【愛すべきマンネリ】第1話:誕生日だから、ファミリーレストランへ。(江口恵子さん)

編集スタッフ 齋藤

マンネリしてても、いいのかな。

「マンネリ」と聞いて、何を思い浮かべますか。

代わり映えもなく、変化もしない、お決まりごと。そうしたネガティブな印象を抱きがちかもしれません。

本当は毎日新しいおかずを食卓に並べたいけれど、気づけば決まったメニューばかり。洋服だって色々チャレンジしてみたいけど、結局買うのは似たテイストになってしまう。

変えたい思いはあるのに、変わらない。そんなモヤモヤした状態。

でも、こんなふうにも考えました。

人生に寄り添ったあらゆる大波小波、変化のなかでも変わらずに、「なぜか続いてしまっている」ことこそがマンネリなんだと。

削ぎ落とされずに残った理由は何だろう? それを知れば、マンネリって、自分の大切なものを象徴するものだと言えるのではないか。

そんな思いから、この特集「愛すべきマンネリ」はスタートします。

連載第一回に登場いただくのは、フードスタイリストで吉祥寺のカフェ&デリ「ORIDO(オリド)」を営む江口恵子(えぐちけいこ)さん。

わたしが江口さんに初めてお会いしたのは、2年前の読み物「子どもと食しごと」の取材でした。

小学生から中学生の一男二女のお母さんである江口さんは、以前よりインテリア&フードスタイリストを軸とした仕事内容から、出産をきっかけに料理教室もスタート。まだ手のかかる3人のお子さんもいるなか、数年前にカフェまでオープンさせました。

いつもエネルギッシュに、環境の変化と共に自身の働き方も更新しつづけている江口さんにも、「マンネリ」なんてあるのかな……。そうして取材をお願いしたのでした。

 


愛すべき、我が家のマンネリ
「誕生日はファミレス」


▲これまでの家族の誕生日写真たち

江口さん:
「家族の誕生日は、その日の主役が行きたいお店でご飯を食べます。

と言うと、ちょっと小洒落た、お誕生日ならではのお店に行くと思われがちなんですが……

次女のお気に入りは、お父さんと子どもで時々行くというファミリーレストラン。

きっかけは、子どもに『外でご飯を食べたい』と言われ『じゃあ、誕生日のときにね』と答えたこと。

そこから、次女の誕生日には毎年のようにファミレスへGO!がマンネリ化してしまいました」

▲ケーキはホールではなく、各々が好きなものを選ぶスタイル

 

続いてしまう理由を考えてみた

▲誕生日の恒例行事として、階段脇の壁に子どもの身長を書き込んでいるそう

江口さん:
「誕生日だから、美味しいごはんを作って食卓を囲まなくちゃ。誕生日だから、普段行かないようなレストランへ出かけなくちゃ。

そんな風に決め込んでいた固定概念を、家族ってあっけなく破ってくれちゃうんですよね。

私は『あーあ、また同じでごめんね』なんて思うけど、子どもはもっと純粋に、家族で過ごす時間そのものを楽しんでいるのでしょうね」

江口さん:
「先日子どもの誕生日に、家族全員でケーキを囲んでいたとき、長女が言ったんです。

『みんな揃ったの久しぶりだねー!』と。

習いごともあって、揃ってテーブルを囲む機会が減った今、誕生日に繰り広げられる我が家のマンネリは、しっかり家族の時間にもつながっていたんです。

毎年毎年、色々なカタチでにお祝いしてあげなくちゃ!とわたしはどこか気負っていたのかもしれません。

最近は、『まあ、うちはこれでいっか』と思えるようになりました」

 

マンネリは「わたしを取り戻す」ための安心材料

変えたいのに、もっとよくしたいのに、結局同じになってしまう。

マンネリに対する不安が強いわたしとは対照的に、江口さんからは取材中なんどか「なんだかんだ、これで落ち着いちゃった」という清々しい言葉が返ってきました。

そこで、マンネリであることに不安や、もっとこうであったらという思いは生まれないものですか?と、わたしの頭の片隅にあった疑問を投げかけてみました。

江口さん:
「若い頃より、体力面、記憶面も変わって、いろいろなことがアグレッシブにいかなくなったのは事実で。あれもこれも選べることは楽しくもあるけれど、同時に『苦しい』というのも正直なところでした。

だから、繰り返されることで『わたしを取り戻すマンネリ』があることって、安心するなぁと実感するようになったんです。

外さない安心感、悩まない安心感というか。それは、これまでに沢山失敗や『こうじゃないな〜』という思いを経たからかもしれませんね」

自分だけだったら「こうしなきゃ。もっと変えなくちゃ」って思ってしまう概念を、家族が作っていったマンネリが勢いよく破って、また、軌道修正する。

そんな印象が江口さんのマンネリにはありました。

わたし自身、子どもと暮らす生活が始まってから、新しいことを始めるのはもちろん、これまで出来ていたことを保つのさえ、難しいと実感する日々。

でも、江口さんのお話を聞いて、より良い道へ向かうための「原動力」としても、マンネリは存在できることを知りました。

マンネリしたって、いいんだ。

わたしの今のマンネリって、なんだろう。早速考えようと思います。

 

【写真】馬場わかな


もくじ

江口恵子(フードスタイリスト)

インテリア&フードスタイリストとして雑誌や広告で活躍。東京・吉祥寺でカフェ「ORIDO(オリド)」を営み、料理教室やケータリングも行っている。建築家の夫と、12歳の娘、9歳の息子、6歳の娘と5人家族。http://www.orido.life


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