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【92歳まで、ずっと楽しく】多くの人に愛されてきた、スウェーデンの陶芸家リサ・ラーソンさんの「ものづくり」を知る展示を訪ねました。

【92歳まで、ずっと楽しく】多くの人に愛されてきた、スウェーデンの陶芸家リサ・ラーソンさんの「ものづくり」を知る展示を訪ねました。

編集スタッフ 津田

猫、ライオン、はりねずみ、ポニー。

愛くるしい表情と、なんとも言えないまるいフォルム。

リサ・ラーソンの生み出すオブジェは、いつだって素敵な魅力に満ちています。

スウェーデン生まれの北欧を代表する陶芸家であり、晩年までアトリエで粘土をこねるのが大好きで、ものづくりの楽しさに魅了され続けたリサ。2024年に92歳で惜しまれつつ亡くなりましたが、彼女の作品は今なお、多くの人に愛され続けています。

この度、東京・立川のPLAY! MUSEUMで「リサ・ラーソンの作り方 展」が開催されることになり、私たちもずっと憧れてきた彼女のクリエーションについて知りたい!と店長佐藤とともに見学に行ってきました。


はじめて知る、リサ・ラーソンの「ものづくり」の裏側

展示は三部構成となっています。

第一部のテーマは、リサ・ラーソンのものづくりを「見る」・「知る」。

リサがアトリエで長く愛用していた道具や作業着(なんと日本の剣道着!)、今回の展示で初めて公開されるスケッチ画などが並んでいます。

フリーマーケットで手に入れたもの、壊れてしまった櫛や、サマーハウス近くの海岸で拾った貝殻などで模様をつけるなど、日用品でも制作を楽しんだエピソードから、身の回りにある素朴なものを愛するものづくりの姿勢を知りました。

▲リサが制作のために描いたスケッチ。あのオブジェだ!と発見もあって楽しい。

リサ・ラーソンのオブジェには、リサ本人が手掛けた一点ものの陶器(ユニーク・ピース)と、リサが原型を作って職人たちが量産するプロダクトの二種類があります。

量産品は比較的手に入れやすく、私自身10年前の札幌出張で見つけた、猫のオブジェを大切に持ち帰り、今もずっと自宅に飾っています。

49歳でグスタフスベリ社のデザイナー職を退社したのち、61歳で陶芸工房「ケラミック・スタジオ」を立ち上げ、満足するプロダクトができるまでは、職人とのさまざまな試行錯誤のやりとりがあったそう。

「リサは制作過程にも、それを学ぶのにも、時間が必要なことを理解しており、惜しみなく時間を与えてくれました」という工場長の言葉に、胸がじんとしました。

▲入り口から続くリサの年表。ものづくりとともにあった生涯にグッときます。

▲佐藤は50歳の誕生日を迎えたばかり。「60代で工房を立ち上げて、70〜80代でも新しいことに挑戦するリサさんに、おこがましいけれど思わず自分を重ねて想像してしまい、励まされました」。

ものづくりの裏側を知ってから作品を見ると、オブジェ一つ一つに、彼女の多彩なアイデアや楽しさ、挑戦する気持ち、私たちの手元に届くまでの時間の重なりを、ぐんと感じられるようになりました。


私だけのリサ・ラーソンを「作る」

第二部は「作る」がテーマ。

リサのものづくりを知ったあとは、会場の真ん中にある大きな空間で、様々なワークショップに参加することができます(一部有料・事前予約制)。

日本の窯元で製作された「リサ猫」の模様つけ体験、絵本やキーホルダーで人気の猫のキャラクター「マイキー」のぬり絵など、友人やお子さんとも一緒に気軽に楽しめます。

来場者による作品もたくさん展示されていて、これがまた自由いっぱいでクリエイティブ。

▲日本各地の窯元が製作したリサ猫と、来場者が模様つけ体験したリサ猫が並んでいます。

▲猫のマイキーのぬり絵に可愛らしい子どもの字。癒されました。

代名詞的なしましま柄のみならず、ぶち猫、お正月のモチーフ、カラフルなもの、言葉、自然や星など、まるでテキスタイルのような賑やかさ!

こんなアイデアがあるの?と驚いたり、思わず笑顔になったり、「これ、すごいですよ」「わ、あっちも見てみて」と、想像以上に楽しみました。

佐藤:
「これほど自由に楽しめるのは、リサさんの生み出した作品に、オーセンティックさがあるからこそだと思いました。

リサさんは、何ておっしゃったでしょうね、自分の作品から、こんなふうにたくさんの人が作ることを楽しんでいる様子を見たら。きっと嬉しいと思ってくださるんじゃないかな。

なんだか、この大きなまるい空間も、リサさんのお腹のなかにいるようで、やさしく包まれているような感覚になりました」

私たちも、にっぽんのリサ猫の模様つけ体験と、マイキーのぬり絵を体験しました。

わずか15分間ほどでしたが、リサとのコラボに胸をアツくしながら、子どもに戻ったように無心で清々しい気持ちになれます。

「せっかくだから、北欧、暮らしの道具店らしさを出したい」「こうしたほうがかわいくなるかな?」と、わいわいアイデアを出しながら、二人で一つの作品をつくる面白さも味わいました。

▲私たちの作品も第二部の会場にありますので、よろしければ探してみてください。


リサ・ラーソンのゆくえ

第三部は「リサ・ラーソンのゆくえ」です。

リサの拠点であったスウェーデンは世界に先駆けて環境問題に取り組んできた国でもあります。

リサやリサの家族も、たとえば尾が折れてしまった猫のオブジェを筆入れにするなど、壊れた陶器のリユースをはじめ、サスティナブルな暮らしを日常的に大切にしてきました。

陶器は土からできていますが、一度焼成されると自然には分解されず、土に還ることができません。では陶器が壊れてしまったときにどうすればよいのか?

これからを生きていく私たちにも、作品を通じて考えていくことを投げかけるような展示で終わります。

▲展示のあと佐藤はお買い物も楽しみました。リサのスケッチをあしらったトレーナー、トートバッグとオリジナルグッズが大充実。そのほか、人気の干支シリーズの2026年午年限定ドット柄のポニーのオブジェやスケッチブックも購入。


私たちも、リサのように。自由に時間を重ねていけたら。

▲第一部の終わりには、スウェーデンを何度も訪ねて、リサを20年近く撮り続けた写真家・木寺紀雄さんの写真のスライド上映も。日々の暮らしと庭とアトリエの様子など、本当に素敵でした。

想像していた以上に、リサの作品がもつ「楽しさ」を感じた展示。当日私たちを案内してくださった、PLAY! MUSEUMプロデューサーの草刈大介さんは、こんなふうにおっしゃっていました。

草刈さん:
「リサの作品のことをよく知っている方も、そうでない方も、ぜひお気軽に立ち寄っていただけたら嬉しいです。

きっと、初めて知ることばかりだと思うんです。『可愛いな』『いつか欲しいな』と、自分の身近に置くことを想像してきたプロダクトの背景にあるものを、自然と感じ取っていただけるように工夫しました。

また、今回はあえて会場の半分を使った大きな体験コーナーを作りました。リサの作品に触れて、何かを感じたあとに、『自分も何かできるかも』『やってみたい』という気持ちを持ち帰ってほしかったんです。

リサのデザインを真似してみたり、あるいは全く関係なくても。その場で終わりにするのではなく、家に帰ってから筆を握ってみるというような、作ることのきっかけになれば嬉しいです」

▲ストライプ柄のおしゃれなスモッグを着て制作する20代のリサさん。佇まいが素敵!

リサさんの20代の頃の様子や、写真に写るその時々の姿……。これまで彼女の作品はたくさん目にしてきたけれど、こんな風に『リサ・ラーソン』という一人の女性の人生に深く触れられる展示は、今までになかった気がします。佐藤さんはいかがでしたか?

佐藤:
「リサさんに、いつかお会いしたいと思っていたんです。

2024年に訃報を知り、間に合わなかったという思いがありました。でも、こうしてこれまでの歩みが丁寧に編み直されたことで、初めて『リサさん』という人物を深く知ることができて、それをとても嬉しく思います。

第二部は、本当に驚きましたね。あの広い空間にみなさんの作品がずらりと並んでいるのが楽しくて、来る前はもっとこう厳かに、リサのものづくりの哲学を学ぶ時間になるのかなと思っていたので(笑)」

佐藤:
「私たちの会社でもオリジナルブランドのものづくりをしていて、スタッフみんなで『どこまで自分を出すべきか』と悩んだり議論したりすることがあります。

でも、リサさんの展示を見ていたら、なんだかそんな悩みさえも超えている気がして。『長く続けていけばいいんだ』って、シンプルに思えました。

リサさんの中にも葛藤があったのかはわかりません。自分というものを握りしめて守り続けるだけでは、この展示のような『広がりのある世界』には辿り着けなかった。一方で、写真の中に、自分だけの庭で愛でている大きな一点もののオブジェもありました。

二つの軸のバランスをどう取るか。リサさんも、年齢を重ねながら見つけていったのかもしれない、と想像しました。私も、そんなふうに自分のための場所もいつか作れたら。そこからまた、ブランドに還していけるようになるのが理想です」

▲展示最後のフォトスポットで、今回ご案内くださった皆さんと記念撮影しました。

人生や仕事など、自分自身を重ねながら、リサさんと対話するような時間が過ごせた私たち。思いがけず、リサの遺してくれたものの大きさ、その自由でふかふかとした、心地よさを感じる機会となりました。

リサ・ラーソンがお好きな方、ものづくりや手仕事を愛する方に、ぜひご覧いただけたらと思います。

また、今後はリサ・ラーソンのドキュメンタリー映画も日本国内でロードショーされるとのこと。「それも絶対に観に行きたいね」と、佐藤と話しながら帰りました。

【写真】上原朋也


Information

「リサ・ラーソンの作り方 展」

会期:2026年2月23日(月・祝)まで
休館日:2月8日(日)
開館時間:10:00-17:00(土日祝は18:00まで/入場は閉館の30分前まで)
入場料:一般1,800円/大学生1,200円/高校生1,000円/中学生600円/小学生600円

※一部のワークショップは有料・事前予約制です。入場料とは別に参加料(材料費込)がかかります。

公式サイトはこちら


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