【訪ねたい部屋】01:賃貸の1LDKにふたり暮らし。デザイナー夫婦のお宅を訪問しました
編集スタッフ 藤波
引っ越す前はあんなにすっきりとしていた部屋に、だんだん増えてきたお気に入りたち。最近家を見渡すと、どことなく雑多なのが気になっていました。
もう少し部屋を垢抜けさせて、気持ちよく過ごせないものか……そんな時にYouTubeで見つけた「ヒゲとわたし」というチャンネル。
自宅のルームツアーを見てみると、決して物が少ないわけではない、むしろ多いのに、植物や古道具が居心地よさそうに、楽しそうに並んでいたんです。
しかも賃貸というのを知って、より興味津々。今回はそんな “ヒゲさん” と “わたしさん” ご夫婦のお宅を訪ねました。
都心から20分。メゾネットタイプの1LDK
都心から電車で20分ほど、住宅が集まる生活しやすい地域に住んでいるお二人。築19年の賃貸物件で、間取りはメゾネットタイプの1LDK。広さは59平米あります。
玄関に入ってまず驚くのが、この高い天井。大きく見上げるほどで、本当に賃貸? どうやって見つけたんだろう?と思うような広々とした空間です。
ヒゲさんはデザイン会社でデザイナーを、わたしさんは靴や鞄のデザイナー、美術設営アシスタント、YouTubeで発信したりと幅広く活躍されています。
それぞれ大学卒業後ロンドンで仕事や勉強をしていた際に出会い、海外生活が長かったそう。3年半前に帰国して、はじめて住んだ家がこちらの物件です。
不便もたのしかった。ロンドン生活のあれこれ
ロンドンで付き合った当初は古いアパートのシェアハウスに住んでいて、お二人の部屋は6、7畳ほどだったとか。
ヒゲさん
「冬場にボイラーの調子が悪くてお湯が出ず、鍋で沸かしてバスタブまで運んだり。お風呂の電気が故障していた時はキャンドルを灯して、思いがけずロマンチックなバスタイムになったり。
そんなサバイバルな生活が5、6年くらい続きました。不便なんだけれど、それでも楽しかったんですよね」
どんどん出てくる、驚きと笑いの思い出話。お二人にとって忘れがたい時間だったことが伝わってきます。
わたしさん
「いつかは帰国することを考えて、大きな家具や割れやすい器などを増やさないようにしていました。基本的には備え付けのものを使って、必要になれば知人に譲ってもらったりガレージセールで見つけたり。
結婚を機に二人で住むアパートに引っ越したことで、住まいへの考え方が変わりましたね。日当たりがよく広々して、無駄のない間取りの家で、週末は友人を招いたりもして。今でもあそこはよかったなと思い出すんです」
ヒゲさん
「英語ができないところからの渡英だったのですが、仕事面で『やり切った』と思えたことと、このまま永住権を取得するかどうかを考えなければならないタイミングが重なって。
色々と考え、次のチャレンジとして日本へ帰国して東京で働くことを決めました」
探したのは、「帰りたくなる家」
ところが、東京での家探しは難航したようで……。
ヒゲさん
「海外の家に住んでみて、高い天井だったり広々とした空間が、住まいに求める譲れない条件になっていました。
はじめは都心での生活にも憧れましたが、予算と相談するとどうしても狭くなってしまうので、理想の物件は全然なかったんです。
なので、職場からは少し離れてもいいから、 “帰りたくなる家” を探すことにしました」
ヒゲさん
「リノベーションの物件を中心に扱うサイトから4、5件内見に行ったけれど、難しかったです。最終的には知り合いの不動産屋で条件を絞って探しました。
この家は、部屋に入った瞬間広くていいなと思ったんですが、赤い階段がやっぱり目立つというか、気になるというか……。自分たちに住みこなせるだろうかという疑問も、正直頭をよぎりました。
もう一軒、通勤時間が長くなるけれど内装のデザインが好みの物件があったので、余計に悩んでしまって。
でも最終的には、第一印象で惹かれた天井の高さと、空間を広々と感じられる気持ちのいい抜け感、職場に通いやすい立地であることも後押しして、この家なら帰りたくなると思えたので決めた感じです」
迷いながらも、希望通りのユニークな部屋に出会えたお二人でしたが、住んでみてはじめて分かったこともあるそうです。
わたしさん
「賃貸には珍しく収納が充実しているのと、キッチンが3口コンロで調理スペースもしっかりあるところは最初から気に入っていました。
ただ、この家は夏は暑くて冬は寒いんです。空間が広いので、なかなか空調が効かないんですよね。効率を考えて、吹き抜け部分に大きな布を貼って空間を区切ろうか、真剣に悩んだくらいです。
今はリビングのホットカーペットの下にアルミシートを敷いて、サーキュラーで温かい空気を循環させています。それでも寒い時には自分たちが着込んで温かくすることも。
窓の結露も悩みの種でしたが、除湿機を購入したり、窓に結露防止のシートを貼ったりして対策しています」
赤い階段と、黄色いキッチンと
家の真ん中、ひときわ目をひく赤い階段。すっかり馴染んでいるように見えますが、インテリアとしてハードルは感じなかったのでしょうか。
わたしさん
「この家は元からカラフルな要素が多いんです。階段だけじゃなくキッチンの戸棚の扉が黄色かったり、ベランダの柵は青色だったり。
すごくユニークだけれど、インテリアとしては少し難しいですよね。 入居当初は階段のステップにベニヤ板をはろうか、手すりに布をかけようか、色々と検討しました」
ヒゲさん
「あれこれ検討はしましたが、現実的な案はあまり出ず。
階段のステップに観葉植物を置いたことと、過ぎた時間のおかげで、まる3年経ってようやく自分たちに馴染んできたように感じます」
トレードマークかと思っていた赤い階段も、ようやく馴染んできたというのがなんとも自然体なお二人。
理想ぴったりの家はなかなか見つからなくても、自分たちにとって譲れない軸がはっきりしていたからこそ今の家に出会えたのだと分かりました。
第2話では、まる3年付き合ってきた家、その部屋づくりのモットーについて伺います。
【写真】メグミ
もくじ
ヒゲとわたし
デザイナー夫婦のふたり暮らしの日常をSNSなどで発信中。YouTubeは@hige_to_watashi、Instagramは@204_apartmentから。
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