【あの人のバッグ】大好きなヴィンテージラグを、身軽なポシェットにリメイク。カバン作家さんのバッグの中身
編集スタッフ 吉野
リップに手帳、お財布、ポーチ。名前をみるだけで心おどる、そんなアイテムたちが一堂にあつめられた「バッグの中身」には、そこかしこに 「その人らしさ」 が詰まっているのかもしれません。
特集「あの人のバッグ」は、気になるあの人のバッグやポーチの中身を、あれこれ聞いてみる連載シリーズ。
今回のバッグの持ち主は、古着やヴィンテージ生地など、様々な生地を使った一点もののカバンを制作している、『CHAFF』のデザイナー・松林由季奈(まつばやし ゆきな)さんです。
ーバッグとその中身ー
イエロー×モノトーン、チェック柄。
元気の出る一目惚れアイテムたち
左から時計回りに
・ラグポシェット / CHAFF
・ハンドタオル / FUJITAKA TOWEL GINZA(西川©友美コラボ)
・iPhone
・鍵(キーホルダー)/ 岡本太郎展
・ポーチ / 自分で古着をリメイクしたもの
・財布 / Maison Margiela
松林さん:
「持ち物を選ぶ時は、自分の中で『ビビビッ』と来る感覚を頼りに過ごしています。色味や配色がツボ、と感じて手に取ることが多いかもしれません。
あとはデザインやサイズ感、使い心地が良いものは、気に入って使い続けています。夫からのお下がりで使っているお財布も、そんなアイテムの一つ。二つ折りの、このサイズ感が丁度良いんです」
松林さん:
「こちらは、配色とチューリップ柄に一目惚れして購入したハンカチ。ふらっと立ち寄ったお店でたまたま見つけたものです。
アトリエをオープンする際にはいつも花を飾るのですが、チューリップは売っていたら必ず選ぶほど好きな花。
日によって、茎からくたっと下に垂れていたり、葉っぱがくるっとカールしていたり。表情が毎日変化するところが面白いなあと、つい観察してしまうんです。
イエローとモノトーンという、好きな色の組み合わせも相まって、すごく気に入っています。ガーゼ素材がふんわり柔らかくて、使い心地が良いところもポイントです」
松林さん:
「古着から作ったこのポーチは、元気が出る柄と、使いやすいサイズ感がお気に入りです。あまり物を持ち歩かない方なので、このくらいの大きさがちょうど良くて。
生地は、カバンを制作するときに余ったものを使いました。古着は日頃からよく着ていて、こんな風にリメイクしても楽しめるので本当に魅力的だなと感じています。
自分用のポーチを作るのはこれが2回目。実は独学でミシンを触るようになり、練習を兼ねて初代のポーチを作ったことが、カバン制作のきっかけだったんです」
大好きなラグと、いつでもどこでも一緒
松林さん:
「お気に入りのカバンは、ヴィンテージラグをカットして制作した、馬柄のポシェット。
正面のラグ素材、裏面のレザー素材、両サイドのウッドビーズ、という異素材の組み合わせで、手触りの違いが楽しいんです。
素材に耐久性があったり、内ポケットがついていたりと、使い勝手がいいところも気に入っています。
ヴィンテージラグは元々好きで、アトリエには何軒も回って見つけた理想の1枚を敷いています。ラグの上を歩いた時に足に伝わる特別感や、空間を分けてくれるところが好きで。そんなラグをポシェットとして持ち歩けることが、個人的にとても嬉しいですね。
このポシェットを持って出かけた先で、初めて出会った方から『そのカバン可愛い! どこのですか?』と話しかけてもらったことも。こんなふうにカバンをきっかけで人と繋がることが、何度かありました。
これからも様々な人との素敵な出会いを大切に、自分が好きと思えるものづくりを続けていきたいですね」
ーポーチの中身ー
黙々と作業する時も
BGMで楽しく、心地よく
左上から時計回りに
・リップスティック / Celvoke
・常備薬
・AirPods
・目薬
・ミラー
松林さん:
「仕事中や外での移動中には、AirPodsでラジオを聴いています。お笑い芸人さんが好きで、主に芸人さんの番組を。
基本的に一人黙々と手を動かす作業なので、ラジオをBGMに、時々大笑いしながら作業できるのが楽しいです。同じアトリエで仕事をしている夫と一緒に聴いて、同じタイミングで笑うことも。
笑いながら楽しく作業できる環境が、すごく居心地が良いんですよね。
メイクは、目元とリップに好きなオレンジを使うことが多いです。『Celvoke(セルヴォーク)』のリップは、初めは似合うかドキドキだったのですが、今とてもお気に入り。イエローとほんのりオレンジな色味が絶妙なんです。
冒険してみるときには、友人からおすすめを聞いて、ひたすら試しています。そこから意外としっくりくるものが見つかることも。気に入ったアイテムは、長くリピートしてしまいますね」
お気に入りのアクセサリーは?
左上から時計回りに
・ピアス / 古着屋にて購入
・シルバーリング / Jouete
・ストーンリング / gram
・スクエア型リング / mina.jewelry
松林さん:
「贈り物のシルバーリングは、ウェーブしたチェーンのような、ちょっと変わったデザインがお気に入りで大切に使っています。
スクエア型のリングは、オーダーメイドの結婚指輪。カラー、デザイン、質感、刻印など、細部までこだわって作っていただいた一点ものです。
ストーンが付いたリングは、落ち着いた発色のタイガーズアイに出合って一目惚れ。ストーンは、キラキラしたものが似合わないなあと遠ざかっていたのですが、このストーンなら!と思い、選びました」
笑顔でいられるBGM。ラグを踏んだ時の特別感に、チューリップの表情の変化。
松林さんは自分の気持ちがうきうきするタネを、様々な角度から、自然に取り入れているのだなあ、と感じました。
次回はどなたのバッグが登場するのでしょう。お楽しみに。
【写真】松林 由季奈
松林 由季奈
カバン作家。代官山にあるアトリエ『CHAFF』でカバンを制作。使用する生地は、古着やヴィンテージ生地、オリジナル生地など様々。カバンのほとんどは一点もので、サイズ感や使用する生地・素材の組み合わせがそれぞれ異なる。ときどきアトリエを開店し、カバンを販売している。Instagram:@chaff_original
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