編集スタッフ　青木

文・写真　スタッフ青木

観ていると無性にお腹がすいてくる映画の、印象的な食事シーンに思いを馳せながら、登場する『朝ごはん』を作って楽しむ特集です。今日は映画『リトル・フォレスト 夏・秋』のヌテラです。

映画『リトル・フォレスト』のヌテラ

芽を出した植物が成長して食材になりお腹の中に着地するまでに、なんと時間のかかることよ！

この映画を観ていると、素朴な一杯のご飯やお味噌汁が御馳走に感じられます。

畑で育てた野菜や釣った魚、森や林の中に生育する木の実など、口に入れる全てのもので体は作られている。そんな当たり前の事にハッするシーンがたくさん出てきました。

そんな中で「作ってみたい！」と思ったのが、収穫したハシバミの実（ヘーゼルナッツ）を使って手作りした『ヌテラ』です。

 

ヌテラって手作りできるんだ！

スーパーのジャムコーナーに並ぶ『ヌテラ』というチョコスプレッドをご存知ですか？

チョコレート、ヘーゼルナッツ、砂糖などで出来たパンのお供です。こってりと甘いペーストに幸せを感じて時々買ってしまうのですが、これが手作りできちゃうなんて！

主人公・いち子がやっていたように、私も作ってみました。

ローストしたヘーゼルナッツを、トロトロのペーストになるまでフードプロセッサーにかけることから始めます。固形のナッツがペーストになっただけでもちょっと感動。ここまでは映画と同じ、順調です。

このペーストに、少しの油・ココアパウダー・砂糖を適当に入れ、火にかけながら練り混ぜていました。けれども…砂糖がなかなか溶けない。。トロッとしたペーストとは言いがたいものになってしまいました。

どうしてだろう？（分量が適当すぎたということは一目瞭然ですが…）塗りごこち、滑らかさもイマイチ。。これは明らかな失敗であります。

けれども、味はしっかり「ホームメイド・ヌテラ」。ココアとヘーゼルナッツの香りが「おいしいよ、食べてごらん」とささやきます。

私が作ったヌテラは映画のように上手くいきませんでしたが、そういえば映画の中でも似たようなシーンがありました。それはヌテラのくだりではなく、青菜炒めのことだったと思います。

母親が作る青菜炒めの美味しさを自分では再現できず「どうしてだろう？」と首をかしげるシーンでした。繰り返し作るうち、おいしさの秘密に一歩近づくことが出来たのですが、

私も「なんで？どうして？」と思いながらも休まずに考え、繰り返しチャレンジするなら、それなりの答えが見つかるような気がしました。

ヌテラの手作りシーンは『リトル・フォレスト 夏・秋』に出てきます。美味しそうな料理の数々はもちろん、ほぼ自給自足の村での暮らしを観ていると、今をしっかりと生きるために美味しいものを食べたくなってきます。

この映画には続編『リトル・フォレスト 冬・春』があるので、こちらも近いうちに観てみたいなと思っています。

 

映画情報

リトル・フォレスト 夏・秋 Blu-ray 松竹 2015-01-28

『little forest/リトル・フォレスト　夏・秋』（2014年）

【監督・脚本】森淳一
【原作】五十嵐大介

【ストーリー】
東北のとある村にある小さな集落。そこでほぼ自給自足の暮らしをする主人公いち子が、過去を振り返り、今を見つめ、自然と向き合いながら美味しいものをもりもり食べて生きる力を充電してゆく物語。

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もくじ

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