
今年こそは自分の身体を健やかに整えてあげたい。でも日々の忙しさを理由にあまり運動習慣をつけないままに今まで過ごしてきてしまいました。
そこで今回は、何かをしながらでもできる簡単なストレッチ・トレーニングを、元体操日本代表選手であり、現在はタレント・指導者として活躍する田中理恵さんに教わりました。
前編では、家事をしながらできるストレッチをご紹介しました。後編の今回は、デスクワークの多い方必見の椅子を使ったストレッチを教えていただきます。
前編を読むLesson 03
椅子に座ってできる「簡単ストレッチ」
・椅子に浅く腰掛ける
・膝をかかえて、身体に引き寄せる
・30秒〜1分ほどその体勢をキープ
・身体をひねって背もたれをタッチ
・左右交互に、30秒〜1分ほど続ける
・足が床から離れないように注意する
・片方の足首を、もう片方の膝上にのせる
・曲げたほうの足を押さえながら、身体を下方向にたおす
・30秒〜1分ほどその体勢をキープ

田中さん:
「今回は、デスクワークが多い方や、お家でちょっと一息ついて椅子に座った時にできる『ながらストレッチ』です。
もも裏やお尻まわりをストレッチすることで、血液の循環が良くなったり、足のむくみが少し和らぐと思います。お尻まわりが凝っている方は案外多いと思うので、ぜひやってみてください。
身体をひねるストレッチは、やっているとじわじわとあたたかくなってきます。それを感じながらトライしてみてください」
ワンポイントアドバイス
>椅子に浅く腰掛ける
お尻の骨(尾てい骨)が、椅子に当たる感覚を大切に。自然と背筋が伸びる姿勢になります。
>背中は丸めない!
どのストレッチの時も、背中が丸くならないように注意。ストレッチの効果が無くなってしまいます。
>足は床から離さない!
身体をひねるストレッチの時は、足裏しっかり床につけて行いましょう。そうすることで凝り固まった筋肉がしっかりほぐれる運動につながります。
ストレッチが、「日常」になるように

誰もができて、続けやすいストレッチやトレーニングをYouTubeチャンネル「Riefit」を通して発信し続けている田中さん。始めたきっかけも伺ってみました。
田中さん:
「『Riefit』を始めたのは、コロナ禍がきっかけでした。思うように外出もできなくて、家の中で落ち込んでいたり、身体を動かさないから気分が晴れないという話を周囲からたくさん聞きました。
私自身は、家の中でも欠かさずストレッチを続けていたので、ストレスを大きくは溜め込んでいなくて。ストレッチをするだけで自分の心と身体の今の状態を知れて、『よかった』という気持ちになれたんです。
だからストレッチを通して、いろんな方のお家での過ごし方が、少しでも楽になるヒントになれたらと思ったんです」

田中さん:
「ストレッチは、自分の身体の状態を知って、自分自身の心と向き合う時間。これは現役の体操選手だった時からずっとそうでした。
体操競技は『平常心』がとても大切なスポーツ。心と身体が繋がっていないと理想の演技ができないんです。今日はどんな練習をしたいのか、どんなふうに動きたいのか。常に自分の気持ちと動きを把握して、自分自身と会話することを大切にしてきました。それを叶えていたのがストレッチでした」

田中さん:
「私にとって、ストレッチは『心と身体を繋げてくれるもの』。体操選手を引退して、より強くそう思うようになりました。
現役時代は、目標に向かって『絶対にやり遂げるんだ』という闘争心と常に向き合ってきましたが、引退して家族と過ごす時間が増えてからは、日々の中であれもこれもしないといけないという忙しさの中で生きている自分の気持ちと向き合うことが増えました。
日々の中でイライラと不機嫌を溜め込んでしまわないように、ストレッチは『自分のご機嫌を自分で取る』ための時間にもできるなぁと。1日の中で数分ストレッチをするだけでも、いろんな方の心がふっと軽くなってくれたら嬉しいなと思います」
***

プロの体操選手時代から今までずっと、ストレッチが自分の心と身体を繋げてくれた、という田中さんのお話が印象に残っています。
それは、プロだけでなく、日常のさまざまなシーンで奮闘する私たちみんなにも、開かれたものであるということに、希望を感じたからかもしれません。
デスクワークが多い私も、仕事のキリのいいところで1分ストレッチをするようにすると、身体も心もいつもより少し軽やかになっている気がします。
すきま時間が見つかった時、ほっと一息つけた時、ぜひ今回ご紹介したストレッチを試していただけたら嬉しいです。
(おわり)
photo & movie:ニシウラエイコ
hairmake:大西あけみ
田中理恵
元体操女子日本代表選手。ロッテルダム世界選手権では最も美しい演技で観客を魅了した選手に贈られる『ロンジン・エレガンス賞』を日本女子選手として初めて受賞した。「ストレッチをもっと気軽に、日常に取り入れてもらいたい」という思いからYouTubeチャンネル「Riefit」を立ち上げ発信中。
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