【Noritakeコラボ企画第2弾】眠っていた一枚のデザイン画が形になるまで

商品プランナー 中居

こんにちは。商品プランナーの中居です。

本日お披露目となった、老舗テーブルウェアブランド「Noritake(ノリタケ)」とのコラボ企画第2弾。

第1弾が偶然出合ったヴィンテージのカップ&ソーサーを復刻するという企画だったのに対し、第2弾となる今回は幻として眠っていた一枚のスケッチ画を形にするという、当店としても今まで取り組んだことのないプロジェクト。

こちらの記事では、第2弾発売に至るまでの開発の紆余曲折をご紹介します。

復刻第2弾に至った経緯と、店長佐藤の愛用風景はこちらから



一目惚れしたデザイン画は、未発売商品……?!

まず、どうやって私たちが一度も商品化されたことのないデザイン画と出合うことができたのか、その経緯をお伝えできたらと思います。

次なる復刻企画の種を求めてNoritakeの名古屋本社に伺い、膨大なアーカイブの中からこれぞと選んだデザインは、どれもスケッチ・現物が現存せず、あるのは当時のカタログのやや不鮮明な写真のみ。

どうやってデザインを再現していく? というとき、ちょうど北米デザイン室に保管されていた古いデザインスケッチが日本へ戻ってくることに。国内向け、海外向けを含め、2,000点以上もの中からイメージに近しいデザインをピックアップして送っていただけることになったのです。

ワクワクしながら広げたうちの1枚が、今回商品化した「グリーンの野ばら柄」でした。

正直どれも素敵で迷う私たちを尻目に、候補を並べた瞬間に佐藤は「これだね」と即決。

可憐な花柄とシックなグリーンにモダンさを感じ、幅広い年代の方が手に取りやすそうで。手探りだったデザイン探しの道が一気に開けたように感じました。

このデザインを紐解くと、1970年代・春の新商品用にデザインされたものの、結局は採用されずに商品化されていなかったことが判明。

これは「復刻」にとどまらず、眠っていた幻のデザインを「発掘」してしまったのでは……? とチームでにわかに盛り上がり。 こうして当店でも前代未聞の「発掘企画」が始まったのです。


商品化に向けた、プロフェッショナルとの作業

商品化されていないということは、もちろん現物は存在しないということ。

スケッチから実物へと形にする道のりで、私たちを導いてくださったのがノリタケ株式会社 食器事業部 開発・技術部 デザイングループ エキスパートデザイナー・丸田さんでした。

丸田さんは1993年ご入社。サンプル制作担当として配属されたのち、デザイナーへ転向されホテル用食器のデザインを長くご担当。その後スリランカ工場赴任、設計部署を経て、再びデザイナーとして復帰された、いわば食器作りの1から10までを知り尽くしたエキスパート。

そんな丸田さんでも、繊細な絵柄を復刻するのはやはり至難の業だったそうで、とくにカップについては、デザインスケッチを道標とできるプレートと異なり、どうデザインに落とし込むか悩まれたそう。

▲写真右がデザイナー丸田さん

▲線のゆらぎを再現。矢印部分の小さな点模様も、実は正円ではなくいびつな丸なんです……!

まず行ったのが、スケッチに描かれた花柄やモチーフを一つずつ丁寧に描き起こし、型に合わせて再配置していく工程。

デジタルながら繊細な線を辿っていくその作業は、当店の担当デザイナー波々伯部からすると、簡単には真似できない熟練の技だそう。

余白ができてしまった部分には、原案を元に新たな花のモチーフを描き足してくださったり。(これがオリジナルの柄に混ざっても違和感がなく感動!)

さらに聞いて驚いたのは、当時の手描きのタッチを再現するためにあえて「線のゆらぎ」を残し、単調なコピー&ペーストは行っていないということ。

まるで実際に絵筆で描いたようなタッチが贅沢に再現されています。

▲撮影用に貴重な原画をお借りしました。見比べるとごく繊細な筆のタッチまで見事に再現されています

グリーンの色合いも佐藤がとくにこだわったポイント。原画のようなブルーがかったグリーン、しかも褪せた紙の色も相まった柔らかな風合いをそのまま再現したいと細かくリクエスト。最後の最後まで理想の色味を追求しました。

▲当店デザイナー波々伯部(写真右)を中心に、お借りした色見本帳から希望に近い色を選定。すると丸田さんが焼き上がりを想定し、さらに複数色を混ぜて調整。柄が引き立つ枠線のバランスまで、細かく調整を重ねていきました

▲原画や試刷りサンプルを手にお話しくださった丸田さん。様々な部署を経たからこその「いまデザインの仕事がとても楽しいんです」という言葉にも胸が熱くなりました

丸田さんは、デザイン〜製造に至るまで一連のお仕事を経験されたからこそ、当店からの細かなリクエストに対し実現可能かを判断し、こちらの意図を汲んでデザインに落とし込むことができたのだそう。

そして、「大変な作業ではあったけれど、大先輩が描いた絵柄が商品になるのはとても嬉しい」と、このプロジェクトを振り返ってくださいました。

こうして眠っていた幻のデザインスケッチが、「カップ&ソーサー」と「ケーキ皿」としてようやくこの世に誕生したのでした。


双方の思いが重なった、特別なコラボ企画

この取り組みを通し、Noritakeの皆さんが120年以上受け継いできた、ものづくりへの実直さに触れられたことも大きな学びとなりました。私も商品に携わる一人として身が引き締まる思いに。

また皆さんNoritakeの食器のこととなるととても熱く、丁寧にお話しくださったのも印象的で。眠っていた魅力を再発信したい! という思いのもと、ともに奮闘してくださったのが何よりありがたいことでした。

▲年代別のアーカイブを前に、社の歴史にまつわるお話にも花が咲きました

個人としては、第一弾のスタートから2年半。当初は佐藤がNoritakeに抱く想いや熱量に付いていくのが精一杯だったのも正直なところ。

ともすると自分の「好き」に自信がなくなり、どんな軸で開発を進めていくべきか戸惑いもあった中で、「とにかく背中を追いかけ続けてみよう」と思えたのは、佐藤の目がとんでもなくキラキラしていたから!

▲名古屋にある「ノリタケの森」にて。現存する創立時(明治37年)の建物に感動

その熱量はお客様と一緒にこの魅力を分かち合いたい、という思いにつながっていて。そこに向かって走るいつもより一段階ギアの上がった佐藤を間近にみて、新たな刺激も受けました。

▲ 1970年代のカタログに吸い込まれそうなほど集中する佐藤と私・中居(笑)

そんな双方の思いが重なって生まれた「グリーンの野ばら」シリーズ。

好きの範囲が新たに広がったり、このテイスト好きだったな懐かしいな、と思い出していただいたり。

この復刻企画を通してさらなる「好き」を共有していけたら。そんなことをチーム一同で思い描きながら、今回もお披露目までたどり着くことができました。

ぜひお手に取って楽しんでいただけたなら幸いです。


第一弾のビオラも再入荷! 新作のケーキ皿も登場

この機会に合わせて、第1弾アイテムの「ビオラのカップ&ソーサー」も再入荷。

さらに、「ビオラのケーキ皿」も新たに登場! こちらも絵柄の配置やあしらいにこだわった自信作。

ティータイムを一緒に楽しめる素敵なセットが揃いました。ぜひチェックしてみてくださいね。


▼新作の「グリーンの野ばら」シリーズはこちら


▼第1弾の「ビオラ」シリーズはこちらから


photo : 吉田周平(1,2,4,6,10,14~16枚目),ニシウラエイコ(7枚目)


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Noritakeコラボ企画第2弾!「グリーンの野ばらシリーズ」
第2弾は、1970年に描かれた当時は製品化されなかった“幻の原画”を形に。

期間限定の送料無料キャンペーン開催中!
18年の感謝を込めて。当店一押しアイテムのご紹介もしています♩

【動画】北欧に暮らすひと|前編
二児の母になったソフィアさんに会いに、ストックホルム郊外の新居を訪ねました。

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