【わたしのターニングポイント】アトリエナルセ成瀬文子さん『出産を機に夫婦でのブランドに』
編集スタッフ 齋藤
(聞き手・スタッフ齋藤)
あの人のターニングポイントを
教えてもらうシリーズが始まります!
人生におけるターニングポイント(転機)は、転職・出産・起業・結婚・人やものとの出合い・旅…と人によって本当に様々だと思います。
“わたしにとってのターニングポイントはこれから訪れるのかも…”そんな方もいらっしゃるかもしれません。
このシリーズは、さまざまな人のターニングポイントをお聞きし、お届けするものです。
人生という道のりの中にあり、昔と今を繋ぎながらも今の自分を形作るものとなったターニングポイントという点。
ここでお届けするさまざまなターニングポイントが、だれかを励まし、勇気づけ、“大丈夫”という印をくれるものになるかもしれない。それはわたし自身にも言えることです。
そんなことを期待しながら、様々なかたにお聞きしていきたいと思っています。
時には、当店のスタッフやよく知る人が出てくるかもしれません。どうぞ、楽しみにしていてくださいね。
vol.01にご登場いただくのは
アトリエナルセデザイナーの成瀬文子さんです。
今回ご登場いただくのは、atelier naruse(アトリエナルセ)デザイナーの成瀬文子(なるせ あやこ)さんです。
アトリエナルセさんの洋服は当店のスタッフにもファンが沢山います。ホームページから漂う草原のような空気感や、纏う人からフッと笑みがこぼれ“ちょっと肩の力抜いてみなよ”と言ってもらっているような、温もりのある洋服。
その洋服をデザインしていらっしゃる成瀬さんの、ターニングポイントをお聞きしました。
等身大で育児に暮らしにと奮闘しながら、洋服をデザインする成瀬さんのターニングポイントのお話が、はじまります。
わたしのターニングポイント。
(お仕事をする成瀬さんのうしろで遊ぶ息子さん)
成瀬さん(以下敬称略):
「ターニングポイントは、妊娠・出産を機に夫と二人三脚で『atelier naruse』のブランド運営をするようになったことです。
2007年の結婚と同時に立ち上げた『naruse(現:atelier naruse)』が3年目に入った時でした。
それまで夫はフリーランスで雑誌やWEB媒体での編集・ライター業をしていて、カタログ撮影などを手伝ってもらうことはあったものの、基本的にnaruseはデザイナーである私がほぼ一人で運営していたブランドでした。
妊娠がわかったときは少しずつ売上げも伸びてきた頃で、このまま仕事をつづけるのか休むのか、実はとても悩むところでした。
ずっと望んでいた妊娠・出産、子育ての時期を大切にしたい気持ちがありましたが、なんとか形になってきたブランドをこのタイミングで休むのも、どうなのかなあ。と思うところもありました。
そんなときに、夫が『一緒にやろか』と言ったのです。一緒にやる、といっても夫にアパレル業の経験はない上に、今までの仕事はこれを機にやめるとのこと。
夫も10年近く続けてきた仕事を退くことに相当悩んだだろうと思うのですが、『naruseのほうが面白そうだから』と。正直やめなくても…とも思うところもありましたが(笑)。
ただ、一人から二人でやるということに、私も不安よりはなんだかワクワクしたのを覚えています。
夫が入ってまずしたことは、法人化。
つわりがひどくて、毎日トマトばかり食べていたときに私たちは『株式会社ボクラ』という、夫婦ふたりだけのちいさな会社を立ち上げました」
ターニングポイントを境に変わったこと、 変わらなかったこと。
(仕事のパートナーでもあるご主人。息子さんが保育園入園までは展示会は自宅で開催)
成瀬:
「私は『ひらめいた!』と思うとわりとすぐに行動するものの、実は人見知りな性格で。
とにかく電話は苦手だし、はじめての取引先に出向くのも緊張して、打ち合わせまでの日が憂鬱だったりするくらい(笑)。
そんな性格のせいか、どうにもスムーズに行かなかったところが今思えばたくさんあったような気がします。肩に力が入り過ぎていたり、大胆な行動のわりに言いたいことが言えず前に進まなかったり。
一方で夫はそれまでの仕事柄のせいか、男性だからか、そのあたりがスムーズで、人と仕事をすることに慣れている人だったので、電話ひとつにしても気負わずすぐにかけてくれたり。取引先や取扱い店さんなど、仕事での人間関係の作り方が、わたしよりもずっと上手でした。
そうやって仕事上の役割分担がなんとなくできたことで、私自身も仕事がしやすくなったり、人と一緒に仕事をする機会が増えることで、だんだんと自分自身にも自信がついてきたりもしました。
そうやって、『atelier naruseは、私のブランドだ』という意識が『ブランドは誰かといっしょにつくっていくものだ』という意識に変わったことは、atelier naruseにとっても、私にとっても大きな変化でした。
パタンナーさんやカメラマンさん、HPのデザイナーさん、ときどき一緒に仕事をしてくれる作家さん、取扱店さんやお客さん、そういった“誰か”と出会えていることがありがたいなと思っています。
とはいえ、人見知りは変わっていませんが(笑)」
成瀬さんの日々を支えてくれているアイテム。
(奥に佇むのは愛猫イチローくん)
成瀬:
「ひとつは毎朝飲んでいる、“軽井沢の丸山珈琲の豆”です。これがないと一日が始まりません。
もうひとつは“ブラウンの目覚まし時計”。これがないと朝起きられません」
「息子の描いた絵にも支えてもらっています。子どもの絵はやっぱり自由で独創的ですね」
育児において大事にしていることと悩み。
– ターニングポイントのきっかけとなった出産ですが、その後子育てをするなかで大事にしていることや悩みはありますか。
成瀬:
「子どもは個性や成長具合が、人それぞれ。友達にはできてうちの子どもができないことも、これまでもたくさんありました。
そういうとき、親はやっぱり焦ってしまうものなんだということも実際に子育てをしてみてよくわかりましたが、ひと呼吸おいて『いかんいかん』と。
ゆっくりとその子なりの成長を見守りながら、子どもの個性やいいところをちゃんと見つけていってあげたいと思っています。
そして、夫婦が仲良くいること、というのは子どもが安心して成長するためにも、とても大事なことだなと思っています」
今、ターニングポイントを振り返ってみて
当時の自分に言いたい事
(当時はこんな様子で仕事をしていた成瀬さん。現在息子さんは4歳に)
成瀬:
「夫と一緒に仕事をするということ、法人化するということ、子育てをしながら仕事をするということ、そのどれもがあまり後先を考えずにやってきました。
そのほうが面白そうだなと思いその都度、悩みながらも決めてきました。でも、それでよかったんじゃないかなと今も思います。
これからも、大変なことは必ずあるんだろうし、問題は起こったときに解決していきたいです。
あれこれ考えすぎて動けなくなる前に『面白そう!』と思ったことを大切にしたい。きっとこれからもそうやって動いていくんだろうなあと思います。
なので、当時の自分にも、まあ、それでよし!という感じです」
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