【わたしを導く人生のルール】第2話:43歳ではじめて母に。水野美紀さんの「イライラに左右されない」ルールとは

編集スタッフ 岡本

人生には、ルールが必要?

人前で感情を露わにしない。1日1万歩以上あるく。私たちは、誰から強制されるでもなく、自分のルールを決めています。

それはきっと少しでも「今より、いい自分」になりたいと願うから。

いつもきれいで、芯の通った生き方をする人。憧れのあの人は、どんなルールをつくり、今の姿にたどりついたのでしょう。

今回お話を伺ったのは、女優の水野美紀さんです。

第1話では、結婚生活のなかで編み出された「1日単位で幸せをポイント換算する」という水野さんの指標についてお届けしました。

つづく第2話では、その指標をもとに生まれた、暮らしの中のルールについて。

役者、脚本家、エッセイスト。そして母親。昨年第一子を出産し忙しさが増した日々には、これまでの日々にはないルールが生まれたそうです。

 


母として、女優として。
1日の幸せをつくる、水野美紀さんのルール


「ささいなこともメモに残す」

水野さん:
「メモ帳やアプリを活用して、そのとき感じたことや、家族のこと、1日の総評なんかを残すようにしています。

書くのは『こんなことしてもらった』とか、たわいもないけど、だからこそ残しておかないと確実に忘れちゃいそうなこと。

振り返って仕事に活きる場合もあれば、暮らしで役立つときもありますよ。

夫とぶつかりそうになったとき、メモに残した過去のプラスポイントが効くんです。

どんなに小さなことでも、そのときの気持ちに立ち返ると多少怒りが収まりますから。笑」

 

「まずは、一旦黙る」

水野さん:
「わーっと感情が高まったときのエネルギーが強い方だという自覚があるので、そのまま言葉にしないようにしています。

自分の気持ちを抑える我慢よりも、言葉にしてしまった後悔の方が自分的にダメージが大きいんです。なので一旦は、黙ります。

冷静になってから、いつ、どう相手に伝えようか考えるようにしてますね。

昔からそうですが、争いはできるだけ避けたいタイプ。

とくに身近な人については、パターンを掴んであらかじめ避けられるようにしています。

体調が悪そう、寝不足らしい、そんないつもと違う様子を察知したときは、無理にコミュニケーションを取ろうとはしません。

そうすると多少ぶつかることがあっても、大きくなりにくいような気がします」

 

「とりあえずやってみる、やらせてみる」

水野さん:
「仕事柄、本当の自分とギャップがある役割を振られることが多々ありました。

昔はそれをしんどいと思う時期もあったけれど、その違和感が自分を知ることにも繋がっていたなあと思うんです。

だから、はじめから『やらない』とは決めずに、なんでもとりあえずやってみる。

まずやってみて、『あ、こういうのは辛いんだ』とか『やってみたら意外といけた』とか、そういう気付きのなかで自分が作られていったというか。

一方で私にはできないと、はっきり分かることも前向きな気付きのひとつでした。

年齢を重ねて、できないと思っていたことが減り、潔く『やらない』と決められることも増えたからか、昔よりラクになった気がしますね」

水野さん:
「もっと言うと、“やってみようスタイル” は人に対しても同じです。

たとえば、夫と私の意見が食い違ったら、まずは夫がやりたいようにやってもらうし、子どもが言うことを聞かなかったら、一旦好きにやらせてみる。

観察して発見があればメモに残して。あとから見返せばどんなことも面白いですから」

 

「優先順位のトップは子ども」

▲お子さんが生まれたばかりの頃。(写真は水野さんのインスタグラムより)

水野さん:
「数時間おきに授乳をしていつも寝不足、といった生まれたばかりの頃に比べると、少しずつだけど時間に余裕が生まれました。

とは言ってもまだまだ手がかかる時期。私自身のやりたいことにかけられる時間を考えると、物理的には減っています。

でも、優先順位のトップは子どもと割り切るようになってからは、自然と焦らなくなりました。

軸にしている考え方は、子育てしながらでも仕事を続けるにはどうしたらいいか。夫婦でも年に一度は休みを合わせて子どもと過ごそうと決めています。

子どもが生まれた今、やれることは減ったけど、むしろ『やりたいこと』がふるいにかかった感じで。

これからは芝居に演劇、あとは執筆と、本当にやりたいことを深掘る時間にしたいですね」

女優として向き合う役柄。劇団の主催者としての責任。そして妻や母という、家庭での立ち位置。

取材が進むほどに、さまざまな役割を求められる日々に身を置いていることが伝わってきました。

求められる役割に真摯に応えようとする場面は、きっと誰にもあるのでしょう。

会社での顔、子どものお母さんとしての顔と、自分でも気づかぬうちにスイッチを入れ替えているけれど、それがときに心をすり減らす原因になっていることも。

でもそんなとき、より所となるルールがあれば、自分自身を保つ軸になってくれる気がします。

つづく第3話では、お届けしてきた暮らしの指標や4つのルールにつながる、30代までのお話をお聞きしました。

(つづく)

【写真】平本泰淳(7枚目以外)
【ヘアメイク】大広まゆみ
【スタイリスト】山下友子
【衣装協力】suzuki takayuki


もくじ

水野美紀(みずの みき)

1974年6月28日生まれ、三重県出身。『踊る大捜査線』シリーズや、映画『恋の罪』など、役者として多くの作品に出演。近年では演劇ユニット『プロペラ犬』を主宰するなど、多方面で活躍している。この夏は、テレビ東京系ドラマ『ラストチャンス 再生請負人』や、讀賣テレビ・日本テレビドラマ『探偵が早すぎる』などに出演。

▽水野美紀さんの著書はこちら


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