編集スタッフ　松浦

冬はお家にこもって、ぬくぬくしながら映画を観る時間が好きです。

時代や国ごとに絞って観たり、ジャケットが青い映画だけををセレクトして観たり、切り口を変えるだけで、グッと楽しくなるのも魅力のひとつ。

そんなおうち映画をちょっと楽しくするアイディアを、今回は私たちの大好きな北欧映画から集めました。一緒に考えてくれたのは、スウェーデン出身で、映画好きのナタリーさん。

ますます冷え込むこれからの季節。「今日は家にこもってぬくぬくしよう！」そう決めた日には、ちょっと楽しいおうち映画を試してみませんか？

これからの季節にぴったり
「長くつ下のピッピ」のクリスマス

二つ目の作品は、古くからスウェーデンで愛されている国民的映画『長くつ下のピッピ』。

原作は、スウェーデン出身の童話作家、アストリッド・リンドグレーンの童話で、映画やテレビシリーズ版もあり、絶大な人気を誇っています。

今回紹介するのは、テレビシリーズの中でも人気の『Pippis jul』。日本語に訳すと「ピッピのクリスマス」です。

印象的なのは、主人公のピッピが、ジンジャークッキーを焼くシーン。床一面に伸ばした大きな生地を型抜きし、山のようなクッキーが出来上がります。

このクッキーは、「ペッパーカーカ（pepparkakor）」といわれ、ジンジャーはもちろん、シナモンやカルダモン、クローブなどスパイスがたっぷり入ったスウェーデンの伝統菓子。ツリーやリースの飾りとしても使われます。

今年のクリスマスは、
クッキーを焼いて「ピッピのクリスマス」

今回は、そんなスウェーデンのジンジャークッキー「ペッパーカーカ」を、ナタリーさんと一緒に作ってみました。こうやってクリスマスツリーに飾ると、可愛い上に香りもよく、ぐっと気分が高まります。

ツリーがないときは、花屋で売っているモミの木やヒムロスギの枝を大きめの花瓶にさしてもOK！床置きでも十分な存在感がでます。

材料

バター… 150g
きび砂糖 … 250 ml
てんさい糖シロップ … 50 ml
水 … 100 ml
塩 … 大さじ0.5
小麦粉 … 約750g

【スパイス】
ジンジャーパウダー … 大さじ0.5
クローブ … 大さじ0.5
シナモン … 大さじ1
カルダモンポッド … 小さじ１

作り方

【1】鍋にバターを溶かし、砂糖、シロップ、水を入れ、混ぜ合わせます。沸騰してきたら、スパイスを加え、一煮立ちさせたら火を止めます

【2】ボウルに塩と小麦粉を入れ、先ほどの鍋で溶かしたバターを加えてよく混ぜます

【3】冷蔵庫で一晩寝かせます

【4】キッチンペーパー、または小麦粉の上で生地を2〜3mmの厚さに伸ばし、好きな形にくり抜きます

【5】175°Cに予熱したオーブンで、6～8分ほど焼けばできあがり。お好みでアイシングを使って模様を描いてもかわいいです

スウェーデンや他のヨーロッパ諸国では、クリスマスの4週間前の日曜日から、「アドベント」という準備期間がはじまります。この間に、ペッパーカーカを焼いたり、ツリーやキャンドルを飾るそう。

ナタリーさん：
「あまり日本では知られていないのですが、『julapelsin（ユールアペルシーン）』という飾りをスウェーデンではアドベントに作ります。

作り方は簡単。オレンジに、クローブをさし、赤いリボンで結ぶだけ。窓際などに吊るして、香玉のように楽しみます。魔除けや疫病の予防として、お守としての役割もあったみたいです。

この香りがすると、もうすぐクリスマスだなって思いますね。あ〜懐かしい…… 」

クッキーとオレンジのスパイシーで甘い香りに包まれながら、クリスマスの飾りをつくる……なんとも平和な時間です。

ちなみに、今年2018年の1週目のアドベントは、12月2日。お気に入りのクリスマス映画と一緒に、クリスマスの飾り付けを楽しんでみてはいかがでしょうか？

（つづく）

『長くつ下のピッピのクリスマス』
制作年：1969年
監督：オッレ・ヘルボム
主演：インゲル・ニルソン
言語：スウェーデン語

『長くつ下のピッピ』
制作年：1969年
監督：オッレ・ヘルボム
主演：インゲル・ニルソン
言語：日本語

もくじ

ナタリー

スウェーデン・ストックホルム出身。3年前に来日し、会社員として働くかたわらフリーランスモデルとしても活躍中。好きなものは、映画とカメラと、朝ごはん。不定期でスウェーデンの朝食イベントも主催している。

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