【OURHOME Emiさんの収納術】第1話:「ちょい置き」を防止する、すっきりクローゼットの仕組み。
整理収納アドバイザーであるEmiさんに、ラックを使ったクローゼット収納や、子どもが自分で片づけられる収納アイデアをお聞きしました。1話目は、散らかりやすい衣類を手間をかけずに収納するためのコツをお届けします。
編集スタッフ 二本柳
写真 仲尾知泰
家族のシアワセをつくる収納術。
「家族のシアワセは、暮らしの基本となる『家』から。」
これは、整理収納アドバイザーであるEmiさんが2008年にスタートしたブログ『OURHOME』のコンセプトです。
Emiさんは現在6歳となる双子のお母さんでもあり、夫婦で共働き。その毎日は家事に育児にと目の回るような忙しさだと言います。
でもそんな慌ただしい生活を送るなかで、家族が暮らしやすく、そして何よりEmiさん自身がストレスを抱え込まないようにと考えられた収納アイデアはどれも簡単でシンプル、そして手間がからないから続けやすい。そんな嬉しい内容ばかりでした。
もしかしたら皆さんのなかにも既にブログを読んでいたり、こちらの書籍を手に取ったことのある方がいらっしゃるかもしれませんね。
そう言うわたしも『OURHOME』読者のうちの一人でした。
ブログを知ったのは、2012年、ちょうど今の家に引っ越しをした直後くらいのこと。自分で片付けなければ片付かない(当然ですが…)家の雑然とした空気や、忙しさのあまり見てみぬふりをした散らかりなど、当時は居心地のいい家とはとても言えない状態でした。
すると段々と心まで荒んでくるようで… その頃ちょうど「家」と「暮らし」のつながりを痛いほどに感じていた時期だったのです。
そこで出合ったのが『OURHOME』。Emiさんのコンセプトに心から共感し、「たしかにそうだ!」と大きく頷いたほどでした。
本日より3日間にわたりお届けする特集は、そんなEmiさんが「OUR HOME=わたしたちの家」が家族にとって大切な場所であってほしい、という想いを込めて考えた3つの収納アイデアです。
1 )ラックを使ったクローゼット収納
2 )保育園からヒントを得た子どもの収納
3 )子ども目線で考えたおもちゃの収納
新年を迎えるにあたり、こちらの特集で家族のシアワセにつながる家作りのヒントを見つけていただければ嬉しいです。
第1話
ファミリークローゼット
家のなかで1番多くの収納スペースを必要とするのは、「衣類」という方も多いのではないでしょうか?家族が多ければ多いほど、増えていくばかりの衣類。しかも毎日入れ替えをする場所なので、一人でも片づけが苦手な人がいると大変です。
そこでEmiさんは、引っ越しをするときに「3部屋のうち1室(5畳)はファミリークローゼットにしよう」と決めました。
Emiさん:
「引っ越しした当初、双子の子どもたちは1歳半。私は育児休暇中でしたが、引っ越し後すぐに保育園に通う事が決まっていました。
夫婦共働き、双子育児と2つのことが重なる毎日が目前にひかえている。今以上に時間効率を考えねば!と、なかでも洗濯→収納の動線については一生懸命に案を練ったんです。
各部屋のクローゼットへそれぞれの洗濯物をしまうなんて大変…。できるだけ一カ所に!ということで、ひとつの部屋にまとめることにしました」
家事の効率を考える上で、“洗濯→収納” の流れを1番に考えたというEmiさん。その収納アイデアを、さっそく見ていくことにしましょう♪
オールハンガーで「ちょい置き」防止
Emiさん:
「クローゼットを綺麗に保つために1番気をつけたのは、『ちょい置きを防ぐ』ということです。とりあえず……と置かれたものは、いつの間にかたまってしまうので、それを無くすためにすべてをハンガーにしました」
ポイント01.
洗濯後はハンガーごとクローゼットへ。
「洗濯物をたたむのって結構めんどうですよね。私はあまりそれが得意でないので、アルミハンガーで外に干し、乾いたらそのままクローゼットにかけています。取り込んだらそのままクローゼットへ、という仕組みにすることで時間も短縮できました」
ポイント02.
“たたむもの” を限定する。
「本当はすべてをハンガーにかけたいのですが、スペースに余裕がないので、“たたむもの” というものも限定して設けました。夫と相談し、ロングパンツとハーフパンツだけに限定してたたむようにしています」
左はロングパンツ、右はハーフパンツと、横並びに収納されています
スチールラックで無駄なし収納
Emiさん:
「基本的に全ての衣類をハンガーにかける方式を採用しているので、スペースの確保は大切な点になってきます。
そこで、我が家では作り付け収納ではなく、スチールラックをクローゼットとして活用しているんです。これは重いものにも耐えられて、何より自由度が高い。前後左右すべて無駄なく収納に活用できるのです。
また、いつか子どもたちが1人部屋を持つようになったらラックをそれぞれの部屋で使おうと考えています。場所を選ばずに暮らしの変化に対応できるところも魅力です」
ポイント01.
側面も生かして、小物かけに。
「スチールラックの特徴を生かして、側面にもフックを取り付けます。そうすればベルトやアクセサリーなどの小物をかけておくことができますし、バッグ掛けにもなりますよ」
ポイント02.
すぐにはしまいたくない、脱いだばかりの引っかけ用に。
「洗わないけれど、脱いだあとすぐクローゼットへしまうにはちょっと抵抗のあるものは、フックに吊るします。風通しが良く、一時的な引っかけにも便利なんです」
ポイント03.
引き出しも一緒に設置する。
「スチールラックの隙間にはポリプロピレンケースを設置して、ストールなどを季節ごとに分けて収納しています。ちなみにパジャマや下着類は、お風呂からあがった時に必要となるものなので、ここには置かず、洗面所に収納場所をつくりました」
人別の収納で各自管理!
Emiさん:
「洋服の量、アイテムのかたよりなど、衣類の内容は人それぞれ違うので、“夫・子ども・私” の人別収納を実践しています。クローゼットの管理は各自。今は子どもも小さいので私が管理していますが、そのうち子ども自身が収納できるようにしたいと思っているんです」
ポイント01.
それぞれの特徴に合わせたカタチを作る。
「たとえば夫の場合、洋服の量はわたしより多いので、上下にかけられるように工夫しました。男性のものは長さがあるので、通常のスチールラックだけでは床をひきずってしまい、大きめのキャスターをつけて、上下に服をかけられるようにしています」
▲ご主人のクローゼット。
「また、私のスペースはトップスを上の段、スカートパンツを、下の段に設置しました。上下の組み合わせを考える際に、とても役に立っています。
子どもたちのクローゼットは、子ども自身も取り出しやすいように、下の段にオンシーズンの服をかけました。小さなころは私が選んでいましたが、6歳になった今は自分たちで選びたいようで……取り出しやすい位置にしてみています」
▲左はEmiさん、右は双子のお子さん用。
自分の「苦手」を考えてみたら、優先順位が見つかるかも?
Emiさんは、「共働き+双子の子育て」が同時に重なることが見えてきた段階で、自分の苦手な「洗濯物をたたむ」という動作の効率化を考えました。
その結果生まれたクローゼットのアイデアは、大きくこちらの2点。
・たたまず掛けて収納できる仕組み
・家族が各自で管理できる仕組み
家事のストレスを軽減し、家族みんなが居心地のいい空間を維持するための効率化。とはいえ、それを家中すべてにやろうとするとなかなか大変そうですし、なんだか本末転倒になってしまいそう…。
でもそこを、自分が苦手なことはどれか?苦手を減らすにはどうしたらいいか?の順番で考えてみれば、整理収納のゴールが見えてくるような気がしました。
さて、明日はお子さんの通う保育園からヒントを得た収納術をご紹介します。どうぞおたのしみに!
(つづく)
もくじ
▼『OURHOME』さんの著書
(こちらの特集で使用している写真は、以下の書籍からの抜粋です)
撮影/仲尾知泰
初出/『OURHOME がんばらずにスッキリ片づく スチールラックのすごい収納』
出版社/株式会社ワニブックス
撮影/仲尾知泰
初出/『おかたづけ育、はじめました。〜OURHOME子どもと一緒にたのしく〜』
出版社/株式会社大和書房
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