【間取り図鑑】第2話:北向きの窓をどう生かす?居心地ばつぐんの、6畳リビングダイニング
編集スタッフ 岡本
間取り図を見ていると、生活のあらゆるシーンが思い浮かんで、いつの間にかワクワクしてしまう。
そんな不思議な力をもつ間取り図を主役に、実際のインテリアを重ねてみたら……?
新しい視点で暮らしを紐解いていく、「暮らし家さんの間取り図鑑」第2話です。
キッチンをご紹介した第1話から引き続き、ご登場いただくのは「北川ベーカリー」の北川桂(きたがわかつら)さん。
東京・調布市にて、夫と5歳になる娘の3人で暮らしています。
築50年の平家をリノベーションしたというご自宅の間取り図は、こちら。
第2話では、お子さんの成長に合わせて変化してきたという、リビングダイニングをご紹介します。
キッチンに通じる6畳の空間は、「いつまでもここにいたい……」と思うほど、とても居心地のいい部屋でした。
そんな訪れた人がくつろげる、リビングダイニングの秘訣とは?
リビングダイニング編
—北向きでも明るい。そのワケは?—
玄関を入ってすぐ右手にある6畳の空間が、家族との団らんを過ごすリビングダイニングとなっています。
大きなダイニングテーブルの周りには、いくつも椅子が並んでいました。
北向きのリビング。こんなに明るいのはどうして?
昼間は電気をつけなくても過ごせるほど明るいと話すリビングですが、実はこの部屋、北向きなのだそう。
南向きが好まれるリビングが北向きだと、少し気になりませんでしたか?
北川さん:
「部屋を囲むようにL字につけられた大きな窓は、開放感があって一目で気に入ったんです。とはいえ、やっぱりそのままだとすこし薄暗くて。
風が通り、明るい部屋になるようリノベーションで工夫しました」
リビングダイニング側からキッチンをのぞいた様子。
北川さん:
「まず、この部屋とキッチンを仕切っていた壁を扉にして、空間をつなげることに。キッチンに差し込む光が見え、目線が抜けるようになりました。
料理をしている間もリビングにいる家族の姿が見えますし、なにより最短距離で食卓に出せるのでこの選択は正解でしたね」
キッチン側からリビングダイニングをのぞいた様子。
北川さん:
「もうひとつ手を加えたのは、廊下に通じる引き戸と、欄間(らんま)です。
どちらもガラスにしたことで、玄関側からも光が入るようになりました。欄間は開閉式にして、風が抜けるように。
リビングの窓以外からも採光できるので、北向きでも暗さが気にならなくなりましたよ」
欄間は大工さんの手作り、ガラスの引き戸はヤフーオークションで探したものだそう。
家族だけでなく、初めて訪れた人も思わず心がほぐれるくつろぎ空間の理由は、光と風がポイントだったようです。
これだけ大きな窓でも、ふんわりと優しい光のまわり方をするのは、北向きならではの利点に感じました。
一見マイナスにみえる部屋の特徴でも、アイデア次第でプラスにできるのですね。
6畳のリビングに、大きめの家具を選んだのはなぜですか?
3シーターのソファや6人卓のテーブルなど、リビングとダイニングの要となる家具は、大きめのものが並んでいます。
そのため、6畳と限られた空間のなかで、家具同士がぎゅっと近い距離で配置されていました。あえて大きいサイズを選んだ理由とは?
北川さん:
「この大きなダイニングテーブルは、娘が椅子に座れる年齢になった3年ほど前に購入しました。
お絵かきをしたり、絵本を読んだり。私がソファに座っていても、距離が近いので娘がなにをしているか把握できるんですよね。
テーブルが広いからか多少散らかしても気にならないですし、自宅でワークショップをする機会もあるので、お客さまがゆったり使えることも考えました」
長椅子として使っているこちらの家具、実は小学校で使われていた子供用の机なのだとか。大人が腰掛けると少し高いですが、5歳の娘さんが食事するにはちょうどいいそう。
北川さん:
「私の定位置は、このソファです。もとはダイニングテーブルがなく、ソファとローテーブルで食事をしていました。
結婚の記念にと購入したものなので、思い入れもひとしお。ここに座って相撲を見る時間が至福なんです」
北川さん:
「夫はというと、広いダイニングテーブルで晩酌をするのが習慣。
家族がお互い好きなことをしていても、ダイニングテーブルとソファの位置が近いので同じ時間を過ごしている感覚に。
それぞれの家具のサイズが大きいので、家具同士が近くても狭さを感じないのかもしれません」
優しい明るさや、すっと通る風の心地よさ。そこに並ぶ味わい深い家具たち。
北川さんの人柄を表したような、リビングダイニングをお届けしました。
続く第3話では、玄関横のマルチスペースをご紹介します。
現在は主に子供部屋として使っているそうですが、大人にも便利な多機能スペースとなっているそうです。
お楽しみに!
(つづく)
【写真】木村文平
もくじ
北川桂
福島県出身、夫と娘の3人暮らし。約5年間、東京・国立市にある「foodmood(フードムード)」の初期スタッフとして、お菓子づくりや接客に従事。現在は、自宅(予約のみ)やイベントなどで、手作りパンを販売している。くわしい情報は、Twitter(@kitapan)でご確認いただけます。
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