【特集|フィットする暮らしのつくり方】第2話:お料理も、暮らしも、欲張らない。
編集スタッフ 二本柳
(聞き手・文:スタッフ二本柳、撮影:鈴木静華)
料理家・飛田和緒さんのご自宅を訪ねて、おいしい常備菜が生まれる暮らしの様子をお届けしています。
第2話の本日は、私たちのなかでも特にファンが多い常備菜についてお話を伺いました。
著書『常備菜』で紹介されているレシピは、どれも1ページで完結しているシンプルなものばかり。調味料だって家にある基本のものしか使われていません。
そんなレシピに「常備菜ってこんな感じでいいんだ」とハードルを下げてもらったという方も多いのではないでしょうか?
飛田さんにとって常備菜はどんな存在で、どんな風に暮らしに寄り添っているのでしょう。
お料理も、暮らしも、欲張らない。
冷蔵庫に一品あるだけで、
夕方の自分を明るくしてくれる常備菜。
夕方なかなかコレという献立が決まらず、せっかくの料理もなんだか億劫になってしまうことってありますよね。
帰りの電車の中で「今夜、何作ろう?」と考えているうちに最寄り駅に着いてしまった…なんてことも、しばしば。
それは料理家である飛田さんにとっても同じこと。
だから、飛田さんの場合は “常備菜” を味方につけます。
飛田さん:
「夕方の電車のなかで『ああ、今夜はなにを作ろう』とどんよりしているよりは、冷蔵庫にあれがある!と思える方が嬉しいですよね。常備菜って、そんな存在だと思うんです」
調理の途中でやめたものだって、
すでに立派な常備菜。
(常備菜は野田琺瑯の容器にストック)
夕方にモヤモヤを抱える自分のために、予め冷蔵庫のなかに “常備菜” という救世主を待機させておく飛田さん。
そんな風に自然に、上手に、心地いい暮らしを整える秘訣が知りたくて、「どうしたらそんなに自然体でいられるのですか?」と質問を投げかけてみました。
うーん…としばし悩みながらも「欲張らないことかなあ」と飛田さん。
この “欲張らない” という姿勢は、常備菜の作り方にも見ることができます。
料理家としてのお仕事に、主婦業に、ますます忙しい飛田さんの毎日。
いったいどんなタイミングで常備菜を作るのかというと、「お弁当作りや夕飯作り、いつもの料理の延長」とのこと。
飛田さん:
「だってね、人参を1/4本切るのと1本まるごと切るのって大して手間は変わらないんですよね。例えば今朝も娘のお弁当用に、キャベツを一部使ったんです。だからそのまままるごと切っちゃって、残りは軽く塩揉みしておきました。
常備菜って、最後まで総仕上げしないものもあっていいと思うんです。ただ切ってある、ただ茹でてある。後は味付けするだけ!という状態。
そんなものだって、冷蔵庫にあると気持ちが軽くなりませんか?」
常備菜はあれば嬉しい存在ですが、それを作ること自体に追われてしまい、なんだか本末転倒になってしまった経験者でもある私。
でもいつもの料理の延長で、「切っておくだけ、茹でただけ」で止めてしまうという潔さがあれば、常備菜はもっともっと生活の強い味方になってくれそうです。
「今はここまでしかできない!と途中で調理をやめたものだって良いんです」
こう話す飛田さんの “欲張らない” という姿勢は、お料理に限らず、育ち盛りの娘を持つ母としての生活にも共通していました。
今は子育てが何より大切。
(玄関先には、娘の花之子ちゃんが描いた絵)
飛田さん:
「今は子育てがなによりも大切。子供が小さい今のうちは、子育てが第一です。
自分のための時間というのはもう十分過ごしてきたから、今は一旦それはお預け。自分の時間があったらいいなっていう欲はもちろんあるけれど、今はそこまで欲張れないです」
あれもしたい、これもしたい、とやりたいことを挙げだしたら切りがない。でもそこを潔く諦める。
それが決してネガティブなことでないことは、「産みたくて産んだ娘だもの」と笑う飛田さんを見れば一目瞭然でした。
料理も、暮らしも、欲張らない。
一度にたくさんは欲張らないで、今の自分が本当に大切だと思うことをしっかりと胸に抱きかかえておく。
それこそが、飛田さん自身の気持ちいい暮らしを形作っている大事な要素かもしれません。
★飛田和緒さんの著書の一部はこちらです。 ↓↓↓
常備菜 飛田 和緒 主婦と生活社 2011-10-07
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主菜 飛田和緒 主婦と生活社 2013-05-31
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野菜のおかず 飛田 和緒 学研パブリッシング 2015-04-21
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ひだパン: 飛田和緒さんの「食パン」ごはん 飛田 和緒 東京書籍 2015-03-06
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