LIFESTYLE
【あの人のバッグ】歳を重ねたら「差し色」が楽しい。ガラス作家が選ぶ、かばんの中身
編集スタッフ 寿山
リップに手帳、お財布、ポーチ。名前をみるだけで心おどる、そんなアイテムたちが一堂にあつめられた「バッグの中身」には、そこかしこに 「その人らしさ」 が詰まっているのかもしれません。
特集「あの人のバッグ」は、気になるあの人のバッグやポーチの中身を、あれこれ聞いてみる連載シリーズ。
今回のバッグの持ち主は、吹きガラス作家として活躍する黒川登紀子（くろかわ ときこ）さん。見ているだけで胸がときめく色とりどりの器をつくりだす黒川さんのかばんには、どんなものが入っているのでしょうか。
ーバッグとその中身ー
日本各地のギャラリーやセレクトショップで
見つけたとっておきの小物たち
左上から時計まわりに
・キーポーチ/いわもとあきこ
・エコバッグ/kna plus（クナプラス）
・財布/kumono
・ポーチ/doinel
・アームウォーマー/monsakata
・ハンカチ /ギャルリー百草
・展示会のDM
黒川さん：
「ギャラリーやお店で個展をするときは、在廊中にお店に置いてある商品や作家の作品を絶えずチェックしてしまうんです。信頼できる店主が選んだアイテムを一度に見れるというのは、とても贅沢なことだなあと思いながら、その時々で『いいな、使ってみたい！』と思ったものを購入しています。
長財布は地元香川にある『nishinishi』というギャラリーショップで購入したのですが、kumonoさんという革小物をつくっている作家さんのものです。
コンパクトながらもしっかりとしたつくりで、小銭やカードをたくさん受け止めてくれます。もともと彫刻を専攻していた方で、もの作りの土台がしっかりしているというか、使っていると堅実な人柄が感じられます」
黒川さん：
「エコバッグは、先日訪れた東京都美術館で色と目新しさに惹かれて購入したもの。
あとから土中で自然に分解し、焼却しても有毒なガスが出ない植物由来の『ポリ乳酸』と、ペットボトルを原料とする『再生ポリエステル』でつくられていると知って、愛着が増しました」
水や汚れにとても強い、布バッグ
黒川さん：
「バッグは『ベイラー』というブランドで、船によく常備されている布バケツと同じつくりのもの。容量は15リットル・ロングタイプを愛用しています。
長年布バケツを作り続けている工場で作られているので、水や汚れに強く耐久性もあります。形も素材もすべて気に入っていますが、筒状で底が丸いためモノが行方不明になりにくいところも好きです」
歳を重ねて好きになった黒のアイテム
左上から時計まわりに
・薬入れ/イケダユーコさんの箱
・ティッシュ入れ/KOHORO
・ハンドクリーム/FOOD FOR THOUGHT
・ポーチ/doinel
黒川さん：
「ポーチは東京の『doinel』で個展をしたときに購入したのですが、色のトーンを抑えたラインナップのなかで、黒いポーチがパキッと締まって素敵に見えたんです。
なかには本当に必要最低限のものしか入っていなくて、化粧品は持ち歩かないのですが、ハンドクリームだけは携帯しています。水を使う仕事なので手荒れがひどくて。こちらは『FOOD FOR THOUGHT』のオリジナルで、馬油ベースのもの。香りもつけ心地もとても気に入っています。
30代までは服も小物も色のあるものが多かったのですが、歳を重ねるうちに黒に惹かれるようになりました。最近は黒やグレーに差し色を合わせるのが楽しいです」
お気に入りのアクセサリーは？
黒川さん：
「真鍮やシルバーの指輪、ピアスは三留司さんのもので、細かいものの集合体のようなデザインが好きです。
陶器のイヤーカフとイヤリングはフジエヨシエさんのもの。存在感があり、モノトーンコーデのアクセントに身につけることが多いです」
＊＊＊
色の楽しみ方も歳とともに変化していく、そんな黒川さんが、これからどんな色のガラスを作られるのか楽しみです。
さて、次回はどなたのバッグが登場するのでしょう。お楽しみに。
黒川登紀子
吹きガラスで皿やコップなどを制作するガラス作家。子育てのため12年活動を休止したのち、2013年に復帰。ミルキーな色や淡く透ける色など、独特の感性で色付けされたガラスで人気を集める。Instagramは@k5trk
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