【夏のくらしを整える】暑中見舞い・残暑見舞いを送る理由とは?
暑中見舞いと残暑見舞いは、いつ出すのがマナー? 便箋やはがきの選び方は? 夏の土用という暑い時期に手紙をおくる習慣ができた理由なども、和文化研究家の三浦康子さんに書き方や時期について教えていただきました。
編集スタッフ 田中
この時期に、手紙をおくる理由
年賀状は、新年を祝う意味があることはわかりますが、暑中見舞いや残暑見舞いって、なぜ送らなければいけないの?という疑問が私にはありました。
三浦さんによると、この手紙の意味は「相手を想い、暑いさなかの体調を気遣う」ことなのだとか。土用は、梅雨明けで気温の変化が大きく、体調が崩れやすい時期でもあります。そんなときに、自分の近況も知らせつつ、遠く離れた友人や、お世話になっている人に手紙をかくのが昔の人の習いだったのでしょう。
いつまでが「暑中」で、いつからが「残暑」なの?
お手紙には基本的な形式はありますが、あまり堅苦しく考えないで、はがきでもいいですし、便箋に書いてもいいそう。けれど、暑中見舞いと残暑見舞いを送る時期はマナーがあります。
・暑中見舞い…梅雨明け後から、立秋の前日(8月6日)まで
・残暑見舞い…立秋(8月7日)から、8月末ごろまで
「暑中というのは、その時のごとく夏の暑い時期という意味で、季節の目安とされている二十四節気の小暑と大暑を指す場合と、立秋前の夏の土用の期間を指す場合があります。いずれにしても、暑中見舞いは梅雨明けしてから出すようにしましょう。また暦の上で秋になったら、その暑さを『残暑』と呼びます」と三浦さん。
なるほど、だから暑中見舞いは立秋がすぎたら、その名前を残暑見舞いと変えるんですね。
はがきや便箋の選びかた
あまり堅苦しく考えず…….と前述しましたが、絵柄などは大人のご挨拶として、すこし気遣ったほうがいいかもしれません。
暑中のときは、涼しげな金魚、朝顔、風鈴や元気が出そうなひまわり、花火など。残暑であれば、晩夏を思わせる桔梗やほおずきなどもいいそうです。
メールが普及した今、遠くに住む人とも、それほど離れている感覚はありません。けれど、手書きの文字をみると、やっぱり心があたたまりますよね。
美術館や文房具店に置いてある、小さな一筆箋やポストカードに目がない私。ちまちまと集めているけれど、じつは使ったことがなかったんです。
数行でもかまわないから、普段はメールでやり取りする友人に「元気にしている?」と送ってみようかなと思っています。
次の記事は、
vol.5 土用に行うと良い「虫干し」って?
「夏のくらしを整える」の記事は、
vol.1 夏のカラダを整える時期「土用」とは?
vol.2 丑の日にスーパーのうなぎをおいしく食べるコツ
vol.3 旬の枝豆、きほんの茹で方
【写真】松元絵里子
監修・三浦康子
和文化研究家、ライフコーディネーター。わかりやすい解説と洒落た提案が支持され、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ウェブ、講演、商品企画などで活躍中。様々な文化プロジェクトに携わり、子育て世代に「行事育」を提唱している。著書、監修書多数。http://wa-bunka.com/
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