんな基本のカーテンの作り方。この通りにしたら、自分の部屋のカーテンも簡単に模様替えができそう! とワクワクしてきました。秋の涼しい風が入ってくる季節に、窓辺の雰囲気を気軽に変えられるのもとても嬉しいです。

後編では、手持ちの布や柄のある布をつかった、手軽なカーテンについて紹介します。

 

(つづく)

【写真】上原朋也

 

もくじ

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小林夕里子

こばやし・ゆりこ/大学卒業後、就職したのちインテリアコーディネーターの資格を取得。2007年に株式会社イデーに入社。ショップ副店長を経て、VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)担当に。全国の店舗ディスプレイ監修や、ウェブやカタログのスタイリング、VMD講師も務める。個人名義の著書に『暮らしを愉しむお片づけ』(すばる舎)がある。
Instagram:@yuricook


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